フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月7日(土) 薄曇り

2013-09-08 12:47:42 | Weblog

  9時、起床。涼しくなると、暑くて朝早く目が覚めるということがなくなる。

      朝の読書は浅野智彦『「若者」とは誰か―アイデンティティの30年』(河出ブックス)。朝夕に新聞を読むという習慣がなくなって久しい。いまニュースは随時ネットで読むことがほとんどだ。新聞を読むのにあてていた時間をいまは新刊書を読むことに充てている。本書は浅野のかねてからの主張である「多元的自己論」の台頭の経緯をここ30年の社会の変動との関連の中で論じたものである。いつものことながら浅野の議論はシャープである。

   「念のためにいっておくが、自己が多元化すれば万事がうまくいくなどということをいいたいわけではないし、自己のあり方をめぐる現状をすべて肯定すべきだといいたいわけでもない。繰り返すが、社会への適応様式はつねに問題点をもともなうものであり、多元的自己も例外ではない。重要なことは多元性によって適応することを求めてくるこの社会の在り方を批判する場合でさえ、現に多くの若者が採用している自己のあり方をまるごと否定するところからはじめるのは現実的でないということだ。新しい自己のあり方を模索するとしても、その模索の足場や可能性は現に存在するもののうちに見いだすべきではないだろうか。多元的な自己だからよいのでも、多元的な自己だからだめなのではなく、より生きやすい生き方、より生きやすい社会を模索していく上での足場や手がかりとしてどれだけ有効に活かせるか、そこが重要だ。」(223頁)

   さっそく、「大人の条件」をテーマにゼミ論を書こうとしているゼミ4年生のOさんに、本書を参考文献として紹介するメールを送った。

  焼きそばの朝食。縁日か。

    午後、ゼミ一期生のSさん(2週間前に私はSさんを「まやんち」と「phono kafe」に案内した)からメールが入って、「今から主人とまやんちへ向かうことになりました。先生の領域にお邪魔しますが、お許し下さい。笑」と書いてある。

   「行きました」という過去形の報告でなく、現在進行形の報告である点が目を引く。Sさんは私に何を伝えようとしているのか。昨日も一昨日も私は「まやんち」へ行っている。そのことをSさんは私のブログで知っている。だから、Sさん夫婦と私が「まやんち」で遭遇する可能性はある。その可能性を大きくしたいのか、小さくしたいのか。大きくしたいのであれば、メールは、「先生も来てください」というメッセージであり、小さくしたのであれば、メールは、「先生、来ちゃだめですよ」というメッセージである。さて、どうするか。

   9月下旬の2人の結婚披露宴でスピーチをすることになっているので、事前に新郎にも会っておくというのもないわけではないが、仲人ではないので、当日に初めて会うというので十分であろう。もし今日会ってしまうと、「彼女のどこが気に入ったの?」と野暮な質問をしたり、「彼女を泣かすようなことがあったら許さないぞ」と凄んでしまいそうである。やめときましょ、やめときましょ。「ゆっくり楽しんで。お邪魔はしませんから(笑)。」と返信する。

   散歩に出る。もし「まやんち」が混んでいると、Sさん夫婦が「では、phono kafeへ行きましょう」となる可能性もあるので、安全を期して、「テラス・ドルチェ」へ行く。

 

   アイスコーヒーとハンバーグライスを注文。

   ゼミの卒業生の一人から面会の希望のメールが入ったので、都合のよい日時をいくつか示して返信する。そのメールには「数時間でもかまいませんので」と書かれていた。「数時間」というのは「2,3時間」ということであろうが、「でもかまいませんので」ということは、それは最低限で、できればもっと長時間を希望しているということである。どうやら女子会的トークが期待されているようである。近年、私もオバサン化し、そのうちゼミの学生たちから「大久保ママ」と呼ばれる日が来るのではないかと密かに危惧しているのであるが、その一方で、女子会的トークというのはコミュニケーションの技法として男性も大いに学ぶところがあるとも思っている。私は酒を飲まないこともあり、居酒屋でのだらだら飲みトークは苦手で、早く帰りたくてしかたがなくなる。しかし、カフェでの女子会的トークは時間の経つのをあまり感じない。やっぱりオバサン化しているのだろう。

    「テラス・ドルチェ」を出る頃、Sさんからまたメールが入り、「まやんち」を出て、自宅に帰るところであること、時間がなくて「phono kafe」には行けなかったのが心残りであると書かれていた。

   これで安心して「phono kafe」に顔を出すことができる。

   私は今日の「phono kafe」の10番目の客で、結局、最後の客になった。大原さんと女子会的トークを楽しんだ。

   夜、『たべるダケ』第9話(録画)を観る。美味しそうに食べるのが、今日は、シズルではなく、柿野と薮内だった。みんながシズルに感化されていく。でも、シズルの食べっぷりも観たかった。

   今季は、『孤独のグルメ3』(水曜)、『DOCTORS最強の名医2』(木曜)、『たべるダケ』(金曜)、『半沢直樹』(日曜)、そして『あまちゃん』(日曜を除く毎日)と楽しみにしているドラマが5本もあった(そろそろ最終回を迎えようとしている)。近年にない豊作だった。