4日大阪ドームで行われたオリックス-楽天のデーゲーム。TV放映はスカパーだけのため、わが家では観戦かなわず、今朝の山陽新聞で確認した。同紙スポーツ面のトップに「愛敬 楽天の“救世主”」の5段大見出しがおどり、横手から繰り出す愛敬の力投写真を配していた。
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2006年5月5日(金)付山陽新聞
愛敬 楽天の“救世主” 「不敗神話」106試合に先発2勝目
抜てきというには、いささか気が引けるが、先発不足からチャンスが生まれた。愛敬は先発転向2試合目もしっかり投げて、チームを今季2度目の2連勝に導いた。
制球の勝利だった。9回、プロ入り初完投を前に崩れたが、8回までは変化球の投げ分けで1点で辛抱した。「四球と長打を警戒した。でも9回はやってしまいましたね」とちょっとおどけて冷や汗のシーンも振り返り、「監督から、これがプロの世界。しっかり勉強せい、と言われました」と苦笑いで付け加えた。
初登板から106試合に敗戦がない珍記録も続いている。中身を調べれば黒星がつく状況での登板が少ないということになるが、それでも負けがないに越したことはない。それについては「意識しない。チームが勝てばいい」と淡々と話した。勝率2割台のひ弱なチームにユニークな救世主が現れている。(石田)
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2006年5月4日(木) 17時50分 毎日新聞
<楽天>今季2度目の2連勝 オリックスは連敗で借金1
○楽天5―4オリックス●
楽天が今季2度目の2連勝。先発・愛敬が九回途中まで好投し2勝目。打線も二回の山崎武の適時内野安打で先制。以降も、鉄平の右越えソロなどで計5点を奪った。オリックスは九回に5連打で1点差まで追い上げたものの届かず、連敗で借金1。
▽楽天・野村監督 野球は試合終了までわからん生き物や。2連勝? 考える余裕がないわ。
▽オリックス・中村監督 (九回に1点差まで迫り)ちょっと遅かったけど、明日につながる展開だったな。
◇いまだプロ入り黒星なし…楽天・愛敬
プロ初完投までアウト一つ。だが、楽天・愛敬にとって、その一つが遠かった。4点リードで迎えた九回2死から4連続安打を浴びて降板。最後は福盛が抑え、今季2勝目を手にしたが、「やっちゃいました。また課題ができました」と反省するばかりだった。
それでも野村監督は「前回の初先発は硬かったが、今日は堂々と落ち着いていた」という。もともとはリリーフ専門。今季は2軍スタートだったが、チームの苦しい事情から4月27日のソフトバンク戦でプロ初先発を任され、結果を出した。
この日も横手から繰り出す多彩な変化球でオリックス打線をほんろう。さらに守備では投球後にすぐさま捕球体勢に入り、中堅へ抜けそうな打球を止めること6度。名捕手としてならした指揮官に「うちで一番野球のセンスがある」と言わしめた。
大阪ドームは松下電器時代の00年秋、社会人野球日本選手権を制し、最高殊勲選手賞に選ばれた思い出の地。翌年プロ初のマウンドを踏んだのも大阪ドームとあって、「思い出の場所で勝てたことが何よりうれしい」と話す。
プロ入り以来、106試合目の登板になるが、いまだ黒星を喫したことのない強運の持ち主に、野村監督は「あいつは神様から愛をもらっとるからな」。負け知らずの強運右腕が先発の柱となれば、これほど心強いものはない。【和田崇】
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2006年5月5日(金) 8時2分 サンケイスポーツ
楽天・愛敬、106戦不敗!『野村再生工場』第1号の誕生だ!
(パ・リーグ、オリックス4-5楽天、8回戦、オリックス5勝3敗、4日、大阪ドーム)雄たけびをあげながらベンチを飛び出した。5-4と1点差に迫られた九回、愛敬はベンチで落ち着かない。マウンドを譲った福盛が早川を空振り三振に仕留めた瞬間、歓喜の波に埋もれていた。
「完投を逃した? やっちゃいましたね。これが僕の持ち味。でも、完投は考えていなかった」
プロ初先発となった前回4月27日のソフトバンク戦(ヤフードーム)に続き、コーナーを丹念につく投球で八回まで1失点。九回二死から4連打を浴び、あと1人のところで福盛に譲ったが、通算106試合の不敗記録も継続させた。山本和男(広島)に並び、歴代2位に浮上。同1位の清川(広島)の114試合に『8』と迫った。
開幕から1カ月ちょっと。ようやく『野村再生工場』第1号の誕生だ。4月21日の一軍昇格直後、「愛敬? いいから使うんじゃないよ。(他の先発が)いないから使うんだ」という状態での先発抜てき。不敗記録も清川、山本と違うのは、敗戦処理での登板が多かったこと。
しかし、MAX140キロ足らずの直球も、スライダーとシンカーをコーナーいっぱいに投げ分けて凡打を誘う。苦しい台所事情の中、野村監督の理想に近い投球内容で救世主に変身した。
九回、完投を逃してうなだれる愛敬に「野球はこんなもんだ。勉強しろ」とハッパをかけたのも、真の門下生と認めた証しだった。
「(愛敬という)名前がいいから。神様の愛をもらっているんだろ」
独特の言い回しで孝行息子の誕生を喜んだ野村監督。今季2度目の連勝。救世主を1人ずつ増やしながら、弱者返上をめざす。
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2006年5月5日(金)付山陽新聞
愛敬 楽天の“救世主” 「不敗神話」106試合に先発2勝目
抜てきというには、いささか気が引けるが、先発不足からチャンスが生まれた。愛敬は先発転向2試合目もしっかり投げて、チームを今季2度目の2連勝に導いた。
制球の勝利だった。9回、プロ入り初完投を前に崩れたが、8回までは変化球の投げ分けで1点で辛抱した。「四球と長打を警戒した。でも9回はやってしまいましたね」とちょっとおどけて冷や汗のシーンも振り返り、「監督から、これがプロの世界。しっかり勉強せい、と言われました」と苦笑いで付け加えた。
初登板から106試合に敗戦がない珍記録も続いている。中身を調べれば黒星がつく状況での登板が少ないということになるが、それでも負けがないに越したことはない。それについては「意識しない。チームが勝てばいい」と淡々と話した。勝率2割台のひ弱なチームにユニークな救世主が現れている。(石田)
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2006年5月4日(木) 17時50分 毎日新聞
<楽天>今季2度目の2連勝 オリックスは連敗で借金1
○楽天5―4オリックス●
楽天が今季2度目の2連勝。先発・愛敬が九回途中まで好投し2勝目。打線も二回の山崎武の適時内野安打で先制。以降も、鉄平の右越えソロなどで計5点を奪った。オリックスは九回に5連打で1点差まで追い上げたものの届かず、連敗で借金1。
▽楽天・野村監督 野球は試合終了までわからん生き物や。2連勝? 考える余裕がないわ。
▽オリックス・中村監督 (九回に1点差まで迫り)ちょっと遅かったけど、明日につながる展開だったな。
◇いまだプロ入り黒星なし…楽天・愛敬
プロ初完投までアウト一つ。だが、楽天・愛敬にとって、その一つが遠かった。4点リードで迎えた九回2死から4連続安打を浴びて降板。最後は福盛が抑え、今季2勝目を手にしたが、「やっちゃいました。また課題ができました」と反省するばかりだった。
それでも野村監督は「前回の初先発は硬かったが、今日は堂々と落ち着いていた」という。もともとはリリーフ専門。今季は2軍スタートだったが、チームの苦しい事情から4月27日のソフトバンク戦でプロ初先発を任され、結果を出した。
この日も横手から繰り出す多彩な変化球でオリックス打線をほんろう。さらに守備では投球後にすぐさま捕球体勢に入り、中堅へ抜けそうな打球を止めること6度。名捕手としてならした指揮官に「うちで一番野球のセンスがある」と言わしめた。
大阪ドームは松下電器時代の00年秋、社会人野球日本選手権を制し、最高殊勲選手賞に選ばれた思い出の地。翌年プロ初のマウンドを踏んだのも大阪ドームとあって、「思い出の場所で勝てたことが何よりうれしい」と話す。
プロ入り以来、106試合目の登板になるが、いまだ黒星を喫したことのない強運の持ち主に、野村監督は「あいつは神様から愛をもらっとるからな」。負け知らずの強運右腕が先発の柱となれば、これほど心強いものはない。【和田崇】
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2006年5月5日(金) 8時2分 サンケイスポーツ
楽天・愛敬、106戦不敗!『野村再生工場』第1号の誕生だ!
(パ・リーグ、オリックス4-5楽天、8回戦、オリックス5勝3敗、4日、大阪ドーム)雄たけびをあげながらベンチを飛び出した。5-4と1点差に迫られた九回、愛敬はベンチで落ち着かない。マウンドを譲った福盛が早川を空振り三振に仕留めた瞬間、歓喜の波に埋もれていた。
「完投を逃した? やっちゃいましたね。これが僕の持ち味。でも、完投は考えていなかった」
プロ初先発となった前回4月27日のソフトバンク戦(ヤフードーム)に続き、コーナーを丹念につく投球で八回まで1失点。九回二死から4連打を浴び、あと1人のところで福盛に譲ったが、通算106試合の不敗記録も継続させた。山本和男(広島)に並び、歴代2位に浮上。同1位の清川(広島)の114試合に『8』と迫った。
開幕から1カ月ちょっと。ようやく『野村再生工場』第1号の誕生だ。4月21日の一軍昇格直後、「愛敬? いいから使うんじゃないよ。(他の先発が)いないから使うんだ」という状態での先発抜てき。不敗記録も清川、山本と違うのは、敗戦処理での登板が多かったこと。
しかし、MAX140キロ足らずの直球も、スライダーとシンカーをコーナーいっぱいに投げ分けて凡打を誘う。苦しい台所事情の中、野村監督の理想に近い投球内容で救世主に変身した。
九回、完投を逃してうなだれる愛敬に「野球はこんなもんだ。勉強しろ」とハッパをかけたのも、真の門下生と認めた証しだった。
「(愛敬という)名前がいいから。神様の愛をもらっているんだろ」
独特の言い回しで孝行息子の誕生を喜んだ野村監督。今季2度目の連勝。救世主を1人ずつ増やしながら、弱者返上をめざす。