本日、朝境内の清掃をしていると上空から“ピーヒョロロロー”というカン高い鳴き声が聞こえてきました。
↓精一杯拡大して撮ったのですがこれが限界でした。
トビです。
久し振りに見ました。
台風の影響か、今にも雨が降りそうな雲の下を、3羽ほどのトビが飛んでいました。
トビというと当神社の主祭神、神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれひこのみこと・神武天皇)と大変御縁のある鳥であります。
皆様も右のような画像をどこかで見た事があるのではないかと思います。
これは神武天皇が東征の折、大和の国で敵の大軍と争い、非常に苦戦を強いられていた時に、突如金色のトビが飛来して神武天皇の持っていた弓にとまり、敵を退散させた故事を描いたものです。
この戦いで勝利をおさめた神倭伊波礼毘古命は大和国の橿原の地(現、橿原神宮の鎮座する場所)で初代天皇に御即位されました。
以上のことから金鵄(きんし・金色のトビ)は、山中で迷われた一行を道案内した八咫烏(やたがらす・三本足のカラス)と共に命に大変御縁のある霊鳥とされており、当神社でも御神使として社殿の装飾や御守などの図柄にその御姿が見られます。
↑左が金鵄勝守 右が八咫烏招福守
勝守は勝負事はもちろん就職活動や受験などの人生の節目で負けないようにとお受けになられる方も多く見受けられます。
また招福守は可愛い図柄でお子さんに人気があります。八咫烏が子供達の人生を正しい方向に導いてくれるといいですね。
このようにトビとカラスは神武東征の中では非常に重要な霊鳥として並び称されますが、実際は食性が似ているようで、あまり仲がよくないようです。
この黒崎近辺は非常にカラスが多い(ちょっと山手に行くと、夕方何百羽という大群が空を覆うように飛んでいる時があります)ので、なかなかトビを見る機会がないようです。
しかし当神社の主祭神に御縁の深い鳥ですので、たまには飛来してきてほしいものですね。
トビの飛び去った空を見つつ、雨を心配しつつ、境内清掃をする禰宜でした。