訳アリの極悪専用のマンションの管理人助手になった男の話。エンタメとしてサイコー。座布団100枚!
合掌。
シリーズ完結編。シビアだった登場人物達が甘くなっていくのがちょっとな。だが、こういう展開にしないと後味が悪いだろうとも思う。いずれにしろ、一気に読める。
92年の発表だからバブル期が舞台。「おじん」とか「アン・ルイス」とか「デザイナーズブランド」など懐かしい。でも作品自体は古くなっていない。少々甘いかもしれないが。
昭和55年初出の作品で、ロッド・スチュアートとか松田優作とかハマトラとか出てくる固有名詞がなつかしい。電話も固定電話しかなく、隔世の感がありますな。
短編集。相撲取りを引退して探偵になった男、芸能事務所に所属してロックバンド→アイドルデュオ→演歌歌手という経歴を持つ女、漫画家のアシスタント、あとなんだっけ、忘れたが、この道具立てだけでもしょっぱい雰囲気がわかるというもの。
文章のタッチがいいから気持ちよく読める。しょっぱい人生にカンパイ!
行田の零細企業の足袋屋さんが「素足感覚」のマラソンシューズ製造に新規参入して大手のナイキ(本ではアトランティス社だったか)に立ち向かう話で、資金繰りに困っている様子と銀行の介入だけが妙にリアルだが、なんかお伽話のように感じる。
自分にとっては興味深かったシューズに関しては、シューフィッターやランニング教室の先生なども登場するが、「タラウマラ族」「ワラーチ」「フォアフット着地」など「BORN TO RUN」の受け売りだけでまったく物足りなかった。こういうところを深堀すれば絶対印象も違ったと思うが、まあ難しいだろうね。
久しぶりだな、マコト。Ⅹでてっきり終わりだと思っていたが、まだ続いていたシリーズ。なんだか、だいぶあきました^^