のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1823

2021-04-13 00:38:26 | 新しい子猫たち 
しかし 本院の基礎研究所の スーパージイサン、バアサン達は 認識を改めていたのだ。本院は それこれスーパー医師たちが集まっている病院であって、多くの医師たちは こうしたスーパー医師たちに追いつこうとして頑張るのであって、教育とか育てるのではなく、自分で成長していく所なのだ。それが大阪の病院の医師たち は 明らかに成長が早い。アイツが何らかの形で みんなの成長を促している と思うのが正しい。本院から移った 奴らも恐ろしく 伸びていた。それがワカラン スーパージイサン、バアサン達ではない


そして地域医療関係の運営も巧い。基礎研究所のスーパージイサン、バアサン達は アイツにこうした医療マネジメントの力があると認識した。神三郎は 世界最高水準の病院を作り上げる力を持っているし、神三郎自身スーパー医師とも言えた。ただ多くの医師を育て、地域医療を含め、医療の現場を運営する力をアイツは持っていた。神三郎もそれはよく判ってきた。


カヨコファナンシャルの奴らも それは判ってきた。奴らは病院の医療 そのものには関与しない、それは鉄則となっていたが、本院とか九州分院は 最高医療水準を維持してくれた。九州分院は アジア、中東の金持ち 大富豪たちの かかり付け病院として有名になっていた。カヨコファナンシャルの奴等の選択と云うよりは マチコジブ記念病院のいわば一つの方針と云えた。当時 彼らは寄付だけの医療とはっきりと言ってはいないが、特に経済状況の厳しい人たちに 金は厳しく取ろうとはしない。医師や医療スタッフの待遇はいい。ある程度の裕福な人たちの寄付、企業から寄付に近いような検診などに頼らざるを得ない。 長い間 病院経営に苦しんでいた マチコジブ記念病院がこうした路線を元々取っていた。マチコジブ記念病院から来た院長が 巧く 本院の外科のミラクルさも強調して、そうした病院にした。カヨコファナンシャルの奴らは 本院の外科のミラクルを売り物にして 世界から寄付が集めた。


ただ大阪の病院は医療水準がけっして 低いとは言えないものの、スーパー医療ではなく、全体として医療の水準を上げて行こうとしていて、それが少し違っていた。奴らは 最初 どうすべえ と思ってはいた。それが関西は元より 日本各地から 一つ一つは少ないけど 多くの人が寄付してくれる病院にした。そして、難しい病人を引き受け、関西の多くの病院の相談病院、地域各地の相談病院と云われるような病院に短期間で仕上げた。


カヨコファナンシャルの奴等は 加代子にも加代子のアメリカの会社の責任者にも言った。寄付を集めるのは難しいですけど タイプの違う病院になりました。ただ寄付してくれる人の階層、そして広がりは大きくなりました。我々も考えなくてはと思ってます。それが地域全般に投資して、地方と云うか地域に富を と云う 出資態度に変わった。実際 地域からの寄付は少しつづだが増えていた。