~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

縁起はかつぎたい?

2010年09月19日 02時43分00秒 | 雑感
こんなニュースがありました。


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来年3月12日の九州新幹線全線開業に向け、JR九州が起用した西郷隆盛のマスコットキャラクター「西郷どーん」の着物が通常とは逆の左前に描かれていたことが分かった。JR博多駅(福岡市)と鹿児島中央駅(鹿児島市)で、開業までの日数を示すカウントダウンボードに描かれていたが、指摘を受けたJR九州は17日夜、左前を修正した。

 通常、着物は相手から見て右を前にして着る。ところが西郷どーんは逆で、設置直後から「死に装束の左前はおかしい」との指摘があり、18日の朝までに修正した。

 「全国的に知名度があって親しまれる人物」(同社)として起用された「西郷どーん」。しかし、16日に設置を予定していた熊本駅(熊本市)でも市民から西郷隆盛は「熊本にふさわしくない」との反発の声が上がって設置を中止。開業を前に御難が続いている。【綿貫洋】
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「死装束」もですけど、開業前から「ひだりまえ」じゃ、先行き利益面でも不安???
いっそのこと左手にうちわ持たせときますか?
このニュースの下に「正しい着こなしを龍馬に教えてもらおう」という記事がリンクされていてワロてしまいました(各地の龍馬キャラクターはちゃんと着ているようですね)。
和服でなくて洋服の着方と間違ったとしても、男性なら通常「相手から見て右」が上になるはずなんですが・・・・。

「熊本にふさわしくない」・・っていうのもたしかにわからないでもないです。
今の大河ドラマ「龍馬伝」でも、西郷さんはかわいらしいキャラクターになるような描かれ方されてないですし、なんだかいろいろタイミングの悪いことで・・・。


部活保護者会

2010年09月18日 17時42分18秒 | 家族・友人等
今日はほんとにタマゲてしまったのでございます・・・


午後から、息子の部活(ブラスバンド)の保護者会がありました。
超近所に住んでいながら、娘が小さかったため、これまでは学年の保護者会以外のもの(つまり地域保護者会と部活保護者会)はパスしてきたのですが、そろそろ本でも読んでじっとしてくれるようになりましたので、なるべく連れて参加するようにしています。

超近所に住んでいながらちびっとばかり遅刻をして入ってしまい(汗)、受付をしたあとウロウロと席を探していたわけです(部員は70名を超えているので、保護者の出席が半数としても結構な出席者数)。
すると・・・・昨日も小学校で会った顔なじみのお母さん(・・しかも、この方今PTAの仕事で3日にあげずメールで密に連絡をとる必要のあるお母さん!)・・・がおられました。
しかもなんと、同じフルートパートで、何人かいる(フルート)メンバーのうちたった2人の出席者が私と彼女(驚)。

ほんとにびっくりしましたねえ~
下の子同士が同じ小2というのは知ってましたけど、うちは女の子であちらは男の子だし、同じクラスではないし・・というわけで、「ああ同じ学年なんだ」という程度。
まして、上の子の話はしたことがなく、よもや同じ学校で、同じ部活で先輩後輩なんて・・・。

うちの子がたまたま情報に疎いのかもしれませんけど、だれがどこの学校に行ったというのはほんとによくわからないことで、相当仲良しだった子以外は、同じ中学に進んでいなければ、公立に行ったのか、ほかの国私立に行ったのかさっぱりわかりません。
まして、学年が違うと、もうなにがなにやら・・・・・
なので、息子もよもやその後輩が小学校の後輩ということは知らないでありましょう。

今日は、しょっちゅううちに遊びにきている子のお母さんに初めてお会いしたり、「名前だけはきいたことがある子」の親御さんがどなたかわかったりしました。
で、「・・だれかとバンド組んでるみたいなんですけど、それはえっと・・・ああ、そちらとそちらとそちらでしたかあ~。夜すっごく遅く帰ってくるんですけど、ほんとにそれはバンドの練習なんでしょうか?どこでやってるんでしょうか?」みたいに「(モノ言わぬ)息子の行動のウラを取りに参りました」的なお話があったり、
「うちで楽器を見たことがないんですけど、ほんとにうちのは吹けるんでしょうか?ご迷惑かけてないんでしょうか?」みたいな、「子どもになり代わってご挨拶」があったり、
ひとごととしてきいてる分には面白いお話もありました・・・・が、ちっともひとごとではないので、なんだかいちいちドキッとしてしまい・・・・(汗)。

顧問の先生によると、今は体育祭前でマーチの練習に追われているそう。
体育祭での演奏が初めての部員は(うちもその一人)は、まずは暗譜、次に歩きながら手も動かす難しさ、そしてちゃんと間隔を守って隊列をつくること、に非常に苦労しており、
なかには凹んでいるものもおります・・・とのことでした。
・・・・それは大変そうだ~~~~


ま、ひとつ、がんばってくれたまへ。


実はまだ暑い

2010年09月17日 22時49分42秒 | 雑感
たしか一つ前の日記に「木曜はヒマ」と書いたはずだったのですけど、
友人と楽器店に行ってしまい、しかもそのままランチに行ってしまい・・・・(汗)。
で、来年コンサートやろうよっ、という話になったので、なかなか良い日でありました。

そして今日はチェンバロにひさしぶりに行ってきました。
その前後に用事が入っていたもので、いつもより短時間でお願いせざるを得なかったのですけど、これがまた楽しかった~!
これまで、バッハ、スカルラッティ、クープラン、ダカン、ラモーと1~2曲ずつ小さい曲をやってきたのですけど、ヘンデルにきて、かなりハマッてます。
「なにがいいのか?」ときかれても答えられないのですけど・・・・。
帰ってからも、ヘンデルのリコーダーソナタなどを動画で見つけては聴いてました。

今日は午後は小学校の授業参観や懇談もあったのですが、今日はまことに暑かった~。
こんななかで、寝ずにぐずらずに授業受けてる子どもたちはエライと思いました。
こちらは立って参観しているわけではありますが、お母さんたちはけっこう扇子パタパタやってるし、喉は渇くしで、正直「・・早く終わってくれないかな・・・(逃)」という雰囲気。
いや子どもより、親より、なにより先生が大変でいらっしゃるのはよくわかりました。
寝てる子を起こし(ひとりどうにもグダグダの子がいました)、よそ見してる子を注意し、かつちゃんと授業を進めなければならない。それもこの1時間だけではなく、運動会の練習やらなんやら6時間ずーっとされているわけで、お仕事とはいえ、ほんとに大変なことでいらっしゃる。
・・・・・先生の大変さを参観にいったような感じでした。

こんな暑いなか、お仕事されていらっしゃる方からすると、ほんとどうってことない作業なんですけど、
私もちょっと頑張ってみようかと、ここ2週間でふたつのブログ新設にかかわり、現在少しずつ作業をすすめております。
行事関係では、来月のサークル発表会と来年5月の2台ピアノコンサートのエントリーを取りまとめ中、
あと学校に関すること(運動会、給食試食会)、
・・・そんなところでしょうか。
来年については、あといくつか予定があり、これはまだまだ今からのことになりますが・・・。


・・・さて、そろそろ来月の曲を決めねば(汗)。






カデンは進むよ、どこまでも

2010年09月16日 00時03分51秒 | 雑感
ここ2日間のあれこれ・・


14日(火)午前・・・学校で朝から委員会。茶話会・PTCのこと、これからの運動会・給食試食会・選挙管理委員会、と盛りだくさん。これによって生じた雑務がこれまた盛りだくさん・・・
     同午後・・・うちに帰ってほんの少しピアノ。生協の宅配片付け。娘の習いごと送り。
     同夜・・・・知人出演の室内楽演奏会。

15日(水)昼・・・・友人宅で秘密会議?(笑)。娘のピアノつきそい。
      夜・・・・パソコン仕事あれこれ。 

木曜はとりあえずヒマですけど、金曜はこれまた朝から夜まで用事数珠繋ぎ状態。
・ピアノから委員会まで~
・習うから教えるまで~
・小2から中3まで~
時間ないですねえ。
・・・・「♪弾かせて~ください~」・・あれなんだっけ?この歌。
「♪きかせてください~」・・「♪行かせて~ください~」・・・だれか知ってる人いたら♪教えてください・・・・・・あ、思い出しました、さだまさし、だっ。


昔の歌ばなしのついで、といってはなんですけど、
その友人宅での秘密会議(?)のおりに、かつての「エアチェック」の話が出ました。
エアチェック、ってわかりますよね?
(実はつい先日若い子に「FMってなんですか?」ときかれちょっとビックリでして・・・。)
で、そのエアチェックのときに必需品だったのが「カセットテープ」。
この録音用の「テープ」、時間も10分くらいのものから120分とかまでありましたし、
種類もノーマル、クロム、メタルだかなんだかありましたね。
で、録音し終えるとポチっと爪を折って、また上書きしたかったらその上からセロテープを貼る。
慌てて録ると頭が切れてしまうので、録音状態にしといて一時停止ボタンを押しスタンバイ。端っこの透明のとこは音がのらないので、あらかじめ鉛筆なんかを使ってちょっとだけ巻き取っておく。
たぶん私の小学校のころから長男を生む頃まで(つまり15年くらい前)はずーっとこんな感じでした。


CDを初めて買ったのは・・・就職してからですから・・うーん・・23~4年前でしょうか?
なぜか富田勲のシンセサイザーの曲買いました。
新しいものには新しい楽器がよかろうと(笑)。
でもどっちを上にするんだかわかりませんでしたねえ。どっちがA面だよ?みたいな感じで(汗)。
そうこうするうちにLDが出、これはLPとは違うんですか?大きさは似てますけど、ピカピカしてますね?でもA面B面はありそう・・・・・
それ以来、もうついて行けてません。
とりあえずブルーレイとかなんとか使ってはいますし、テレビはもはやアナログではありませんけど、仕組みについてはさっぱり理解できてません。
電話にしたって、一家に一台黒電話、クラスにひとりふたりは電話のないうちもあります・・の時代から、一家に人数分携帯電話の時代。

・・・しかもその電話ってテレビも映るんだって!メールとかいうのも飛ばせるらしいよ、どこから字が出ていってるんだろうね・・・・それどころか写真も映像も送れるらしい・・・

こんなものを使っている自分にびっくりです。
もうテレビや電話はこれ以上進化しなくていいから、
洗濯物集めて洗って干してまたタンスに勝手に戻してくれる機械・・とか、
天気のいい日は勝手に窓辺に歩いていって日光浴してくれる布団・・とか、
できるといいのに(逃)。  



この夏初の~

2010年09月13日 23時34分33秒 | 雑感
今日は、なんと、「この夏」になって以来、初めてリビングでエアコンを入れませんでした。
ふつうに窓を開けているだけで一日過ごせた~!
なんとめでたいことでありましょう。

室温が30℃というのは、かくも快適なものだということを初めて知った次第。

・・・・日本はたぶん熱帯になったのだと思う・・・・・・


午牛

2010年09月13日 19時13分32秒 | 家族・友人等
先日、娘の宿題をのぞいたところ、こんな解答が・・・

答:牛後
答:牛後

なんですか、これ?
国語ならまだ「鶏口→牛後」でわからなくもないですが、それにしても小2で出る問題ではないですね。
ええ、算数でございました。
なんだかイラストの横に時計があって、「これは午前ですか、午後ですか?」という問題・・・・

・・・突き抜けてる~・・・

「突き抜ける」ことそのものを否定する私ではございませんけど、これはいけません。
「ウマ(午)がウシ(牛)になっちゃダメでしょ?」といっても娘にはなんのことだかさっぱりわからない。
「ウマは馬じゃん」というばかり。
そうなんですが・・・
そこからムダとは知りつつ、昔の時刻表「子・丑・寅・卯・・・・」の説明。かえって混乱したかもしれませんけど、「午後の『午』は『ウマの刻』の午」これは、私としてはゆずれない(笑)。
ただ単に「午後の午は上が突き抜けてはダメよ~」と言えばすむことを、長い時間かけて十二支の絵本(これを娘は愛読してます)までを持ち出して説明するのは、我ながらヒマ人と言わざるを得ません。
親の自己満足でございます(笑)。


上の子の時、低学年時の漢字や計算を甘くみていたことについて私自身反省をしておりまして、なるべく下の子はのぞくようにしているのですが、これがまたストレスのタネ。
だいたいこの人湯桶読みクイーンなので、
<生命→なまめい>
<送信→おくしん>
などなどの読み方を信じて疑いません。
くわえて変な漢字をいっぱい書く。
<まいにち→海日>
<せいり→せい埋>
そのほか変換できないフシギな漢字の数々・・・・もう油断も隙もありゃしない(汗)。

だいたい間違いというものには、なにか理由があるもので(ピアノやそのほかのものについてもそうですけど)、それを「違う」と頭ごなしに否定することは、反発以外のなにものも呼びません。
正解と信じて書いたもの、そうでないもの、いずれにせよ、それを書くまでにはなにか思考回路があったはずで、そこにいたる時間を一蹴されたのでは、生きる気力を失います(・・おおげさですね、はい)。
わかってはいるんですが、なにしろ気がついたときは時間がないんですよ。
頭ごなしに「くわっ」とやっちゃいます(汗)。
よそのお子さんだとけっこう忍耐がきいて(勉強は教えてませんので、まあ音楽系のことですね)、「どうしてそう思ったの?」とじっくりきくのですけど、わが子についてはなかなか難しい。
ピアノ・バイオリンは別として、勉強だと、ご飯を作りながら・楽譜を製本しながら・洗濯取み込みながら、すべて「ながら」でチラチラみるわけなので、すべからく「いい加減」です。
時間のあるときは、彼女自身が関心のあるテレビや本やその他を結びつけてうまく導くことができるのですけど、やっぱり余裕がないのはいけません。
そうは言っても、私は基本仕事してないわけで、朝子どもを預けて夜中に引き取りに行くキャリアウーマン(←古いですね)のお母さんたちとくらべれば、はるかに余裕はあるはずなんですが・・・・。


小学校高学年以上になると予習なしに教えることもできなくなるので(大汗)、今のうちだとは思っているのですが、言うは易く行なうは難し。
一緒に遊ぶことには余念がないのですが・・・(逃)。




学校・演奏会・ラジオ

2010年09月11日 23時10分57秒 | 雑感
今日はいろいろ用がございました。

まずは中学の参観&保護者会。
参観は自由なうえ、娘がいたので「あと10分」というときに行きましたら、別の教室での授業だったようで、結局見られず。
保護者会ですが、「高校進学について」(といっても6年一貫なので内部進学ですけど)がまず最初のお話。
どんな話かと思ったならば・・・・
「これは何人かの生徒ですが、『まったく勉強していない』ことを先生にも親にも言えないでいます。少しはやってるだろう・・とかいうことではないのです。締切ギリギリになったら提出物をやる・・・とかそういうことでもなく、『まったくやっていない、ゼロ』です。これは反抗してやらないということでもなく、明日やろう明日やろうと思っているうちに今に至ったということで、最初に提出物を出さなかったのがさほど問題にならなかったからそのままになったという・・・。そして授業もきいているふりをして実はきいてない。」

・・・・ま、まさかうちのもそのようなことになってたりなんか・・・しないよなあ・・・(汗)

そこで「親もしっかりしてくれ」というハナシになるのかと思いましたらそうでもなく、
「その子たちはおそらく高校に行けるかどうかびくびくしているはず。だからといって今までゼロのものを急にどうにかすることもできず・・・今の子どもは厳しくいうとプレッシャーでダメになってしまいますし・・・。小学校の頃、勉強ができることに自分の価値を見出していたのが、そこがまったく心の支えにならなくなった状態をなんとかしていかないといけないんですね。」ということから、
「せめて授業だけでもきちんと聞けばいいんですね。数学だけでも年間110時間あるんですから。もしなにか技術を身につけようと専門学校に行ったとすると110時間というものはかなりの分量のはず。別に『問題集を解くのが上手なおじいさんになる』のが人生の目標なわけではなく、長い一生で考えると中高の数学というのは問題を解けることがどうこうでなくて、論理的考え方ができるようになるかどうか・・が一番大事でおもしろいこと。授業をちゃんときいていれば『勉強をまったくやっていない』ことにはならないのだから、宿題はともかく、勉強することそのものを『ゼロ』にしないようにしていってほしい」

・・・・というですね、あきらかにハードルは低いのだけれど、この学校の生徒向けとして実はレベルが高いのか低いのか、一瞬では判断できないお話を伺いました。

そのあと、生活指導の先生からのお話も。
中1の時は、「オンラインゲームにハマらないように」「携帯を持たせる際に注意すること」「パソコンはリビングで使わせる」といったわりにおおらかなおハナシだったのですが、今回あきらかにレベルアップ。
〇ゲームを取り放題できるように改造した場合の犯罪性
〇裏サイトの運営がばれた場合はどうするか
〇デキル連中がやっている試験対策の秘密サイトの取り扱い
・・・などなど。
それも「こうやってこうやって、ここまでたどりついたのですが、最後パスワードがわからず私はまだ入れてません」などと、非常に熱心(?)に取り組まれており、警察と連携しての各学校の生活指導担当者のご苦労のほどがしのばれました。
今の生活指導は、服装がどうこう、喫煙がどうこう、男女交際がどうこう、などの古典的なものプラス、サイバー関係に長けていないと務まらないんですね。

・・・・なかなか勉強になりました。おそるべし、保護者会。



その後はそのまま娘を連れて某演奏会へ。
バイオリンとピアノのデュオで、ピアノの役割の非常に重い曲が半分以上を占めていたのにもかかわらず、プログラムにはピアニストの名前も写真もプロフィールも記載されていないという不思議な演奏会でした。
公共機関主催のクラシックコンサートシリーズのひとつであったにも関わらず、責任校正はなかったのでしょうか?
ピアニストとバイオリニストのタイプがあまりにも違い、また長く組んでいるというわけでもなさそうでしたので、デュオを堪能したという感じにはなりませんでしたが、それぞれのレベルは非常に高く、いい演奏であったと思うので、ちょっと残念な気がしました。


夜、ある方からメールをいただき、松本和将氏の演奏をFMで聴くことができました。
シューマン、ブラームス、ショパンというプログラム、堪能いたしました。
・・・それもですが、トークのなかで、「バンドをやっていたときは、髪にカラースプレー、化粧も・・・・してましたね」というくだりが。

・・・・さすがにオドロキましたです(笑)。



重陽の節句

2010年09月10日 22時57分35秒 | 雑感
一日遅れてしまいましたが、昨日9月9日は重陽の節句です(本来はもちろん旧暦でのことですので、新暦では10月になりましょうか)。
なにが「陽」かというと、別に私の名前のことではなく、「九」という数字が陰陽道で最大の奇数(陽の数)であり、これがふたつ重なっているということなんだそうですね。
古くから「菊の節句」としても親しまれてきたようで、私がわずかに覚えている古文の一部「紫式部日記」のなかに、真綿(木綿ではないですよ)に菊の露をしみこませて、それで顔だか体だかを拭いて老いをぬぐい、長寿を願う・・みたいな一節があったように思い、ちょっとネットで探してみました。(手元に本がないもので・・・汗)

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九日、菊の綿を、兵部のおもとの持て来て、「これ、殿の上の、とり分きていとよう、老拭ひ捨て給へと、のたまはせつる」とあれば、

菊の露 わかゆばかりに 袖ふれて 花のあるじに 千代はゆづらむ

とて、かへし奉らんとする程に、あなたに還りわたらせ給ひぬとあれば、ようなさにとどめつ

<訳>
 重陽の節句の9月9日、兵部のおもと(女房の敬称)が菊の着せ綿を持ってきて、「殿の北の方(鷹司倫子)がこれを特別にあなたにって。これでよく顔や体をぬぐって、老いを取り除きなさいって」と言うので、

 菊の露わかゆばかりに袖ふれて花 のあるじに千代はゆづらむ
 (わたしはちょっと若返れば・・・千代の長生きは北の方に)

 と詠んで、着せ綿を返そうとしたら、「北の方はもう帰ってしまわれたわ」というので、しかたなくそのままにしてしまった。

※着せ綿 重陽の節句の前夜、菊の花に真綿を覆っておき、あくる朝夜露に濡れて菊の香りがうつった綿で顔や体をぬぐうと老いが除くと信じられた。

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なかなか風流でございます。
ほかにも「菊酒」というならわしもあるとか。

1月1日(正月)、3月3日(桃の節句)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕)は今でも行事が残っていて祝われていますが、9月9日はほとんどなにもしないですね。お月見が近いから忘れられているのか?・・・・
「孫の日」などの商業由来の後発の行事を増やすより、こういうものをやるのがいいような気がするのですけど、あまり商売的にメリットがないんでしょうか?
エステ関係とかいかがでしょうか?「特性菊のエキス入りアンチエイジング化粧水」とか(笑)。菊はちょっと難しいのでしょうね、なんとなく仏様のお花っぽいし・・・。


「菊」や「陽」の連想から、ちょっとアヤシイ方面の節句という説もありますが、そういうことはおいといて・・・・
ちょっとだけ古典の時間、重陽の節句のお話でございました。


極限状態から引き出されるもの

2010年09月09日 21時33分53秒 | 雑感
演劇に関して、演出家が役者を極限状態に追い詰め、「もうダメだ~、自分が死ぬか、演出家を刺すかどちらかしか道はない」というほどの精神状態に役者が陥った挙句に、ある境地に行き着くといった話をきくことがあります。
映画でも、非常に孤独な役とか、狂気系の役に扮する俳優さんを、わざと現場全体で村八分にしてしまうという話もあり。
また優れた俳優さんは自分で自分をそのようなところに追い込まれるようで、映画「キャタピラー」の寺島しのぶさんは、12日間の撮影中、じんましんが出、ついに病院に行くほど心身ともに極限状態に至った、とあるインタビューで話しておられました。

音楽でもそういう話をときにききます。
本来ありえない・・というか、「そんなことされたら弾けなくなるじゃん」と私などは思うのですけど、
本番直前のリハーサルで、完膚なきまでに指導者に罵倒されるとか・・・・、
ある大曲を2~3日で弾けるように命じ、それをやってこなかった(できてなかった)場合、たどたどしくとも最後の一音に至るまで目の前で弾かせるとか・・・・、
ある響きに至るまで、ひとつの音を何十分でも弾かせ続け、絶対にOKを出さないとか・・・・、
こういったことをイジメでなくて、たぶん正気で、おそらくわざとやっているケースがあると言うことをきくことがあります。
ほとんどが、高度な指導者と才能のある弟子の組み合わせの場合に限られると思いますし、それで潰れるくらいなら、所詮厳しい世界で成功する目は無いということなのかもしれません。

どちらにとってもこれは賭けに等しいギリギリのことなんだと思います。
いくら信頼しているとは言っても、弟子だって一度は「刺したろか」ぐらいの気持ちはもつだろうし、指導者だって自分の生命の安全が保証されているような場所から安穏とモノを言っているわけではないと思うんですよね。
これはもう、「ほめて育てる」とか「楽しく身に着ける」などというものとは対極の位置にあるもので、おそらく、音楽でもスポーツでもなんでもピラミッドの頂点に近いレベルのところでは程度の差こそあれ、こういう指導は結構あるのではないかと私思っております。
もしかするとそれは、場合によっては、なんとかハラスメントと呼ばれたり、暴力行為と受け取られることもあるのかもしれませんし、実際そういう名の下に葬り去られた指導者もいらっしゃるかもしれません。
そういうものを私決して肯定するわけではありませんけど、最高の指導(とよばれるもの)に属するもののなかには、我々には想像のつかない、狂気と紙一重とも言えるものがあるのだ、ということもまた認めざるを得ません。

私は基本、楽しくまた勇気づけられるような演奏を聴くのが好きではありますが、非常にストイックで幾多の苦しみを経た音を聴くことも好みます。
それは別に重苦しい音とか暗い音とかいうわけではなく、むしろ逆で、そういうところを突き抜けた音、むしろ明るい音かもしれません。そういう音に接すると、哀しみの深さとか苦しみの厳しさがじわーっと広がってくるので、ほんとに重苦しい音を聴くよりも私にはこたえます。
でもそういう音が出せるということは、おそらく人間的にもなにかを超えた境地に至っているのだろうな、と思います。

「傷ついた」と言うことはほぼマイナスの意味で使われますけど、傷つかないで磨かれるモノっていったいなんだろう・・とも思うわけです。傷の深さはもちろん問題になりますけど、一流に上り詰めた人って実は傷だらけなんじゃないか・・・傷だらけと言っていいほど研磨して、こりゃダメになるのかモノになるのか、どっちなんだ・・・というところから「モノになる」方向に必死でかじを切ったんじゃないかと思ったりします。

あえて他人を傷つけることはしたくはありませんけど、自分に受けた傷は、古傷よし、鮮度のいいものよし、すべて引き受けて生かしていけたらば、それに越したことはない、・・・と厳しい演出家や監督、指導者の話を思い出しながら思ったことでありました。