フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月13日(日) 曇りのち晴れ

2007-05-14 02:07:44 | Weblog
  菩提寺のおせがき大法要に母と行く。お寺には一週間前に父の一周忌法要で行ったばかりだが、それはそれ、これはこれである。法要にはレクリエーション的趣向(「清興」という)が用意されていて、今回は、落語と俗曲だった。落語の方はこれまでもあったが、俗曲(端唄や都々逸)は初めてである。俗曲は寄席のテレビ中継が盛んだった頃に、柳家三亀松とか都家かつ江といったベテランがやっているのを聞いたことがあるが、今日は柳家小寿々(こすず)という30代の女性で(でも着物姿の女性の年齢はよくわからない)、三味線を弾きながら唄う姿は小粋で艶っぽかった。拝啓、父上様、お寺の本堂なのに、神楽坂あたりの料亭で芸者遊びをしているような気分になりました。

         

  母の日ということで、夜は外食にしようということになり、妻と息子と3人で「鈴文」に行く(娘は舞台。母は前回の糖尿病の検査の値がよくなかったので二晩続けての外食は自粛)。「鈴文」は一昨日の昼に来たばかりだが、妻と息子は初めててである(私も夜は初めてである)。私と息子は1300円のとんかつ(ロース)定食、妻は1600円のヒレかつ定食を注文する。出てくるまでの間、私は息子に醤油、塩、ソースの三種で食べる食べ方について説明し、息子も頷いて聞いていたが、運ばれて来たとんかつのボリュームに感動して、頭の中がリセットされてしまったらしく、いきなりソースをかつ全体にドクドクとかけてしまった(!)。この、お子ちゃまが! 妻は醤油とソースで食べてみて、醤油の方が合うと言った。私はまだここのヒレかつは食べたことがないので、妻に一切れわけてもらった。肉汁たっぷりの実に柔らかな肉である。うん、確かに醤油が合う。しかし、一方で、私には「鈴文」のとんかつに(卓上の中濃ノースではなく)濃厚なとんかつソースをかけて食べてみたいという願望がある。ブルドッグのとんかつソースのミニサイズのボトルをポケットに忍ばせておいて、お店の人の目を盗んでとんかつにかけて食べるのだ。ミッション・インポッシブルだろうか。
  「鈴文」を出て、妻と息子は家に向かったが、私はくまざわ書店に寄って以下の本と、新星堂で俗曲のCDを購入。広い売り場に俗曲のCDはたった1枚しかなかった。

  アンドリュー・E・バーシェイ『近代日本の社会科学』(NTT出版)
  デビット・ハーヴェイ『新自由主義』(作品社)
  ステヒーブン・レヴィ『iPodは何を変えたのか?』(ソフトバンク)
  大嶽秀雄『新左翼の遺産』(東京大学出版会)
  島田裕巳『中沢新一批判、あるいは宗教的テロリズムについて』(亜紀書房)
  ドフトエフスキー『地下室の手記』(光文社古典新訳文庫)
  M.ビュートル『時間割』(河出文庫)
  モーム『サミング・アップ』(岩波文庫)

  深夜、卒業生たちのブログを読んでいると、新入社員にも5月病に相当するものがあることがわかる。仕事というのは基本的にオン・ザ・ジョブ・トレーニングで身につけていくものだ。「こんなこともできないのか。大学で何を勉強したきたんだ」と言われたら、あいにくと文学部は職業訓練校ではありませんのでと(心の中で)返事をしておきなさい。頑張れ、バンビーノ!
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