以前、ある音楽評論家の方の講演会へ行った時、次のようなお話を聞いた。
『Kさんという目の不自由なピアニストがおられますが、
この方、それはもう研ぎ澄まされた音を出される。
こういう表現が適切かどうかわからないが<怖いような美音>です。
目の見えない方なので、そういう方面が特に優れているのかとずっと思っておりましたが、
ある時彼のコンサートに行っていたら、曲によってはそうでもない演奏もある。
やはり、これは音を磨いて磨いて磨きぬいて紡ぎだされた美音なのだ、と思いました』
私が「美しい音」ということに愕然とした初めての経験は、
実はそう昔のことではない。
それまで、学生時代の発表会では私の耳が雑だったせいなのか、
仲間うちのレベルが似たもの同士だったせいなのか、
「おお、こんな音を出す人がいるのか」と思ったことはなかった。
一流のピアニストの演奏はCDやコンサートで聴くことはあるが、これは所詮「超一流なのだから」とある意味、聴く耳を持たない。
心の底から驚愕したのは、2年半ほど前、アマチュアだけのコンサートで、某氏の演奏を聴いた時のことだった。
まったく同じ会場で、まったく同じピアノを弾いたはずなのに、
氏の音は他の演奏者とはまったく違っていた。
さっき自分が弾いた同じあの楽器からどうしてあのような音が引き出せるのか想像もつかなかった。
今では、アマチュアピアニストとして超のつく有名人である某氏は、
その緻密な読譜の様子がブログにもよく書かれているが、
たった1回だけ聴いただけの私が言うのもなんであるけれど、
彼の演奏が聴衆をひきつけてやまないとすれば、それはやはり誰にもまねのできない「音」であろうと思う。
その後テレビでも何回か演奏を拝見したが、ライブでのあの口のきけなくなるような衝撃は感じることができなかったので、
やはり機械で拾うことのできないところに、なんらかのオーラがあるのだと思う。
「美しい音」というのは、生まれながらの天分によってそれを紡ぎだす方もおられるのかもしれないが、
やはり前出の評論家氏の言われたように「磨いて磨いて」奏でるものだと思う。
これは技術面、精神面、すべてを不断の努力で磨かないとかなうものではない。
もっともピアニストK氏のような「怖いような美音」はやはり選ばれた方のみのものだとも思われるので、そのような音をまず是非聴いてみなければ、と思う。
自分についていえば、「磨いて磨いて」以前に「土や埃くらいは払って」みたいものだが・・・・。
『Kさんという目の不自由なピアニストがおられますが、
この方、それはもう研ぎ澄まされた音を出される。
こういう表現が適切かどうかわからないが<怖いような美音>です。
目の見えない方なので、そういう方面が特に優れているのかとずっと思っておりましたが、
ある時彼のコンサートに行っていたら、曲によってはそうでもない演奏もある。
やはり、これは音を磨いて磨いて磨きぬいて紡ぎだされた美音なのだ、と思いました』
私が「美しい音」ということに愕然とした初めての経験は、
実はそう昔のことではない。
それまで、学生時代の発表会では私の耳が雑だったせいなのか、
仲間うちのレベルが似たもの同士だったせいなのか、
「おお、こんな音を出す人がいるのか」と思ったことはなかった。
一流のピアニストの演奏はCDやコンサートで聴くことはあるが、これは所詮「超一流なのだから」とある意味、聴く耳を持たない。
心の底から驚愕したのは、2年半ほど前、アマチュアだけのコンサートで、某氏の演奏を聴いた時のことだった。
まったく同じ会場で、まったく同じピアノを弾いたはずなのに、
氏の音は他の演奏者とはまったく違っていた。
さっき自分が弾いた同じあの楽器からどうしてあのような音が引き出せるのか想像もつかなかった。
今では、アマチュアピアニストとして超のつく有名人である某氏は、
その緻密な読譜の様子がブログにもよく書かれているが、
たった1回だけ聴いただけの私が言うのもなんであるけれど、
彼の演奏が聴衆をひきつけてやまないとすれば、それはやはり誰にもまねのできない「音」であろうと思う。
その後テレビでも何回か演奏を拝見したが、ライブでのあの口のきけなくなるような衝撃は感じることができなかったので、
やはり機械で拾うことのできないところに、なんらかのオーラがあるのだと思う。
「美しい音」というのは、生まれながらの天分によってそれを紡ぎだす方もおられるのかもしれないが、
やはり前出の評論家氏の言われたように「磨いて磨いて」奏でるものだと思う。
これは技術面、精神面、すべてを不断の努力で磨かないとかなうものではない。
もっともピアニストK氏のような「怖いような美音」はやはり選ばれた方のみのものだとも思われるので、そのような音をまず是非聴いてみなければ、と思う。
自分についていえば、「磨いて磨いて」以前に「土や埃くらいは払って」みたいものだが・・・・。