乗客診療、ストレスが3割 集団感染のクルーズ船
2022年10月14日 (金)配信共同通信社
2020年に新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、船内待機中に体調不良で診療を受けた乗客乗員の症状を分析した結果、約3割が不安や不眠など災害時にみられるストレス症状だったことが13日、筑波大や広島大などの研究で分かった。
研究チームは閉鎖空間で隔離されたことが大きな要因と分析。乗客らを守るためには、体調のケアだけでなく精神面での支援も欠かせないと結論付けた。
研究では、集団感染発生時にクルーズ船に乗り込み、乗客らの身体、精神面の診察を行った「災害派遣精神医療チーム」(DPAT)らの記録を分析。その結果、体調に関する診察を受けた約200人の症状は、複数回答で、発熱83件(全体の約34%)が最も多く、ストレス症状68件(同28%)、せきなどの呼吸器症状48件(同20%)が続いた。
代表の筑波大医学医療系太刀川弘和(たちかわ・ひろかず)教授は「感染の恐怖より、閉鎖空間で隔離されることに深刻な心理的影響が出る人も多い。危機的な状況では精神的な支援も重視していくべきだ」と話した。
クルーズ船では20年2月、集団感染が判明。厚生労働省が検疫を実施し、乗客乗員3711人の多くに船内待機を要請した。感染者は計712人、うち死者は13人に上った。
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