見るべきものの3つ目は開拓期以降、現在までの歴史の概説。
お決まりのものと言えばそれまでですが、
コンパクトに過不足なく展示されていました。
それはいいのですが、私が注目したのは屋外に静態保存されていた次の2点。
ひとつは昭和39年に導入されたトラクター。
メーカーはマッセイファーガソン(イギリス)で35馬力。
解説によると南島松生産組合によって導入され、
平成9年までの33年間使われてきたとあります。
当時は農作業を革新した画期的大型トラクターだったと推測されますが、
今この現物を見ると本当に小さい。
今のトラクターは大型化が進み、国産でも200馬力になろうかというものもあります。
それに比べると、こんなもので大丈夫だったのかと思うほどの大きさ。
ですが昔の農業を伝える貴重な資料です。
もうひとつはヘイベーラー(干草の梱包機)。
メーカーはアルスチャルマー(アメリカ)。
ヘイベーラーはトラクターで牽引し、刈り取られて乾燥させた牧草を梱包する機械。
梱包された干草はトラックで集め越冬用飼料などとして保存されていました。
実家にいた頃はよくこのバイトをしたものだ。
使用されていたのは昭和40年代から平成8年までとあります。
酪農も技術の革新が進んでおり、昔の機械などが消えていっています。
その中このような今は見ることができない実機が静態保存されているのは貴重です。
もっと昔の様々な農機具は頻繁に博物館で見ることができますが、
それより新しい10年や20年前の機械はなかなか見ることができない。
産業考古学のパラドックスがここにあります。
*恵庭市郷土資料館
住 所:恵庭市南島松157-2
開館時間:9:30~17:00
入 館 料:無料
休 館 日:月曜日、祝日の翌日、資料整理日(毎月最終金曜日)、12月28日~1月3日
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