午前中に原稿を書いて、昼食の後、品川プリンスシネマに『南極料理人』を観に行く。8月にチケットを購入したのだが、原稿やら子雀の世話やらでなかなか観に行くことができず、ここいらで観ておかないとチケットが反故になってしまう。品川プリンスシネマは品川プリンスホテルの一角にある11のスクリーンを有するシネコンで、行くのは今日が初めて。劇場の一つ一つは中規模だが、数が多いから、話題の映画ならたいてい上映中だ。『南極料理人』は私の観た3時20分からの回と6時5分からの回の2回の上映で、そこそこ混んでいた。昭和基地の出張所みたいな南極の高地にある隊員8名のふじ基地が舞台。「究極の単身赴任」というコピーがついているが、周囲にコンビニの1つもない最果ての地で、8名の男たちが始終顔をつきあわせて1年半も生活するというのは、考えただけでゾッとしますね、私は。一応、寝室は個室だが、カプセルホテルなみの狭さ。こういう状況だと、食堂での食事の時間というのが日々の生活の中のアクセントでありハイライトシーンにもなるだろう。ある意味、伊丹十三の『タンポポ』のような料理中心の映画である。たぶん実際のメニューよりも豪華。伊勢海老でエビフライ作っちゃうとか。朝からカニとか。でも、隊員たちが心底喜ぶのはおにぎりだったり、ラーメンだったりする。その気持ちはよくわかる。日本にいる家族や恋人とのエピソードがこの映画のもう一つのポイント。その関係はおしなべてあまり良好とはいえない。だが、良好とはいえなくても、かけがえのない関係であるわけで、「究極の単身赴任」はそのことを改めて意識させる効果がある。1年半の越冬期間を終えての帰国(空港での出迎え)の場面、そして後日談は、なかなかよかった。主演の堺雅人のうっすらとした笑みは弥勒菩薩半伽思惟像のように魅力的だ。
夜、「キング・オブ・コント2009」を観る。東京03がサンドウィッチマンを振り切って優勝した。東京03に勝たせたいというムードが審査員の間にあったように思うが、コントということを厳密に考えれば妥当な結果だろう。サンドウィッチマンはコントというよりもコント的漫才で、笑いの源はあくまでも言葉のやりとりの面白さにある。サンドウィッチマンがM-1グランプリとの二冠ということになっていたら、キング・オブ・コントの存在意味は薄くなってしまうだろう。
深夜、来週の大田区男女平等区民会議の資料を作成し、メーリングリストでメンバーに送る。
明日からは鴨川セミナーハウスで2泊3日のゼミ合宿。フィールドノートの更新はできるかどうかわかりません。