八咫烏の声

神社の行事、社務などの日記です。

豆知識★参拝の仕方★

2017年11月17日 16時37分02秒 | 神社豆知識
こんにちは犬権禰宜です。

今年も残すところ後一ヶ月半もありません。
正月の準備を意識してくる頃です。

さて、正月といえば初詣。
初詣をするときに多くの方が神社にお越しになりますが、
皆様は神社にお参りする際の作法を知っていますか。
今回はそのことについて記載します。
先ず神社に着くと鳥居の前で軽く一礼してください。

そのまま境内へ進むと手水舎があり、そこで身を清めます。
1、右手に柄杓を持ち、まず左手に水を掛ける
2、左手に持ち替え、右手に水を掛ける
3、また右手に持ち替え、左手をお椀の形にして水を受け、口をすすぐ


4、左手をもう一度水を掛けて
5、最後に柄杓を立てて残った水を柄杓に掛ける

手水をすませると社殿まで進みます。


お参りの仕方は・・・
1、鈴を鳴らす
2、二拝(二回深くお辞儀する)


3、二拍手(二回手をたたく)


4、一拝(一回深くお辞儀をする)
5、最後に軽くお辞儀をして退く

以上が神社にお参りした時の作法です。
新年を気持ちよく迎えるためにも作法を守りお参りをしてください。

豆知識★戌の日について★

2017年11月07日 15時51分29秒 | 神社豆知識
こんにちは魚禰宜です。
本日は戌の日です。
安産祈願を受けられる方や七五三祈願のお子さんで境内が賑わっています。

なぜ戌の日に安産祈願を受けるのか・・・
戌は一度にたくさんの子どもを産み、さらに安産であるからです。
無事元気な赤ちゃんが生まれてくるようにという思いを込め
戌の日に安産祈願を行うようになりました。



通常妊娠五ヶ月目に入った妊婦さんが安産祈願を受けるのですが
五ヶ月目とは…つわりの症状が落ち着き妊婦さん、
そしてお腹の赤ちゃんが安定する時期で、皆が安心してお祝いできるからです。

また腹帯(岩田帯)は、岩のように丈夫な子が生まれますようにといった願いが込められています。
実際に巻くと、腰痛など身体への負担を減らす効果があり、
妊婦さん、赤ちゃんのために医学的にも良いとされています。


当社では、皆様からのお声にお応えして先月から腹帯の授与を始めました。



一万円以上の御祈願を受けれらた方の授与品としてお渡ししています。

また社頭でも三千円で授与しております。





豆知識★七五三について★

2017年11月04日 16時04分19秒 | 神社豆知識
こんにちは、めんたい出仕です。
このところ秋晴れが続き、過ごしやすくなっています。

また七五三の時期に入ってから、岡田宮は晴れ着姿のお子様方で
境内がとても賑わっています。



しかし子どものお詣りとして馴染み深い七五三とは一体どのような儀式なのでしょうか。

七五三は江戸時代に徳川綱吉の長男、徳川徳松の健康を祈るため天和元年11月15日に始まった、
子どものこれからの成長を祈る儀式です。
お詣りの時期は3歳(男の子と女の子)5歳(男の子)7歳(女の子)で、

3歳は主に女の子が髪を伸ばす「髪置(かみおき)の儀」、



5歳は男の子が袴を履き始める「袴着(はかまぎ)の儀」、



7歳は女の子が大人用の帯を結ぶ「帯解き(おびとき)の儀」と区別されています。



昔から続く由緒正しい儀式の七五三。
お祝いの年齢のお子様がいらっしゃれば、是非神社へお越しください。

茅の輪ができるまで

2017年07月29日 12時24分43秒 | 神社豆知識
こんにちは、めんたい出仕です。
連日に渡って湿度が高く、天然パーマの私は髪がくるくるになっています。

今日7月29日は岡田宮にて夏越祭が執り行なわれます。
この神事で年の初めから夏までの罪穢れを祓い清め、無病息災を祈ります。

多くの神社では夏越祭の折、茅の輪を境内に設けてこれをくぐることで罪穢れや病の元を祓いますが、
これは蘇民将来(そみんしょうらい)が小さな茅の輪を腰につけて疫病を免れた伝承に基づきます。



岡田宮でも夏越祭では境内に茅の輪を置きますが、
これは職員や氏子総代によって作られています。







まず茅(ちがや)を採取し、
これを芯に巻くことで茅の輪が完成します。



茅の採取にはT権禰宜、犬権禰宜、そして私が向かいました。
茅の鋭い葉と虫から体を守るため、長袖長ズボンでの作業でしたが
半ば暑さとの根競べでした。



そして神社に持ち帰った茅を氏子総代と共に芯に巻き、

茅の輪の姿形になりました。





酷暑の中、お力添えいただき恐縮です。

また夏越祭で茅の輪をくぐる様子は
後日ブログにて紹介する予定です。

祝賀会

2013年06月22日 10時43分20秒 | 神社豆知識

昨日九州に上陸を心配された台風は自然消滅したようです。

こんにちは。禰宜です。

さて、先日は八幡東区にある高見神社の宮司様の浄階・一級昇進祝賀会に当社の宮司とともに出席してまいりました。

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当日は祝賀会場に約100名の出席者が集い、目出度く浄階・一級に昇られた高見神社の宮司様を祝福されていました。

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浄階・一級の栄誉は福岡県内でも数少ない例であります。

高見神社の宮司様、誠におめでとうございます。

さてさて。

この「浄階」とか「一級」とか何のことだかご存知でしょうか?

何度かこのブログでもご紹介したかもしれませんが・・・

ここで改めて簡単にご説明しましょう。

そもそも神職にはざっとみて3種類の「序列」・・・といいますか・・・「格」みたいなものがあります。

まずは「職階」

その神社における役職です。

例外もありますが、大抵の神社神道の神社においては

①宮司

お宮の司」の名のとおり神社の責任者です。

②禰宜

宮司の補佐であり、古来は神職の総称としても使われました。江戸時代の神職の法令は『諸社禰宜神主法度』の名称で出されています。

③権禰宜

権=仮」であり、「正式の禰宜」に対する「仮の禰宜」の意です。昔の官位で見かける権大納言とか右近衛権中将とかと同じ感じですね。

・・・以上3職から成り立っています。

この他にも大規模神社には「権宮司(仮の宮司)」が置かれたり、伊勢神宮には「大宮司」と「少宮司」が置かれます。

なお、本来は権禰宜までが所謂「神職」の範疇なのですが、その下に各神社が独自で置く「主典」や「出仕」などの役職もあります。概ね奉職したばかりの見習い神主さんがこの役職を命じられる場合が多いですね。

ちなみにおよそ2万人と言われる神職人口の中で一番多い役職は「宮司」です。

お次は「階位」

すごーく簡単に説明すると神職のライセンスみたいなものです。この階位を持たなければ基本的に神社本庁下の神社の神職にはなれません。

こちらも上から

①浄階

②明階

③正階

④権正階

⑤直階

以上の5段階で成り立っています。

各階位によって就任できる役職に差異があります。たとえば保持する階位が直階では基本的に神社の宮司になれません。

最後に「身分」

これは

①特級

②一級

③二級上

④二級

⑤三級

⑥四級

以上6段階です。

身分は袴の色が違ってきますので外見で見分けがつきますね。

最上位の特級は

Photo

こんな感じの白袴に紋が入った袴です。

・・・白色に白の文様ですから見えにくいかもしれませんね。

よーく見ると分かるかと思います。

次の一級はこちら。

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紫に紋が入った袴です。

三番目の二級上は・・・

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これです。紫に薄い紋入りの袴。

一級の袴と並ばない限り・・・見分けるのは難しいかもしれませんね。

最後にまとめて二級・三級四級と白袴を。

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一番左の紫袴が二級。一般的に神職の袴っていったらこれを思い浮かべる方が多いかもしれませんね。

真ん中の浅黄袴が三級と四級。ちなみに私はこの袴です。

一番右端の白袴は特級だろうが四級だろうが身分に関係無く着用します。

また身分は袴だけではなく「袍(ほう)」の色も変わってきます。

特級・一級が黒。

二級上・二級が赤。

三級・四級が縹(はなだ)です。

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例として当社宮司(二級)です。赤色の袍に紫の袴ですね。

袍は神社の祭典でも無い限り、見る機会はそう無いかと思いますが・・・袴は普段から着用している神職がほとんどです。

興味のある方は神社にお参りした際に神職さんの袴をチェックしてみてください。

と、こんな感じで簡単に説明させて頂きましたが、ひとくちに「神職」といっても様々なランクがあります。無論、役職や階位そして身分が低いからといって、その神職が劣るということではありませんが、高位に昇った神職もまたそれまで長い年月をかけて研鑽を積み、そして神明にご奉仕されてきたのも事実です。階位や身分が進むというのは、それが周囲に認められた証というものでしょう。

何はともあれご昇進おめでとうございます!

禰宜