この小説、言ってみれば主人公の佐久間公以外は背景の小道具。でも小道具のディテールが活きてるからこそイケてるわけで。うまくできてると思う。
どこまでホントなのか知らないが、中国が日本の土地を買いまくっていて、20xx年に尖閣諸島を攻撃する振りをして、日本国内から戦争を仕掛ける。いやにリアリティがあるな、と。
どこか異国の星(?)に行かされて、そこで10個の願いまでかなえられるというお話。ファンタジーだが、いつもの鬼太郎ワールドとはいかず何か中途半端な感じ。
昭和40年前後の雰囲気を彷彿とさせる。読みながら「当たり前田のクラッカー」などと、まるで三島とは無縁のフレーズが浮かんでしょうがなかった^^
新潮文庫で読んだんで解説が澁澤龍彦だが、これがまたイケてるというか、正しい解釈なのかもしれないがとにかくスノッブで、ひとつ言えることは、全然つまんない。と言っちゃあおしまいやもしれんがな。
合掌。
グローバル化に関する考察がいい。経済はオモテもウラも関係なく民族や国家よりも儲けの観点が優先される。が、その先にあるのは。CIAの元スパイやアメリカ麻薬取締局(DEA)、日本の麻取(厚生労働省管轄)、中国の警察官、日本在住台湾人の地下銀行屋、ロシアマフィア、日本のヤクザなどの登場人物が説得力を出している。