7時、起床。今日は早く目が覚めた。早く目が覚めたときは、たいてい二度寝するのだが、今日は起きることにした。
チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。
食事をしながら『Dear にっぽん』を観る。今回は、知的障害のある双子(もう青年)をもつ母親の物語。一人(次男)は自宅で彼女が世話をし、もう一人(長男)は施設に入っている。長男とは2年ほど会っていない。しばらく面会しない方がよいでしょうと施設から言われているのだ(長男がパニックに陥るので)。母親の苦労が並大抵のものではなかったことは容易に想像がつくが、TVカメラの前で母親は気丈なまでに明るく振舞っている。そうしなければ生きてこられなかったのだろう。番組では2年ぶりに長男に会うために施設に向かう母親に同行する。
昨日のブログを書き上げて、11時半に家を出る。
工学院通りのヤマボウシの並木に花がたくさん咲いている。しかし、これは並木の端のビル風の比較的弱い場所。
道を先に進むにつれて、花の数が激減する。強いビル風で花が散っているわけではない。強いビル風を始終受けているストレスで花が咲かないのだ。
一方の端の、一番ビル風の強いあたりの木は、花どころか、枝も十分に伸びていない。木そのものが風で倒れたこともある。
植物虐待だし、歩行者にも危険だから、この道になまじ並木など植えない方がよい。なぜ区はそのように指導しないのだろうか。そもそも、強いビル風が発生することが予測できたのに、なぜ高層の校舎の建築許可が下りたのだろうか。近々、工学院通りにまた新しい校舎が建つようである。それによりビル風がさらに強くなることが懸念される。
京浜東北線に乗って多摩川を渡る。
12時に鹿島田駅(南武線)で卒業生(2000年卒、一文社会学専修)のアキコさん(右)とトモコさんと待ち合わせて、「パン日和あをや」へ行く。
一階のテーブル席を予約していたのだが、もう一つのテーブルに女性の一人客がいて、静かに本を読まれていたので、われわれは二階の和室に移動することにする。カフェには「もの思いカフェ」という面と「おしゃべりカフェ」という面がある。「喫煙」と「禁煙」同様、一つのカフェで両者の機能的・空間的分離ができるのであれば、それがいい。
アップルタイザー(私とアキコさん)、アイス珈琲(トモコさん)で乾杯。一昨日、早稲田・神楽坂でカフェをしたカオルさん同様、先月の12日に2000年卒のグループが開いてくれた私の定年退職を祝う会から派生した今日のカフェである。11年前の私の還暦を祝う会のときも、この二人とは会っている(たしかお店は「すぎうら」ではなかったか)。二人はなかよしなのだ。
舞茸のポタージュ。
サーモン、アボカド、クリームチーズのサンドウィッチ。通常は2つにカットだが、今日は3つにカットしていただいた。
BLTサンド。焼きたてのベーコンが美味しい。
断面もいい。
オムレツのサンドウィッチ。
作り立てのオムレツが美味しい。
うっかりして写真を撮り損ねてしまったのだが、北海道直送のアスパラガスのステーキが美味しかった。(アスパラガスがメニューに出るのは今日が最後とのこと)
締めの飲み物は、私とアキコさんがほうじ茶ミルクティー、トモコさんが珈琲。私は一本残っていたチョコクロワッサンをお茶のお供に。二人にもお裾分け。
2000年卒のグループは1年生の基礎演習、2年生の社会学演習、3年生の調査実習、4年生の卒論演習と私の授業を履修する機会があったが、いずれも抽選科目だったこともあり、全部を履修したのはアキコさん一人である。早くに結婚・出産をされ、そしてシングル・マザーとなり、二人の娘さんはすでに社会人と大学生である。よくぶつかることもあるそうだが、それは私の目から見れば、「友だち親子」の一形態である。快活で、ざっくばらんに見えながら、繊細な面のある、気配りの利く人である。論系ゼミ3期生(2013年卒)のキミヒコ君(ゼミ同期のミサさんの夫)は、一時期、出向でアキコさんの職場にいたことがあり、「大学は?」「学部は?」「ゼミは?」と話が展開し、ゼミの先生が一緒だとわかったときはびっくりしたそうである。髪の毛は天パーで、会うたびに髪型が微妙に違うが、若々しい感じがする。
トモコさんはアキコさんとは違っておっとりした感じの方である。出版社にお勤めで、『飛ぶ教室』という雑誌をいただいた。大学生の息子さんはいま就活の真っ最中で、母親としては気がかりなところだが、「どうなの?」と聞くとうるさがるので、聞くに聞けない。今日、電車の中でも、ふと気づくと息子さんのことを考えていて、それも最近のことだけでなく、小さかった頃の息子さんのことを思い出しているそうだ。それはもしかすると母親離れしようとしている息子さんへの一種のノスタルジアなのかもしれない。「私、おかしいでしょうか?」と聞くので、おかしくはありません、母子密着的傾向は日本の家族の一般的特徴ですと答える。ここから彼女が学生時代に聞いたであろう、日本の家族の就寝形態の講義を振り返る。欧米の家族は夫婦関係中心で、日本の家族は母子関係中心である。だから欧米では夫婦の寝室に小さな子供を入れないし、日本では夫が別室で寝ることはあっても母子は隣り合って寝る。欧米の家族の課題は夫婦間の愛情の持続であり、日本の家族の課題は母子密着の段階的分離である。(ちなみにアキコさんは子ども時代、一家がアメリカで暮らしてこともあり、小さい頃から別室で寝かされていた。そのときの不安な気持ちはいまも一種のトラウマになっているそうだ)
あれこれおしゃべりをして、「パン日和あをや」には3時間も(!)滞在してしまった。
店を出るとき、ご主人にわれわれの写真を撮っていただく。
パンの好きなトモコさんはパンをお土産に買っていた。
帰りは矢向の駅に向かって歩く。
二軒目のカフェはどこに行こうか考えた末、私の家に来てもらうことになった。蒲田駅から我が家までは徒歩6分ほど。「卒業生で先生のお宅に伺った人はいるんですか?」とアキコさんに聞かれる。「はい、多くはありませんが。選び抜かれた卒業生だけお招きするんです」「嘘でしょ?」「はい、嘘です(笑)」2000年卒の人たちの中では、今年の3月23日に、同志社大学から交換留学で2年生のときに演習に参加したアイコさんと、演習クラスで親しかったアヤさんがお子さん連れでいらっしゃったばかりだ。
チャイが、私が帰った気配を察して(耳がすごくいいのだ)、玄関に迎えに出てきたが、見知らぬ人が二人いるのを見て、一瞬、フリーズしたが、人見知りしない猫なので、そのまま客間に入って来る。
これはアキコさんのスマホで撮った写真。彼女の方へ近づいて来るチャイ。
嬉しそうとはいえないものの、「これも家猫のお勤めなのね」と自分に言い聞かせながら、抱っこされて写真に納まるチャイ。
小一時間ほど滞在して二人は帰って行った。蒲田駅の改札に二人を見送る。実は、アキコさんは子どもの頃から猫アレルギーがあるそうなのだが、帰宅してもアレルギー反応は出ていないと後からLINEで連絡が来た。一説によると、サイベリアンは猫アレルギーを引き起こす分泌物が少ない猫なのだそうだ。
またお会いしましょう。
夕食はステーキ、野菜スープ、ごはん。
食事をしながら『エンジェルフライト』第3話(録画)を観る。このドラマは暴力とかテロとかで遺体の損傷の激しいシーンが多いので、食事どきに観るには不向きなところがあるのだが、今回はそういうことはなく、ハートウォーミングな回だった。
お土産にトモコさんいただいたお菓子(崎陽軒の横浜パイナップルケーキ)を食べる。
「村上RADIO」をタイムフリーで聴きながら、今日のブログのプロットを作る。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
1時半、就寝。