のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.880

2016-08-20 00:00:53 | 新しい子猫たち 





タックス・ヘイブンの大統領は 実は香奈に会っていた







日本政府に突然と来日の打診があった。在日大使館も設置していない国なので、外務省は慌てた。総理も外務大臣も外遊中で、日をずらして欲しいと頼んだが 外務副大臣でも局長クラスでも構わないといわれて 局長クラスと一緒に外務大臣経験者の他省の大臣が会った。 今後は在日大使館も作って、お互いに緊密な連絡を取りたいと云う、大統領が直接来るような話でもなかった。







実は タックス・ヘイブンの社会福祉団体の幹部たちが 香奈ファイナンシャルの正人に挨拶と今後の方針について打ち合わせに来る用事があるのを便乗していた。







ジブの管理にも話はあったが 


ジブの管理は やりわりと断っていた。






ジブの会長とタックス・ヘイブンの大統領と会っていたのでは、ナニを言われるがワカランというのを管理は恐れていた。香奈の体調がよくない、何分にも高齢ですからと言われたら、どうしようもなかった。







香奈ファイナンシャルは ジブ・トラストの事務ビルには、大会議室と賓客用の面談室を持っていた。





ジブ関係の色々な会社はこの事務ビルにそれぞれ 部屋を持っていた。ワンフロワーを持っている カヨコファイナンシャルもあった。





香奈ファイナンシャルは 香奈特別保証の事務管理センターで 既に都心に自社ビルを持っているが 正人も高齢で必要な時は この大きな会議室を使っていた





大統領は このタックス・ヘイブンの社会福祉団体の幹部たちと正人が面談する時に正人に挨拶したいと云ってついてきていた





この時に正人は 香奈を紹介していたのだった





香奈 は 大統領にジブの管理の無礼を詫びていた。





ジブと タックス・ヘイブンの国との関係性を話題にされるのを好ましくないと判断して、勝手にお断りしたらしい。





別にタックス・ヘイブンに資産管理会社を作る事は違法でもないし 不適切でもない。そんなに意識するのがそもそも間違っていると私は言ったの。





ジブの海外は 香奈オフィス時代の海外部門が前身で 香奈オフィスの海外はタックス・ヘイブンの資産管理会社を使用していたのは誰でも知っている事で、ジブも使っているのは当然。





ただ ジブトラストも独自で資産管理会社を作り出していたが 今は資金効率が良くないといってあまり利用しなくなっていた。





そういう資産管理会社が複数、タックス・ヘイブンにあって これらの会社に実体性を持たせるために 正人は考えだしたのが今回の発端らしい。





ただ後で報告を受けて、私はタックス・ヘイブンの税制には今まで助けられて、お金は貯まった。それの恩返しのために タックス・ヘイブンの社会福祉に出来るだけの手助けをする事はむしろ正しい、動機としてはやや不純だったけど、この計画は正しいと私は言ったの。





けち臭いお金の出し方はしてはいけない。我々の利益の範囲と云う条件ではあるが できるだけの事はしなさいと 私は正人には言ってます。





大統領は 本音で語る 香奈の度量に圧倒されていた。この人には敵わんと思ったのだった。





香奈ファイナンシャルを含めて ジブ関係の会社が タックス・ヘイブンでの社会福祉を進めるために使ったお金を累積控除までする方針とか、ジブ関係の会社がもっと儲けやすくするシステムを考えたのは、ジブのためではなく このタックス・ヘイブンの国に対して ジブとか香奈ファイナンシャルは利益の分与として、投資したり寄付してくれると 大統領が 香奈の言葉で確信したからだった。





そしてそれは正しかった。





もっとも実は大統領には個人的な理由もあった。奥さんの根本的な遺伝子治療の方針が決まり、アメリカの権威と一緒に奥さんも日本のエンゼルホープジャパン病院で診察を受けていたのだった。





あの難病も 遺伝子治療によって 特殊な場合を除いて、簡単に治療できるようになっていくのは もうすぐだった。





社会福祉団体の幹部たちも 薄々 正人の本音と建て前の違いを感じてはいたが、香奈が堂々と必要な増額はいいなさい。正人は社会福祉の方法とか福祉が何たるかは分からない人間だけど 出来る援助、必要なお金をケチる人間ではないと云われて、かえって安心して事業を拡大させた。





香奈ファイナンシャルのタックス・ヘイブンでプールしていた金は ビックリする程の額であると 資産管理会社の役員までしていた 社会福祉団体の幹部は実感していた。