何もしないこと

コンサルティングの極意のようなものがあるとすれば、それは究極には「何もしないこと」なのかな・・と思ったりします。
もちろん本当に何もしないというわけではなくて、こちらからあれこれ具体的な指図などしなくても経営者さん達自らが“勝手に動くようになる”ということなので、そこに至るまでが逆に大変ということです。

自分も含めて人間というのは、困ったことが目の前にあるとそれをすぐに解決するべく具体的かつ実際的なアドバイスを求めがちです。
確かにその時にピンポイントな回答を得られれば、その場は収まるでしょう。
ただ、それと引き換えに「自分自身で困難を解決・打破する」力は身に付かないのだと思います。

なので、我々コンサルする側としては、“何もしなくても”相手が自ら問題を解決できるように仕向けないといけません。
言い換えますと、我々の仕事は問題を解決することではなくて「問題を解決できる人を育てること」にあるのでしょう。

自らが見本を見せ、相手を心から信頼し、できる限りの支援をする。
そういうことで、どんな困難や問題にも挑んでいける勇気を相手に与え、やる気にさせなければなりません。

と、理論ではわかっていても、実際にはなかなかここまでのレベルには達するのが難しいです。
相手に“何もしなくても”よくなるよう、まだまだこれからも精進です。