原告側「100点満点だ」 法廷に拍手と歓声―東電株主訴訟判決・東京地裁
2022年07月14日07時08分
判決は103号法廷で、午後3時から始まった。冒頭、朝倉裁判長から傍聴人に「言いたいことがあるかと思いますが、心の中でお願いします」と異例のお願いがあった。「連帯して13兆3210億円を支払え」。30分以上にわたった判決文の朗読が終わり、裁判長らが席を立つと、傍聴席からは大きな拍手と歓声が湧き上がり、ガッツポーズをする人の姿もあった。
裁判所の正門前では、法廷から小走りに飛び出してきた原告の株主らが「正面から主張を受け止めてくれた」「裁判長たち、ありがとう」と喜びを爆発させた。原告側代理人の河合弘之弁護士は「二度とこういう事故を起こさせてはいけないという裁判長の強い怒りと警告だ」と語り、裁判長らによる原発視察も評価した。
原告の一人で、福島県から金沢市に避難した浅田正文さん(81)は「思い描いた以上の判決。ここまで厳しく東電の体質を批判するとは」と驚いた様子。「(旧経営陣は)判決に向き合い、やってきたことを胸に手を当て考えてほしい」と訴えた。
株主で原告の木村結さん(70)は「裁判長は、取締役の安全意識や責任感が根本的に欠如していたと言い切った。会社運営はもうけのためだけでなく、社会的責任が伴うことを認定してくれた」と述べた。
判決後の記者会見で、原告側代理人の海渡雄一弁護士は「100点満点の良い判決だ」と絶賛した。「苦しい生活へ追い詰められた、たくさんの住民に心から喜んでもらえる」とした上で、「原子力事業者の役員には大変な重責が伴うことが明確となり、脱原発に向けた経営判断につながっていくと願っている」と話した。
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