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慢性炎症をマクロファージが抑制

2017年01月23日 11時32分32秒 | 医療情報
慢性炎症をマクロファージが抑制
東京医歯大などが解明
化学工業日報2017年1月20日 (金)配信 神経内科疾患

 東京医科歯科大学、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校、筑波大学、千葉大学などの研究グループは、免疫細胞であるマクロファージが炎症を鎮める不飽和脂肪酸を合成し、慢性炎症の抑制に重要な役割を果たしていることを突き止めた。炎症の初期段階では抗炎症不飽和脂肪酸の合成はとまるが、後期には転写因子Srebp1の働きで再合成され、炎症は収束に向かう。マウスでは抗炎症不飽和脂肪酸の摂取で炎症は適切に収まった。炎症は生体防御システムだが、過度に長引き慢性化すると生活習慣病発症の引き金になるとされる。今後、生活習慣病の新たな治療・予防につながることが期待される。
 マクロファージは、炎症の引き金となる刺激を受けると炎症反応を進行させるように活性化する。エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といった炎症を抑える不飽和脂肪酸の合成が停止、濃度が減少するため炎症が促進する。しかし、刺激応答後期(16~24時間)ではSrebp1により再び合成が始まり炎症は抑制方向に進む。また、Srebp1欠損マウスでは全身の炎症応答が長引く。一方、あらかじめ炎症を抑える不飽和脂肪酸を与えておくと、炎症応答を適切に収まることが分かった。
 マクロファージはさまざまな機能を持つ免疫細胞(白血球)で、生活習慣病の病態形成でも重要な働きをするとされる。このため、マクロファージの脂質代謝(合成と分解)機構が生活習慣病の治療・予防の標的となる可能性が出てきたとしている。

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