広響定期(市文化交流会館 18:45開演)に行ってまいりました。
プログラムは
モーツァルト 交響曲第33番変ロ長調 K.319(約25分)
メシアン:トゥーランガリラ交響曲(約75分)
の2曲。
実は、16時ごろに一回チラシの挟み込みのために同ホールへ行き、いったん帰ってご飯を食べてまた出かけたわけです。
私は広響の定期にそうしげしげ通っているわけではないのですが、今日(14日)は、制服姿の高校生がずいぶん多いな・・という印象でした。「<プロ改組40周年定期>ということで、招待券もけっこう出ているのでは?」と思いましたが、若い子がたくさん聴きにくるのは歓迎すべきことです。
モーツァルトはまあまあというか、ステージ客席共に、「メインはメシアン」感がありありすぎて、前プロとしてもちょっと薄い感じ・・・・。
これが終わって休憩。こんな感じ↓

オンドマルトノ見学ツアー状態。そりゃ見たいですよ、近くで。
演奏者の原田節氏は、プログラムのプロフィールによると「慶應義塾大学経済学部を卒業後渡仏、パリ国立音楽院オンド・マルトノ科を首席で卒業」とあります。これを一読しただけでも「へええ~」数回。
「パリ国立音楽院にオンド・マルトノ科ってあるんだ~!」というわけで、検索してみましたら、なんともおしゃれなHPのなかに、・・・・ありました、ありました。
たしかに「トゥーランガリラ交響曲」はオンド・マルトノ大活躍ではありますが、ほかにも独奏楽器としてピアノもあるわけで、これも超難しい(たぶん)。今回のソリストは永野英樹さん。
ところで、・・・まずは「トゥーランガリラ」とはなんぞや?
「トゥーラン+ガリラ」と、私ながらく信じておりましたが、・・・違いました(汗)。正解は「トゥーランガ&リラ」。
これは2つのサンスクリット語を合成したものだそうで、<トゥランガ>が「早駆けする馬のように走り去る時間」、もしくは「砂時計の砂にも似て流れる時間」を意味し、<リラ>は「生と死の聖なるゲームであり、また愛の意味も持つ」とのことです。
メシアン自身の語るところによれば、この交響曲は「愛の歌であり、喜悦と、時間と運動とリズム、そして生と死に寄せる賛歌」ということになるんだそうです。
で、ここで素朴な疑問・・・なんで最近、至るところでメシアン??
私、不勉強にして知りませんでしたが、今年はメシアン没後20年の記念イヤーなんですね。1908~1992に生きた方ということなので、それはたしかに「つい最近まで生きておられた」という認識はありますけど、そうですか、没後20年ですか・・。そうか、あれから20年たったのか(個人的な記憶の話・・・殴)。
「トゥーランガリラ交響曲」そのものは、1946年から1948年にかけて作曲されたそうで、さすがにそのころは私も生まれておりません。時期的には「戦後まもなくのころ」ということになりましょうか。
全体を通しての感想は、「思ったほどわけわからん曲でもなければ、そう長くも感じなかった」ということ。全10楽章ですが、20世紀の曲としては聴きやすい曲なのでは?(あまりほかの曲を知りませんけど)
とくに前半の5楽章まで(なかでも1&2楽章)は、曲の内容、音量、音色にことごとく圧倒され、「すごい曲だなあ」と驚くばかり。1941年生まれでいらっしゃる指揮の秋山氏、頭脳超明晰、体や振りもピシっとされていて、「スコアもオケも掌中にあり」という感じを受けました。
後半は、たぶん私の、聴衆としての集中力が落ちたんだと思うのですが、前半に比べるといまいちちゃんと聴けなかった気がします。
オンド・マルトノの不思議な音は、電子楽器ということもあり、ある意味違和感があるんですが、その違和感はもちろん狙って使われているはずなので、それがまたおもしろい。ピアノも、硬質で乾いた音が、ふつうに聴く「ピアノ」のイメージを変えるというか、広げる感じでした。
この曲に使われていた楽器は以下です。
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独奏ピアノ、独奏オンド・マルトノ、
ピッコロ、フルート2、オーボエ2、イングリッシュホルン、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット3、ホルン4、
ピッコロトランペット、トランペット3、コルネット、トロンボーン3、テューバ、
ジュ・ド・タンブル(=鍵盤式グロッケンシュピール)、チェレスタ、ヴィブラフォン、チューブラベル、バスドラム、プロヴァンス太鼓、スネアドラム、テンプルブロック3、マラカス、トライアングル、タンバリン、ウッドブロック、シンバル、サスペンデッドシンバル、小シンバル、チャイニーズ・シンバル、タムタム
弦5部
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パーカスセクション、ぱんぱん(笑)。
さて、明日は、メシアンのピアノ曲を聴いてきます(・・もちろんそれだけではないですけど)。