昨日の「殿」についてなのだが、ネットで見る限り、世間の常識にはまだまだかなりの幅があり、個人個人の感覚にも違いがあることがわかった。
古いところでは旧陸軍のマニュアルを引っ張ってきて、「明らかに殿が上、様が下」という人もいれば、「殿を使うなんて無教養もいいとこ」とか「殿を使われると、慇懃無礼な気がしてバカにされているとしか思えない」という人もいる。
辞書には、「他人の氏名・職名などの下につけて尊敬を表すことば」とか、「公式の・場面(手紙)で、相手の名前に添える敬称。(現在、個人で使用するのは、老人が多い)」などとあって、特に目上だとか目下だとかの記載はない。
しかしこれを使われて不愉快な人は徹底的に不愉快なようで、ある幼稚園などは保護者向けには「様」、子どもには「殿(子どもは<ちゃん>とか<さん>でよさそうにも思うのだが)」、と細かく使いわけているようだ。
私としてはふと、では「貴様」と「貴殿」はどうなのか?と思ったのだが、これもどちらかというと軍人さんっぽい言葉使いなので、旧陸軍マニュアルとやらに右にならえで理解しておこうと思ったことであった。
というモロモロをふまえて、ここで「ことばおじさん」を丸写しさせていただく。
(2005年12月のNHKことばおじさんより)
手紙の宛先を書くときに、“○○様”、“○○殿”のどちらを使おうかと迷ったことはありませんか?
「様」は男女を問わず目上目下の関係もなく使える敬称です。では、「殿」はどうでしょう。実は「殿」は“男性”が“同僚または目下”に対して使う敬称です。
元々「殿」は敬意の高いことばでした。その後、身分の高い人の住む家屋を指し、そこに住む人のことを指すことばへと変化しました。
さらに平安時代には敬称として使われはじめ、関白殿、摂政殿のように、役職名につけられていました。鎌倉時代末期には、何の官職もない人に対して名前の後ろに使われるようになります。さらに室町時代から、直接言うのをはばかって「その方向」という意味で「様」を名前につけるようになりました。それらのことから「殿」の敬意が下がっていったようです。その頃の敬称の使い方は、敬意の高い順から「様→公→殿→老」であったことが、室町後期にポルトガルの宣教師が書いた『日本大文典』からもわかります。
今では一般的に「様」を使えば間違いはないでしょう。しかし、役所や会社などの公用文には「殿」を見かけますよね。目上目下に限らず「殿」を使うことが明治以来、慣例となっているためです。しかし、「様」が一般的になってきたことから、最近では「殿」から「様」にする自治体も、増えてきているようです。しかし例えば、”知事様“のように役職名に「様」は違和感があるため、役職名にもつけることの出来る「殿」が、「知事殿」の例のように、公用文などでは使いやすいのかもしれませんね。
・・・ということで、大変な歴史的変遷があるようだ。
あくまでも公用文で使われることが基本であり、私信で使うのはちょっと無理がありそうなのだが、人によっては「知事殿」などとという使い方は「二重敬称」として避けるべきという人もいるし、年配の男性から「・・・殿」という私信をもらうと親しみとユーモアを感じてうれしいというOLもありで、たかが「殿」されど「殿」というところだ。
結論。
会社内で「殿」で統一されている場合は別として(会社によっては「様」はダメなところもあるようです)、「様」を使う方が無難だし敵を作らない。
専業主婦にはほぼ「♪そんなの関係ねえ~♪」のお話ですが・・・・。
古いところでは旧陸軍のマニュアルを引っ張ってきて、「明らかに殿が上、様が下」という人もいれば、「殿を使うなんて無教養もいいとこ」とか「殿を使われると、慇懃無礼な気がしてバカにされているとしか思えない」という人もいる。
辞書には、「他人の氏名・職名などの下につけて尊敬を表すことば」とか、「公式の・場面(手紙)で、相手の名前に添える敬称。(現在、個人で使用するのは、老人が多い)」などとあって、特に目上だとか目下だとかの記載はない。
しかしこれを使われて不愉快な人は徹底的に不愉快なようで、ある幼稚園などは保護者向けには「様」、子どもには「殿(子どもは<ちゃん>とか<さん>でよさそうにも思うのだが)」、と細かく使いわけているようだ。
私としてはふと、では「貴様」と「貴殿」はどうなのか?と思ったのだが、これもどちらかというと軍人さんっぽい言葉使いなので、旧陸軍マニュアルとやらに右にならえで理解しておこうと思ったことであった。
というモロモロをふまえて、ここで「ことばおじさん」を丸写しさせていただく。
(2005年12月のNHKことばおじさんより)
手紙の宛先を書くときに、“○○様”、“○○殿”のどちらを使おうかと迷ったことはありませんか?
「様」は男女を問わず目上目下の関係もなく使える敬称です。では、「殿」はどうでしょう。実は「殿」は“男性”が“同僚または目下”に対して使う敬称です。
元々「殿」は敬意の高いことばでした。その後、身分の高い人の住む家屋を指し、そこに住む人のことを指すことばへと変化しました。
さらに平安時代には敬称として使われはじめ、関白殿、摂政殿のように、役職名につけられていました。鎌倉時代末期には、何の官職もない人に対して名前の後ろに使われるようになります。さらに室町時代から、直接言うのをはばかって「その方向」という意味で「様」を名前につけるようになりました。それらのことから「殿」の敬意が下がっていったようです。その頃の敬称の使い方は、敬意の高い順から「様→公→殿→老」であったことが、室町後期にポルトガルの宣教師が書いた『日本大文典』からもわかります。
今では一般的に「様」を使えば間違いはないでしょう。しかし、役所や会社などの公用文には「殿」を見かけますよね。目上目下に限らず「殿」を使うことが明治以来、慣例となっているためです。しかし、「様」が一般的になってきたことから、最近では「殿」から「様」にする自治体も、増えてきているようです。しかし例えば、”知事様“のように役職名に「様」は違和感があるため、役職名にもつけることの出来る「殿」が、「知事殿」の例のように、公用文などでは使いやすいのかもしれませんね。
・・・ということで、大変な歴史的変遷があるようだ。
あくまでも公用文で使われることが基本であり、私信で使うのはちょっと無理がありそうなのだが、人によっては「知事殿」などとという使い方は「二重敬称」として避けるべきという人もいるし、年配の男性から「・・・殿」という私信をもらうと親しみとユーモアを感じてうれしいというOLもありで、たかが「殿」されど「殿」というところだ。
結論。
会社内で「殿」で統一されている場合は別として(会社によっては「様」はダメなところもあるようです)、「様」を使う方が無難だし敵を作らない。
専業主婦にはほぼ「♪そんなの関係ねえ~♪」のお話ですが・・・・。