橋本治「大不況には本を読む」

　このタイトルだと、この人の本じゃなければ絶対読まないところだが。ずっと退屈な経済の話が延々と続くが、案外そこに意味があるかも。着地が非常にいい感じ。ま、あいかわらずわかりづらいんだけどね。

佐伯一麦「渡良瀬」

　何も起こらないいまどき珍しいバリバリの（笑）私小説。茨城の古河というところは土地勘なしだが、雰囲気は伝わってくる。でも、だから何なのか。というのは愚問か。なにしろ私小説だからな。。

久坂部羊「芥川症」

　「クモの意図」「或る利口の一生」「バナナ粥」などもじりの短編集。なぜもじる必要があるのかはともかく、この人の医療物はおもしろい。

大沢在昌「北の狩人」

　これが狩人シリーズの第一作目らしい。２作目、３作目がなぜ「狩人」なのかピンと来なかったが、１作目はまんまだ。