徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

葛飾北斎とジャポニスムの神髄

2013-04-25 20:28:35 | 美術
 熊本県立美術館で行われている「北斎展―世界が絶賛した浮世絵師―」を観に行った。まず何よりも驚いたのは「富嶽三十六景」にしろ「東海道五十三次」にしろ想像していたよりも絵が小さかったこと。思わず美術館のスタッフに「これ実物ですか?」と聞いてしまった。その細密さたるやハンパじゃない。絵師、彫師、摺師いずれもが極めて高度な精密技術を要求されたことだろう。北斎らの浮世絵は、19世紀中頃にフランスを始めヨーロッパの国々で起こったジャポニスムの嚆矢となったが、ジャポニスムの神髄というのはこの日本人特有の精密さにあったのかもしれない。


富嶽三十六景(江の島)


東海道五十三次(お伊勢参りの道の要所でもあった水口と石部)