のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.881

2016-08-21 00:41:08 | 新しい子猫たち 







タックス・ヘイブンの社会福祉団体の幹部たちにとって、恵は奇跡の人であった。


世界中の社会福祉、母と子のための施策を考えている人にとって 恵は奇跡の人と云われていた





色々な問題が指摘されていた 日本の母と子の社会福祉を一変させ、世界でも最高水準のレベルまで押し上げた。ジブが寄付しつづけた金は膨大ではあったが、金だけで出来るのが社会福祉ではないと 社会福祉の実務家たちは知っていた。しかも長期的に施設を作り 人を育成してきた事は今や伝説とすら言われていた





恵の存在は大統領も知っていて、興味もあってついてきた。





大統領は骨の髄まで政治家で社会福祉について本音の所ではそれほどの興味はなかった。



しかし 挨拶をしていると 大統領は実感していた。香奈とはタイプが違うがこの人の度量も並大抵のものではない。



ジブがここまで伸びたのはこうした人たちがゴロゴロと高齢者の中にいるからだ。心の目線はずっと遠い未来をみていながらも 現実的対応も優れているのだろう
と思っていた





恵も大統領は悪い人ではないが社会保障、社会福祉の専門家ではない。 陽太に電話すると 陽太は今日は珍しく暇そうだったので、お相手をしてやってくれないかと 恵は陽太に頼んだ。





大統領はビックリしていた。陽太は日本の政界の黒幕として知ってはいたが、恵はどっかの兄ちゃんを相手するように陽太に話して、簡単に陽太君と会ってみる?と気楽に聞いた。



陽太はアメリカの大統領相手でも自由に話せる、世界では有数の政治家だった。アメリカの議員にも知己はいるらしい。会いたいと言って会える存在ではなかった。