のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1822

2021-04-12 00:34:00 | 新しい子猫たち 
治部 所縁 のジイサン は 人を良く見ていた。あの人の長所は 医療のマネジメントにあった。ある程度経つと 各科の責任者もそれが判った。ジイサンは院長代行にしたが 反対する奴はいなかった。文句ある人は 私に言ってくれ、名目的に私が院長、本院の基礎研究所の幹部たちとも相談して 神三郎さんにも了解を取って回答すると言った。本院の基礎研究所は医学界の大ボスたちが集まっている所。まだ生きていたのかと驚く程の ジイサン、バアサン達。


文句言えば 日本の医学界の大ボスたちに睨まれる。治部 所縁 のジイサン だけでも関西の医学界の大ボスなのに、そこに医学界全てを敵に回すような事は出来ない。


それにアイツは そこそこ 丁寧に 各科の自由を聞いてくれる とかで始まったが、みんなも吃驚するような運営力だった。大阪の病院は ナニ科がそんなにはっきりとしていない。重複する部分も多い。アイツが先頭に立っている科はそれこそ なんでも診察する。モロに各科の診療結果が判るのだ。ぼんやりとしていると そこだけ アカンとかになりかねない。それぞれ 出身大学の名誉もかかっていた。


グダグダと言っている場合ではない。文献・資料は山のようにあって、本院から来る 外科医師たちはそれこそブラックジャック のような手術の達人、変な検査していると それこそ笑われてしまう。


みんな競って そこそこ 守備範囲も決まりかけたが、アイツは各科横断のように なんでも診察する科、そこに本院から時々 派遣されてくる若い奴らは吃驚するような博識だったり、ブラックジャック のような手術の達人たち、追いつくだけでも大変、ナンダカンダと言っている場合ではない、それに地方に派遣する医師たちも監督しないといけない。


医師は多いが アホはいらない、それを監督し、育てるのは大変、誰がドーダとか言ってはいられない


アイツはそんなには病院にはいない、人を育て 任せるのも得意なのだ。それにも圧倒された。医師個人としてはそんなに凄いとは思わなかったが 組織を育て 配下の医師を育てる力には圧倒されていた。本院から来た奴は 平気、これがエンゼルホープ病院ですよ と涼しい顔をしている。