8時半、起床。
トースト、厚切りハム&エッグ、サラダ(鶏ササミ)、紅茶の朝食。
全国紙(読売新聞)朝刊の一面に、しかもこんなに大きく、将棋関連の記事が載ったことがかつてあっただろうか?
神谷八段(これまでの連勝記録保持者)のコメントがいい。
「凡人がほぼ運だけで作った記録を天才が実力で抜いたというのは、将棋界にとってとてもいいことだと思う。」
神谷八段(連勝記録を作ったのは五段のとき)は角刈りで強面で、「棋士」というよりも「将棋指し」という感じの男だった。運があったのは間違いないだろが、気合で運を呼び寄せていたように思う。
棋譜を載せることができたのは竜王戦が読売新聞の主催であるからだ。
棋譜を盤上に再現してみた。先手の藤井四段が1五角と二枚目の角を打った局面。この角が攻防にすこぶるよく利いていて、後手は飛車と銀と歩では速い攻めはなく、とりあえず3三角成ー同銀ー4一金の詰みを防がなくてはならないわけだが、以後、防戦一方に追い込まれて敗れた。
なんとも鋭く強い将棋だ。
昼食は「マーボ屋」に食べに行く。
夏季メニューの冷やし担担麺を注文する。
まずもって見た目が爽やかで美しい。
スープを一口飲んでびっくりした。美味しい!スープは冷やす中華のタレと胡麻ペーストと豆乳が使われている。この豆乳が美しさと美味しさにダブルで貢献している。
スープが残ったので、ご飯を少しもらって(サービス)スープをかけて食べた。(デザートは固辞した。このスープの味を口中から消したくなかった)
午後から大学へ。
3限の院生の研究指導は3名中2名(本日の報告予定者を含む)が体調不良で欠席したのでお休みとした。
5限は演習「現代人と社交」。祝祭的(社交的)な政治の舞台であった都市の魅力の低下ということがテキストに書かれていたが、確かに「東京」を例にすれば、1950年代、60年代と盛んに作られていた「東京」がタイトルや歌詞に入った歌謡曲が70年代に入って激減したという話を学生にした。代わりに台頭してきたのが地方の都市の名前がタイトルや歌詞に入った歌謡曲で、たとえば有名なところでいうと、「函館の女(ひと)」「そして神戸」「長崎は今日も雨だった」などだと言ったら、学生がポカンとしている。みんなこれらの曲を知らないのだ。タイトルは知らなくても曲は知っているだろうとちょっと口遊んでみたが、失笑されてしまった。やれやれ。昭和は遠くなりにけりだ。
授業を終えて研究室にもどってから少しして、卒業生のユミさん(論系ゼミ1期生)が仕事終わりに研究室にやってきた。国際部の職員になって2カ月半ほどが経った。職場にも馴れ、元気でやっているようである。 前回(先月)は昼休みにランチをご一緒したが、時間が短くて話し足りなかったので、今回は仕事終わりにということになったのである。
「五郎八」に食事に行く。スロープのところで、「この木は・・・」と彼女が言った。メタセコイヤですよ。昔からスロープの横に並んでいたけれど、新学制会館の工事の邪魔になる(落葉がコンクリートに混じると困る)という理由で枝を全部切られてしまったのである。たぶんもう元のような見事な枝ぶりは戻らないでしょう。
「五郎八」ではつまみを何品か食べてから蕎麦で〆た。
枝豆。
田楽。
薩摩揚げ。
鴨つくね。
卵焼き。
せいろを一枚。
テレビドラマや映画の話をした。
彼女の理想の男性は、『オレンジデイズ』の櫂くん(妻夫木聡)と『いつかこの恋を思い出して、きっと泣いてしまう』の練くん(高良健吾)の二人である。彼女が生きている現実世界にはなかなかいないタイプの男性である。
最近観た映画でよかったのは『人生フルーツ』。自身が設計を担当したニュータウンの一角で暮らす90歳の建築家とその87歳の妻のドキュメンタリー。観終わってしばらく言葉が出なかったそうである。映画を一緒に観た人が彼女が何かを言うまでずっと何も言わずにいてくれたのが嬉しかったそうだ。ちなみに一番泣いた(嗚咽するほど)映画は『カールじいさんの空飛ぶ家』とのこと。「人生の幸せとは何か」を教えてくれる老人や老夫婦ものがツボのようである。
デザートとお茶は「カフェゴト―」で。
ぶどうのタルト(今シーズン初めて)を1つ注文し、半分にしてもらう。デザートにはこれくらいがちょうどいい。
「カフェゴト―」を出たのは8時半。仕事終わりに研究室を訪ねてくれる卒業生とは、「五郎八」→「カフェゴト―」のコースで閉店の9時50分までいることが多いのだが、ユミさんは自宅までの道のりが少々遠く、かつ朝が早いので、10時が自主的な門限らしい。未成年か(笑)。
大手町方面の東西線で一緒に帰り、彼女は九段下で降りた。おやすみなさい。
9時半、帰宅。健全だ。
3時半、就寝。不健全だ。