ウイルス感染の半田病院、電子カルテシステム復旧せず 予約患者のみ診療開始
電子カルテのシステムが身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」に感染して使えなくなっている、徳島県つるぎ町立半田病院は1日午前9時から、予約患者らに限定して診療を始めた。同日行う予定だった内視鏡検査は、対象者19人全員に前日に連絡して予約をキャンセルした。
病院は「電子カルテシステムの不具合のため、予約診療のみになっています」と書いた告知文を出入り口2カ所に掲示。受付端末が使えないため、職員が来院者の予約票を確認して窓口に案内した。予約票のない外来患者には、近隣の医院などで診てもらうようお願いした。
窓口では職員が長机を並べて受診科ごとに受け付け。住所、氏名、生年月日などを紙のカルテに記入していった。
システムの復旧時期のめどは立っていない。病院によると、来院者数は通常の半数以下。患者からの問い合わせに対しては、電子カルテが使えない状況であると丁寧に説明しているという。
3人の子どもを連れて来院した美馬市美馬町の女性(27)は「子どもが風邪をひいたので保育園へ行く前に診てもらおうと思って来たが予約していないので受診できず、他の病院に行くよう言われた。時間がないのでこのまま保育園に預けるしかない」と困惑していた。