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~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

魚住 恵 ピアノリサイタル

2012年09月15日 21時42分38秒 | ピアノ

「魚住恵リサイタル」を聴いてまいりました。(エリザベト音大ザビエルホール 18:00開演)

プログラム~~~~~~~~~~~

モーツァルト:ピアノ・ソナタ 変ロ長調 KV570

ショパン:ピアノ・ソナタ 変ロ短調 Op.35「葬送」

    (休憩)

ドビュッシー:<映像>第一集

武満 徹:<雨の樹素描 II -オリヴィエ・メシアンの追憶に->

メシアン:<幼子イエズスに注ぐ20のなまざし>より 「幼子イエズスの口づけ」

 (アンコール)

ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女

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全体として、お姿、ドレス、演奏、語り、すべてに非常にセンスの良いリサイタルでした。(ドレスは前半オレンジ、後半はブルー系の微妙に変色するもの)

お年はだいたい存知あげているのですが、信じられないくらいお美しく素敵。これまで何回か演奏に接しているのですが、ソロのリサイタルを聴かせていただくのは私は初めてで(11年ぶりでいらっしゃるとか)、あらためてご自分の世界をビシッとお持ちの方なのだと実感。

前半プログラム、しっかりとした音運び。充実した音質は高い音でも「アルト」を思わせるところがあり、(楚々としたお姿を裏切るような)男前な骨太さを感じました。

これはあくまでも私の個人的な感覚なのですが、いい意味で、二次元の「絵画」を思わせるところがあって、それは昨日広響のプログラムで読んだ、「ブーレーズが『メシアンは組み立てない。並置する』と語っているように・・・・」という一節を想起させるところがあり、後半プログラム、とくにメシアンへの期待が高まりました。

後半、ドビュッシーを経て、武満、メシアンへの運びはトークも含めて見事。

最近私自身の現代曲への親和性が増しているせいなのか、演奏がすばらしかったせいなのか、その両方なのかわかりませんが、とにかくメシアンは忘れられない。全20曲のうちの1曲だけだったのがとても残念でした。私自身の勉強の至らなさで、どこがどうよかったのか語れないのが非常にもどかしいのですが、「もっと聴きたかった、この世界にもう少しとどまりたかった・・・」という感想でお許しください。

次回、11年後と言わず、ソロリサイタルを開催されることを楽しみにしております。


トゥーランガ+リラ

2012年09月15日 00時43分04秒 | 交響曲・管弦楽曲等

広響定期(市文化交流会館 18:45開演)に行ってまいりました。

プログラムは

モーツァルト 交響曲第33番変ロ長調 K.319(約25分)

メシアン:トゥーランガリラ交響曲(約75分)

の2曲。

実は、16時ごろに一回チラシの挟み込みのために同ホールへ行き、いったん帰ってご飯を食べてまた出かけたわけです。

私は広響の定期にそうしげしげ通っているわけではないのですが、今日(14日)は、制服姿の高校生がずいぶん多いな・・という印象でした。「<プロ改組40周年定期>ということで、招待券もけっこう出ているのでは?」と思いましたが、若い子がたくさん聴きにくるのは歓迎すべきことです。

モーツァルトはまあまあというか、ステージ客席共に、「メインはメシアン」感がありありすぎて、前プロとしてもちょっと薄い感じ・・・・。

これが終わって休憩。こんな感じ↓

オンドマルトノ見学ツアー状態。そりゃ見たいですよ、近くで。

演奏者の原田節氏は、プログラムのプロフィールによると「慶應義塾大学経済学部を卒業後渡仏、パリ国立音楽院オンド・マルトノ科を首席で卒業」とあります。これを一読しただけでも「へええ~」数回。

「パリ国立音楽院にオンド・マルトノ科ってあるんだ~!」というわけで、検索してみましたら、なんともおしゃれなHPのなかに、・・・・ありました、ありました。

たしかに「トゥーランガリラ交響曲」はオンド・マルトノ大活躍ではありますが、ほかにも独奏楽器としてピアノもあるわけで、これも超難しい(たぶん)。今回のソリストは永野英樹さん。

ところで、・・・まずは「トゥーランガリラ」とはなんぞや?

「トゥーラン+ガリラ」と、私ながらく信じておりましたが、・・・違いました(汗)。正解は「トゥーランガ&リラ」。

これは2つのサンスクリット語を合成したものだそうで、<トゥランガ>が「早駆けする馬のように走り去る時間」、もしくは「砂時計の砂にも似て流れる時間」を意味し、<リラ>は「生と死の聖なるゲームであり、また愛の意味も持つ」とのことです。

メシアン自身の語るところによれば、この交響曲は「愛の歌であり、喜悦と、時間と運動とリズム、そして生と死に寄せる賛歌」ということになるんだそうです。

で、ここで素朴な疑問・・・なんで最近、至るところでメシアン??

私、不勉強にして知りませんでしたが、今年はメシアン没後20年の記念イヤーなんですね。1908~1992に生きた方ということなので、それはたしかに「つい最近まで生きておられた」という認識はありますけど、そうですか、没後20年ですか・・。そうか、あれから20年たったのか(個人的な記憶の話・・・殴)。

「トゥーランガリラ交響曲」そのものは、1946年から1948年にかけて作曲されたそうで、さすがにそのころは私も生まれておりません。時期的には「戦後まもなくのころ」ということになりましょうか。

全体を通しての感想は、「思ったほどわけわからん曲でもなければ、そう長くも感じなかった」ということ。全10楽章ですが、20世紀の曲としては聴きやすい曲なのでは?(あまりほかの曲を知りませんけど)

とくに前半の5楽章まで(なかでも1&2楽章)は、曲の内容、音量、音色にことごとく圧倒され、「すごい曲だなあ」と驚くばかり。1941年生まれでいらっしゃる指揮の秋山氏、頭脳超明晰、体や振りもピシっとされていて、「スコアもオケも掌中にあり」という感じを受けました。

後半は、たぶん私の、聴衆としての集中力が落ちたんだと思うのですが、前半に比べるといまいちちゃんと聴けなかった気がします。

オンド・マルトノの不思議な音は、電子楽器ということもあり、ある意味違和感があるんですが、その違和感はもちろん狙って使われているはずなので、それがまたおもしろい。ピアノも、硬質で乾いた音が、ふつうに聴く「ピアノ」のイメージを変えるというか、広げる感じでした。

この曲に使われていた楽器は以下です。

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独奏ピアノ、独奏オンド・マルトノ、

ピッコロ、フルート2、オーボエ2、イングリッシュホルン、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット3、ホルン4、

ピッコロトランペット、トランペット3、コルネット、トロンボーン3、テューバ、

ジュ・ド・タンブル(=鍵盤式グロッケンシュピール)、チェレスタ、ヴィブラフォン、チューブラベル、バスドラム、プロヴァンス太鼓、スネアドラム、テンプルブロック3、マラカス、トライアングル、タンバリン、ウッドブロック、シンバル、サスペンデッドシンバル、小シンバル、チャイニーズ・シンバル、タムタム

弦5部

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パーカスセクション、ぱんぱん(笑)。

さて、明日は、メシアンのピアノ曲を聴いてきます(・・もちろんそれだけではないですけど)。