全国の保健所、コロナ禍の教訓踏まえ「健康危機対処計画」を策定へ…感染症対応を強化
2023年2月5日 (日)配信読売新聞
厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大時に業務が逼迫した保健所の対応力強化に乗り出す。コロナ禍の教訓を踏まえ、各保健所が「健康危機対処計画」(仮称)を1年間かけて策定し、2024年度から運用を始める。平時から人員体制や業務の優先順位などを定めておき、新たな感染症の流行に備える狙いだ。
対処計画の策定方針は、今年4月の改正地域保健法の施行に合わせ、厚労省が保健所業務などを定めた基本指針に盛り込む。
感染症の発生当初や拡大期など状況に応じ、必要となる業務の内容や量を見積もり、職員をどう配置するか、どの業務を優先的に行うかなどを定める。外部から応援職員を円滑に受け入れられるよう態勢を整備し、保健所のOB職員らが登録されている都道府県の人材バンク「IHEAT(アイヒート)」を主体的に活用する。
保健所が担う自宅療養者の健康観察などの業務については、感染拡大時は地域の医師会に委託するなど外部の力も借り、濃厚接触者の特定や高齢者施設の感染対策など、専門的な業務に注力できるようにする。
新型コロナ対応では、保健所が、陽性が判明した人に電話で行動歴を聞き取り、濃厚接触者の特定や感染経路の調査、入院の必要性を判断するなどしていた。しかし、感染拡大に伴って業務量が急増し、自宅療養者らへの最初の連絡が遅れて、症状の悪化を招いた。
厚労省は、平時からの準備不足が混乱を広げたとして、各保健所が感染拡大に備えた体制づくりを計画的に進めておく必要があると判断した。
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