てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

HVの落し穴

2012-02-28 10:41:00 | 暮らしと生活
 先日の飲み会の席でのこと、近況報告でM野が念願の入手を果たしたばかりのHV(ハイブリッド車)に話が及んだ。良いこと尽くめの次世代エコカーHVと思っていたら、大きな問題点が残ると知った。

 インフラである電気スタンドの普及状況、航続距離の短さ、音が静かすぎる(事故の危険性)などは承知していたのだが、肝心の電池とモーターが高額であるということ。このことについて安井至東京大学名誉教授は次のように指摘する。

 「複雑な工程を踏む製品なら、大量生産によってラインを整えればコストダウンが可能になるが、電池というものは、構造は単純で、コストに占める原材料費の割合が高いのである。つまり量産したからといって価格を下げられない。普及するには、価格が10分の1になるか、寿命が3倍になるか、どちらかしかないと考えるが、実現は難しいのではないか。」

 未だ研究・開発途上なので、いずれ安価・長寿命のバッテリーが出るまで見合わせた方が賢明のようだ。
 一昨年の春、話題のHVに試乗しながらも見送り、やっとの思いでファミリーカーに乗り換えた身には、溜飲を下げた思いで自分を納得させている。
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思い違え

2012-02-27 09:24:00 | 舞台、ライブ
 かつてフジテレビ系で放送の「SP(エスピー)」は斬新なストーリーと衝撃のアクションで人気を博し、2010年には映画化、また漫画版も連載された。映画館に足を運ぶほどでもないが、テレビの再放送は時折観ている。

 主人公を演じる岡田准一だが、今の今までてっきり故岡田真澄(故E.H.エリックの弟)のご子息と思い込んでいた。というのも家内がしたり顔でいうことを何の疑いもなく信じていた。いわれるまでもなくお二人とも彫りの深いマスクで、日本人離れした独特の風貌から勝手に親子と決め込んでも不思議はない。

 ところがふとしたはずみでヤフってみると、ウィキペディアには「男性アイドルグループV6のメンバー」とあり、全く別人であった。夫婦揃ってこの方面には疎く、V6の名前くらいは耳にしたことがあるが、もとよりジャニーズ系であることなど知る由もなかった。

 更にネットサーフィンしていると「岡田准一って、岡田真澄(ファンファン)の息子!? 」という特集サイトまであり、同類のケースが沢山紹介されている。世の中誰しも考えることは同じと苦笑を禁じ得なかった。

 夫婦間での思い違えは笑い話で済ませるが、客観的な根拠もなしに先入観で判断する「偏見」の怖さ、さらに間違い情報が起因して「風評被害」を及ぼすようなことにでもなれば社会問題なので心しなければと自戒した。
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あと祭り

2012-02-26 11:43:00 | 舞台、ライブ
 今年の西大寺会陽(はだか祭り)は去る18日夜、開催され約9千人(主催者発表)の裸の群れが、福を授かる2本の宝木を求めて激しい争奪戦を繰り広げた。
 偶々、半世紀ぶりに訪れていた弟は、山陽新聞の取材を受け「掛け声や雰囲気は昔のまま。どんな争奪戦になるのか楽しみ」との談が載った。私は繰り出す元気もなかったので新聞やテレビで雰囲気に浸った。

 一夜明けた19日、西大寺観音院一帯で「会陽あと祭り」が始まり、3月4日まで続くので、その間隙を縫ってのぞいてみた。会場では屋台や名物の植木市が軒を連ね、土曜日とあって大勢の家族連れらで賑わっていた。

 序でに最近立続けに映画やドラマのロケのあった五福通り商店街をブラついた。昨春は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズのロケを見学にのぞいたのだが、一日遅れで見逃し、それこそ「あと祭り」ならぬ「後の祭り」と臍を噬んだ場所。その商店街の到る所に、NHKの土曜ドラマスペシャル「とんび」と映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のロケシーンが貼ってある。

 「とんび」は久々に感動のドラマで、弟などテレビ放映に甚く感激し書店に原作を求めて走ったほど。このほど再放送が決まったので、前回見逃してしまった方には是非ともエアチェックをお忘れなく。

※NHK「とんび」の再放送日程
 [前編] 3月 4日(日)午前11時00分から【BSプレミアム】
 [後編] 3月11日(日)午前11時00分から【BSプレミアム】


はだか祭りの舞台・観音院境内

はだか祭りの舞台・観音院境内

あと祭りの屋台

西大寺のシンボル・犀のサイちゃん

「とんび」のワンシーン船だまり

五福通り商店街

ロケシーン
 
ロケシーン(右が実物)
 
ロケシーン(右が実物)

隣接の西大寺文化センター(ギタークラブの会場)
~昔はこの辺りにサーカス小屋のテントを張っていた~
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底なし釣瓶で水を汲む

2012-02-25 11:40:00 | 暮らしと生活
 先日の「つもり貯金に再挑戦」の話の続き。
 「ザルで水を掬う」といえば、一見無駄の代名詞のように聞こえる。中国の諺で同様の表現「底なし釣瓶で水を汲む」がある。

 要約すると「底の無い釣瓶で水を汲んでも水は溜まらないが、一滴ニ滴は雫が落ちる。これを溜めていくように一生懸命水を汲む。続けていけば樽になみなみと水が溜まる。」

 東大安田講堂を匿名で寄付した安田財閥の創始者、安田善次郎氏が数々の名言を残している。(氏はオノ・ヨーコさんの母方の曽祖父でもある)
 「人生は一歩一歩順を追って前進す。世路は平々坦々たるものにあらずといえども、勇往邁進すれば、必ず成功の彼岸に達すべし。勤勉、努力、節倹、貯蓄、一日も怠るべからず。」と述べておられるが、まさしく「底なし釣瓶で水を汲む」の精神に通じるものである。

 「一滴」を「ワンコイン」に見立てて続けたいと思うのだが、何も財テクの極意を説いたものではない。才能がなくても努力を続けることの大事さを説いたものと肝に銘じ日々精進したい。
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我が家の“恍惚の人”

2012-02-24 15:37:00 | ファミリー
 有吉佐和子著『恍惚の人』(1972年新潮社刊)を手にしたのは私が社会人になって2年目の年。フレッシュマンの洋々の未来に、こんな社会が待ち受けているとは俄かに信じ難い思いを抱きながらも、いずれは直面しなければならない“老い”に対峙する物語の展開に大きなショックを受けた。翌年には森繁久彌主演で映画化され、この封切こそ見逃したが、その後テレビ放映やドラマ化を何度か観た。

 折りしも、NHK・BSプレミアムでは山田洋次監督が選んだ日本の名作100本を放映しており今は「家族編」に入った。今日は『恍惚の人』なので改めて見入ってしまった。

 我が家を振り返ると、お袋がアルツハイマーを発症したのは平成2年9月、67歳の時。進行が緩やかだったので8年間は何とか在宅で看護した。
 平成5年4月には親父が75歳で亡くなったが、その前1年間は脊椎管狭窄症手術の後遺症で認知症がつき、同時に二人のボケ老人を抱えて家の中はてんやわんやだった。

 原作を読んだ頃は、老人介護など全く無縁だったが、映画を観た折には介護の最中で実体験を通しているだけに、介護に奮闘する家族の姿一つひとつに共感を憶えた。ちょうどその頃、週刊朝日に「アルパー老人看病記」が連載され、執筆者に共鳴のファンレターを出さずにはいられなかった。

 森繁さん(当時59歳)の迫真の演技を観終わってから、今は忘却の彼方にある過ぎ去りし思い出の数々~親父の介護記録「痴呆日記」~を読み返しながら、あの頃の惨状窮地に思いを馳せた。

※“恍惚の人”とは奇異な表現だが、当時の流行語にもなった。そのタイトルは、『日本外史』に三好長慶が「老いて病み恍惚として人を知らず」とあるのを見てひらめいたものだそうだ。
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