once in a blue moon

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『お・い・し・いソウル』へようこそ!


あんにょんはせよ

ロンドンで出会ったオトメン韓国人旦那と2014年12月生まれの娘と
ソウル西部でのんびり暮らしています。

小さな幸せを大切に、というのが家族のモットー。


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シティオブエンジェル(시티오브엔젤)

2019-10-10 | ミュージカル・演劇・コンサート

シティオブエンジェル7回目です。



回数自体はもっと観ている作品もありますが短期間でこれだけ同じ作品を続けて観たのは
ビリー以外では初めてです。
飽きると思っていましたがやはり歌がうまい、演出がおしゃれという高クオリティ作品だと
飽きることはない、というのは新発見です。

その点 、アイーダは飽きそうな気がしてならない...^^;
(ロマンスファンタジーは好みじゃない...)



さて、この日はスタイン役ジェリムさんとストーン役ジフンさんのペア楽でした!
せっかく作品を楽しむならペア初日とペア楽は押さえたいオタク心理です(笑)

ジフンさんはこの日まで7回中3回観られました^^

ジフンさんストーンはまずお茶目さと女性に弱い演技がストーン役としてとても魅力的です^^
オーロラを見た瞬間も分かりやすく見とれてるし分かりやすく鼻の下をのばしていて可愛いです。
またメロリーの色仕掛けにタジタジでつい見ながらも耐えているのがコメディチックで笑います。

声は探偵らしいダンディさでありながら
台詞も歌詞も私の耳に聴きやすい低音なので内容を理解する上でフンストーンは大切でした。

先週のジェリムさんはやはり喉の調子がさほど良くなかったのか(普通以上に異常に上手かったんですがジェリム基準では不調気味?)
今回フンストーンとのペア楽だからなのか
殴りつけるようなパワーでデュエット曲も歌っていて盛大に笑いました(笑)

すっごかった......強かった(笑)
駅あたりまで吹き飛ばされるかと思うくらいの声量でした...^^

You're nothing without youの歌い始め

잘 따라 하기만해 넌 그게 임무야
(ちゃーんと従っとけ それがお前の役割)
날 화나게 한다면 한순간에 지워져 넌
(俺を怒らせてみろ 一瞬で消えちまうぞ)

本公演初日にジフンさんとのペアで観たとき、あまりにもイヤミで感じ悪い歌いかたに
「こいつ嫌いだ...」ど全身全霊で思ったんですが
ジェリムさん、随分役づくり変えられましたよね...。
ちょっと初期の強いスタインみは感じましたがやはり幼稚に喚くように歌われていて
本当に印象がガラッと変わりました。

ジフンさんが哀れむように、冷静に歌うのがまたカッコいいんです。

니 세곈 너무 좁아 날 지루하게해
(お前の世界は狭い、俺を退屈させる)
자,그냥 가서 쉬어
(さぁ、帰って寝な)
니 팬보다는 내가 강해
(お前のペンより俺の方が強い)

最後のペンより強いに、初日は殺人鬼並みの形相でフンストーンに噛みついていたジェスタインでしたが
今はストーン(なりたい自分)に認めてもらえない悔しさに泣きわめくように言い返す歌いかたに変わりました。

しかし二人ともなんだか楽しそうでした^^
観ているこちらもちょっと口元ゆるんじゃう....

そうそう。
毎回少しずつ歌いかたは変えているジェリムさんですが(とにかく歌の技術力が職人のよう!)

그 허세 그 허울 다 가짜인 거짓된 삶
(その虚勢、その見せかけ、何もかもが誤魔化しの偽りの人生)

この部分は痺れるほどカッコいいんです^^
歌詞が鼓膜にスパーン!と突き刺してくる発音と発声の良さ(笑)
韓国きてこんなに綺麗な発音の人初めてです...歌いながらこれだけ綺麗な発音は凄い^^

ジフンさんは

초라한 몰골 허약에 신물 유혹엔 딴물 도망치는 약골
(貧弱でブザマ 虚弱で嫌気がさす あまい汁にすがる弱虫め)

目を覚まさせるようにきつい言葉で歌う部分で
パチン!とスタインの目の前で手を叩く演技がカッコいい大人に見えて大好きです。



久しぶりのパク・ヘナさん!
ヘナさんもだいぶ演技が変わったし歌いかたも変えられていて
より分かりやすくなったりより可愛く楽しくなりました^^

ヘナさんの振り切ってるウーリー役の演技だいすきです^^
アラレちゃんみたいなコミカルなキャラクターでストーンがオーロラに見とれてるのをみて
ひっそり鏡で自分の顔を確認したり演技も細かいんです。

ギョンソンさんはウーリーとドナはくっきり声を分けて演じられていてその演じ分けには感嘆の声が都度もれますが
ヘナさんは時々ウーリーにドナっぽさ
ドナにウーリーっぽさを垣間見させる、一人二役の意図を絶妙なさじ加減で見せてくれそれもまた素晴らしいです。

今回はFunny前の緊張感高まる演技がカッコよかったです。
スタインに「お前」呼ばわりされ台本を叩きつけたあと落ちた台本をぎゅッと踏んでいました...!

ヘナさんのドナは狡猾さを感じます。
単純に大人の余裕でスタインを手助けし側にいようとしているというより
スタインの才能を利用しその能力を自分のものにしようと虎視眈々と狙っているような妖しさが。

ジェリムさんもヘナさんのドナの時は序盤は無邪気に甘えていて
Funny前にドナに台詞を書き直された事実にショックを隠せないほど動揺し泣きそうな表情でドナを見つめます。

同じシーンでもギョンソンさんドナとヘナさんドナではジェリムさんスタインのドナへの依存のしかた
ドナを利用しようとした下心と裏切られた時の反応が全く違う印象になるのがとても面白いです。

実際のところ、ヘナさんドナは自分の能力に自信がありそうです。

でも映画撮影のスタジオに飛び込んできたスタインを止めようとするドナは
スタインの将来を守ろうとするような毅然とした「スタイン、落ち着きなさい」なんですよね。
ドナもズルいけどちゃんとスタインを想っていたようにこの瞬間見せてくれるんです。
「助け」ようとしてたんだな、と。

BW脚本のドナ/ウーリー像とはかなり違う印象の韓国ドナ/ウーリーです。
このあたりは制作段階で現代韓国社会に受け入れられるよう変えたんだと思います。

そのままだったなら嫌われる役かな、と思います。
変更してくれて良かった...^^
またスタインも既婚者設定から未婚設定に変えた
のも制作過程での配慮でしょう。

ギャビー/バービーは7回中6回パン・ジニさん
いい加減リサさんみたい(笑)

ジニさんは重要な台詞の伝え方がうまくて分かりやすく大好きな女優さんです。
劇中、もっとも重要な「솔직하지 않은 진심도 있나?(正直じゃない本音なんてある?)」を
非常に印象的にいうんです。

ギャビーにとってスタインは人を傷つける嘘はつかない、正直なパートナーだったんでしょう。
言葉に心はこもってなかったり、軽薄に甘えてくるところはあっても
スタインの言葉にも小説の言葉にも
その奥にいるスタインという未熟な人間性までみぬいていて
その未熟さをカバー出きるのは自分でその居場所も自分のものだと
揺るがない自信があったんでしょう。

そこに映画の世界のドナが現れる。
ギャビーは出版社の編集能力はあっても映画のシナリオに対する知識はない。

浅はかなスタインは簡単にギャビーの信頼、絆を壊してしまう。

プレビューの時のジェリムさんはIt needs workもギャビーを騙せるとなめたような態度でしたね(笑)
今はジニさんの顔色をみながらびくびくしてます(笑)

ジニさんのIt needs workは切なさもありますが情けない!という感情が感じられ
その毅然とした歌いかたにぐいぐい引き込まれます。

プレスコ動画がないため歌詞をハッキリと覚えられていませんが「しっかりしなさい、恥ずかしくないように、自分を見失わないで」
このような意味の歌唱部分でジニさんはジェリムさんの目をしっかり見ながら
ぐうの音もでないほどまっすぐに責め立てます。

そして다 고쳐(やり直しなさい)と言い捨てて去っていきます。

これスタインらしさを失った脚本や手紙に対してだけじゃなく
ふたりの関係性も「やり直せ」だったのかな、と感じました。

調べたらBW版と韓国版、結末が違うんですよね。
BWはクレーンの上にいるのはストーン、バービーだけじゃなくスタインもいて3人(4人)とも
和解して前を向いて仲直りするエンディングみたいなんです。

韓国はスタインは下にいるまま初期演出は鉛筆をふりあげて「主人公はいつも自分自身」

자유롭게 써놔 내 진짜 얘기
(自由に書く自分の本当の話(おそらく진심本音の意味も含まれてる)
명작의 탄생을 위한 시너지
(名作を生み出すためのシナジー)
자 내가 선택해 언제나 주인공은 나
(じゃあ、俺が選択する いつだって主人公は自分自身)

の部分で今はタイプライターから原稿をとりだし
その原稿をふりあげて歌い上げます。

劇中、何度も何度も「진심」本音という言葉が出てきます。
冒頭にギャビーがスタインにいうんです。

「あなたの本音っていうのはその時あなたにとって都合の良いもの。」

韓国のギャビーはスタインより歳上という印象です。
だからスタインの軽薄な言葉を受け止めて諭すように話すんです。

また劇中、スタインはギャビーの受け売りをカーラにも言うんですよね。
スタインという青年がいかにギャビーに影響されてきたかがよくわかるシーンです。

だからクライマックスにギャビーがスタインに銃をつきつけて

넌 안돼 나 없이 다 어찌 주인공이뿐
(あなたは私がいなきゃダメ、しょうもない主人公)
니 방식대로 다 뜯어 고쳐
(あなたの方法ですべてやり直しなさい)
너와 함께 하고싶다면
(一緒にしたいのなら)

と歌うんですが、これはバービーではなく紛れもないギャビーの言葉なんですよね。

過去7回、このシーンでジェリムさんは様々な演技を見せてくれました。
アハハハ...と笑いながら立ち尽くしたり、愛おしそうに投げキスを送ったり
どれもが参りました、といった印象。

スタインの中にギャビーはいるんです。
そのギャビーはニューヨークで「全てやり直して!」と言い捨て去っていきました。

このシーンの意味が相変わらずわかりません。
ギャビーの最後の言葉をスタインは思い出してなのか。
ギャビーの望む自分になれたと気付いての幻想なのか。
いずれにしてもスタインはギャビー無しでは「自分らしい言葉では書けない」象徴です。

BW版はスタインもクレーンにのってるエンディングらしいので
韓国版はずいぶんスタインに対して厳しいエンディングを迎えさせているなと思いました。
自業自得という印象しか残りませんから。

一体どんな演出意図なのか知りたいです^^

ウーリーもギャビーもストーンとスタインに対してこう歌うんです。

모르면 어서 가 공부 좀 하고 와 여자와 사랑에 대해
(わからないならちょっと勉強してきて女と愛について)
무서울 정도로 무식한 남자야 넌 절대 알 수가 없어
(恐ろしいほど無知な男よ 絶対に理解できない)

ギャビーに想いを馳せます
バービーに想いを馳せます
ドナに想いを馳せます
ウーリーに想いを馳せます

結局、それぞれの女性もハリウッド式エンディングを迎えられたのか
あくまでスタインとストーンの為のハリウッド式エンディングだったんじゃないかな。

この作品、最後まで不快感が拭えないのは女性キャラクターの「진심本音」は
ないがしろにされたままだからなのかも知れません。

シオエン千秋楽まであと二週間
どれだけ理解深められるでしょうか...

おまけ。


観劇前に友人と焼き肉^^
なんだかんだでジェリムコン以来の焼き肉でした。



〆の冷麺も。



娘に、とかわいいお土産もありがとうございました!
また来月^^*



























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