のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.890

2016-08-30 02:11:38 | 新しい子猫たち 

ジブトラストが 莫大な寄付を恵の財団にしている事についてすら ほとんどの人が違和感を持っていた。税控除の対象なので あまり文句はいわなかったし、香奈に対して質問できる根性もなかった。












ジブトラストの初期のメンバーは 違和感はなかったが それ以外の人には違和感があった。













ただ香奈にそれを言える人がいなかっただけだった。ジブトラストの遺伝子分析センターについても 香奈が決めてジブトラスト内において研究を進めさせていたが なんで ファンドがそんな研究所を と云う思いがあった。





遺伝子分析センターは 責任者と云うかお世話係にさせた奴が儲けが少しでもないと寂しいと云って、遺伝子操作の実験も出来るしといって始めた育種で結局儲かり、植物の遺伝子分析では画期的な金儲けをしていたが 作った目的は 結構まじめなものだった。





香奈の慧眼とか言われても 香奈はゼニ儲けしろとは言ったこともなかった。遺伝子分析センター 内部では 香奈がもし亡くなったら、神太郎でさえ ゼニ儲けしなくてもいいとは絶対言わない、香奈だから 儲けよりも当初の遺伝子疾患の研究に精力を尽くして と云うか 神太郎なら 金食い虫となれば冷たいだろう との思いで分析センターとしての内部の留保に努めてきた













恵の財団とはいいながら 本当は真理が ほそぼそ と支援して、相場禁止令が出た香奈が手伝ってきた組織が本来の組織だった。











ただ香奈は俊子も誘っていたが 香奈も俊子も忙しいのもあるが 香奈も俊子も関与していた時は、ぱっとした活動は出来なかったが恵にはできた。恵が財団運営には優れていたので 恵に任せた。香奈にとっては 恵の財団ではなく 香奈の財団でもあった。それが判っているのはジブトラストの初期のメンバーしかいなかった













恵の財団と云うのは 母と子のための財団、婚外子としてこの世に生まれてくる事を拒否されていた お腹の子も援助していくための財団であって遺伝子分析センターは 先天的遺伝子欠陥が推定されて、中絶される事を出来る限り少なくしようとして 香奈が医者と話してできた 研究所でもあった













始めは 寄付も税金の控除対象でもなかったが香奈はしてきた。ジブトラストが大きくなって、財務官僚や国税の天下りがくるようになって、控除になっただけで 控除狙いですらなかった













香奈の当初の気持を知る人は少なくなっていた













ただ神太郎もそんな事を表面的に問題とする人ではなく いい事ですね と口では言ってはいるが 神太郎自身は、あれ程巨額の寄付についての違和感を内心持っていたのだった。

















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