若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

味が分かる幸せ

2008-10-03 11:35:02 | その他
クンクンクスンクスン……食事中に二代目が鼻をならすのは、彼が『味が分からない症』に陥ったサインで、それは『寝不足による疲労度超過』を意味します。昨日、朝ゴハン中に、隣でクスンクスンとやっているので、「あぁ、秋がきた」と実感してしまいました。

昔、祖母が味が分からなくなる病気になりました。塩をなめても、砂糖をなめても同じ味がすると言って、周囲を心配させました。本人は祖父を亡くしたショックが原因だなどとは、最後まで絶対に認めませんでしたが、多分そうだったのでしょう。

もともと食べることが大好きだった(超小型だったので、量は少なかったけど)祖母は、分からないなりに毎食きちんと食べており、お10時もお3時もきちんと摂る姿は、尊敬に値するものでした。

足利に行道山という山があり、その頂上には寝釈迦さまが奉ってあります。祖母と一緒にお散歩がてらお参りに行き、お賽銭を備えて、一休みし、写真を撮りました。一休みした時になめたいちごキャンディーの「味が分かる気がする」と祖母が言い、「すごいね、もう効果が出たんだね」と笑って下山しました。ところが、その日から彼女は本当に味が分かるようになり、2年間苦しんだその症状はウソのように消えて無くなったのでした。

今は、栄養ドリンクや、爆睡で、味覚を取り戻すことが出来る二代目。いざとなったら行道山だ、と私は心の片隅で思っています(因みに、昨日撮影後に寄ったお気に入りのラーメン屋さんでは味が分かったそうです。タフマン恐るべし)。

後日談。祖母が写真を現像してみると、置いたはずのお賽銭が写っていない、と。「角度が違ったから写ってないだけだよ」と笑った私ですが、今でも心の中で『お釈迦様はきちんと代金をとって仕事をしたのか』という可能性をぬぐいきれずにいるのでした。