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陽子線治療について

2015年06月29日 08時43分48秒 | 仕事
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陽子線治療について

陽子は水素という最も軽い元素の原子核で、それを加速したものが陽子線です。陽子線は重粒子線(正確には炭素イオン線)と同様に、元素の原子核を加速したもので、放射線の一種です。粒子線治療はこの放射線を用いて「がん」などの治療を行うものです。
1)陽子線治療の特徴
陽子線は、体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。これを発見者の名をとって「ブラッグ・ピーク」と呼びます。がんの治療では、病巣の深さや大きさに合わせて、このピークの深さや幅を拡げることができます。

通常の放射線治療で用いられるX線は、体内に入るに従って吸収される放射線量が徐々に減少するので、病巣の前後にある正常の組織も同等の線量を受け、副作用を生じる原因になりますが、陽子線の場合には病巣のみに効率よく線量を集中でき、副作用を少なくできます。

2)陽子線治療の実際
最初に治療のための準備を行います。まずは治療中の体の動きを抑えるための固定具をつくります。それに引き続きCT検査を行います。そのCTにもとづき、放射線腫瘍医や医学物理士、放射線技師が治療の計画を立案します。また、ボーラス・コリメータといった患者さん専用の特殊な器具を作製します。この過程に数日を要します。その後、治療を開始します。

治療は装置のベッドに寝た姿勢で受けていただきます。治療は原則として1日1回、週3~5回行い、合計4~40回程度繰り返して完了します。この回数は病気の種類・進行度・部位などによって異なります。1回の治療時間は約15~30分です。

3)費用について
本治療に要する費用は2,883,000円です。本治療は厚生労働省より先進医療として認可されたもので、費用は保険適応外になります。つまり、本治療にかかる費用は患者さんご自身の負担となります。なお、本治療以外の保険診療はすべて通常どおりに扱われます。

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