ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

孤狼の血LEVEL2(ネタバレあり)2

2021-08-23 21:52:00 | 日記
甲斐さんのお友達の映画評論家・町山智浩さんが、TBSラジオ「たまむすび」で
この作品は、東映の実録ヤクザ映画へのオマージュだと話されていたんですが
「三角マークでドバーン!って波が打ち寄せるオープニングがないと
この映画はホントにもう意味がない」(笑)との言葉に始まり

鈴木亮平さん演じる上林は、収監されていた刑務所の看守たちが、めんどくさいヤツだから
早く出て行って欲しくて(苦笑)模範囚だということにしたくらい凶暴なヤクザで
普通なら「シノギ」…金儲けと出世が重要なのに、そんなことは全く考えていないヤバイ奴
敵味方、兄貴分・親分、上下関係無視で片っ端から殺しまくる(汗)…と説明なさったあと

「東映ヤクザ映画史上、最も凶悪なヤクザ」は
渡哲也さんが「仁義の墓場」で演じられた、実在の人物・石川力夫
2番目は、千葉真一さん演じる「仁義なき戦い・広島死闘篇」の大友勝利で
今回の上林は「この2人にかなり肉薄している」と絶賛?(笑)

更に…「日本のヤクザ映画の最大の魅力は脇役の面白さ
怖いだけじゃなくて、ひと癖もふた癖もあるヤクザが人間くさくて、素晴らしい群像劇になってる」
…と、まずは先日亡くなられた田中邦衛さんのお名前を挙げられ
田中さんが演じられたヤクザは「ものすごく弱くて、一番めんどくさい(笑)
ズルくて、一番困ったヤツが出て来る面白さがある」と評されたあと

「LEVEL2」で、松坂桃李さん演じる日岡刑事の「S(スパイ)」として
上林組に潜入するチンピラ(村上虹郎さん)は
「ヤクザと警察の板挟み」状態で「ものすごく切ない
「『仁義なき戦い』シリーズに必ず出て来る、定番のチンピラ悲劇が泣かせる」

…とおっしゃってましたが、上林の執拗な「試し行動」によって
まだ息がある人間に灯油をぶっかけ、火をつけるよう指示されたり(汗)
いきなり、覚醒剤を注射されたり(汗)詫びを入れるなら小指を寄越せと迫られたり(汗)
果ては、日岡を殺せと命じられたり(汗)…と

少しでも逡巡すれば疑われ、殺されてしまうシーンが何度も訪れ(汗)
「もう、やらんとどがいもならんのじゃあ!」と
どんどん引き返せない深みにハマって行き(汗)
最後は、皆さまご想像通りの結末を迎えるという、ナンともやりきれない感じでした(汗)

広島仁正会会長・綿船組組長役を務められた吉田鋼太郎さんは「卑怯でズルいタヌキおやじ」で
「『仁義なき戦い』の金子信雄さんみたい」…って、たとえが的確過ぎます(笑)
ちなみに…吉田さんは「LEVEL2」のオファーを受けられた時
「役所さんの代わりかと思った(笑)」んだとか…(笑)

五十子会・二代目会長役の寺島進さんについては
「オラオラ系の役が多いけど、ヤクザ映画では、何故かイジメられ役で
『殺し屋1』では、全裸でかぎ針を身体中に刺されたり
浅野忠信さんに煮立った油をかけられたり
ひどい拷問のシーンがコメディで、ダチョウ倶楽部みたいな…(笑)
『てめえ!このヤロー!』と言いつつ、ひどい目に遭う、川谷拓三さんがやるような役」

…と説明なさってましたが、この作品でも、上林にひどい目に遭わされ
「おどりゃ、血も涙もないんかっ!」と叫んでいらしたんで(汗)
観賞前に、この説明を聴いてなくて良かったなあと…(笑)

だって、上林にとって、寺島さん演じる角谷会長は
自分が忠誠を誓った前会長(石橋蓮司さん)の後継者にあたるにも関わらず
「こんな仕打ちする!?」っていうのが、上林のヤバさを強調しているのに
「ダチョウ倶楽部」じゃ「押すなよ!絶対に押すなよ!」と同じく
拷問を待ってる人みたいになっちゃいますもん(笑)

TEAM NACSの音尾琢真さんは、前作から引き続き出演なさっていて
「キレイさっぱり足洗うて、イチからやり直しましてのう」ということで
今や、国の公共事業も請け負う建設会社の社長になってるんだけど

町山さんは「スケベでインチキで、強いヤツにはペコペコするくせに
(立場の)弱い者(女性秘書)の、お尻触ったりするサイテーなヤツ
『仁義』で言えば、山城新伍さんみたいな…」とバッサリ(苦笑)

確かに、前作では、クラブのホステスさんの体を触りながら
自分のモノは「真珠入り」だと自慢したりしていたんですが(笑)
ガミさんが、情報を得るために、クラブのママ(真木よう子さん)を使って呼び出し
「体に異物が入っているのは良くないから」と
麻酔もなしにメスで切って、真珠を取り出すシーンは見ているだけで痛そう~!(汗)

…って、この時、ガミさんがママに「何しとる!?足、押さえんかい!」と怒鳴り
慌てて片足を押さえながら、今度はママが「そっち押さえんかい!」と日岡を睨みつける
…という流れは、日岡の「ぺーぺー」ぶりが際立っていてツボでした(笑)

その音尾さん演じる吉田社長の会社の名前が「パールエンタープライズ」で(笑)
「結局は『真珠縛り』のキャラクターになってます」と音尾さん(笑)
前作では「真珠」を取られ、今作では上林に「パールエンタープライズ」を乗っ取られても
ナンだカンだで生き残ったことだし「LEVEL3」も「真珠縛り」を期待してます♪(笑)

そうそう!その乗っ取った真珠会社(笑)の「社員募集」の案内について
白いスーツ姿だったら「ホワイト企業」に見える云々の件には
「んな訳ないやろ!(笑)」とツッコミました(笑)

それはともかく…中村獅童さん演じる新聞記者・高坂も前作からの生き残り組で
前作では、日岡がガミさんの「真珠摘出手術(笑)」などを報告していた上司
嵯峨(滝藤賢一さん)からのタレコミで、ガミさんを追い詰めるスクープ記事を書き
それが日岡に、自分と嵯峨しか知らない話だと
嵯峨のもくろみに気づかせるきっかけとなり
今作でも、高坂のある一言から、嵯峨の陰謀…ってか、重大な事実が発覚!?(汗)

その滝藤さんは再登板のオファーを受けられた時に
「前回、コテンパンにやられたんで、この日を待っていた!(笑)
まるで、初恋の人に会ったような喜び(笑)」をお感じになったそうだけど
今回もリベンジはならず…って言っていいかな?(笑)

町山さんによれば…「滝藤さんはキャリア組で、広島県警のエリート
佐藤慶さんが必ず演じるような役なんですが
東映に出て来るキャリア組は、一番悪い(笑)」んだとか…(笑)
ただ「治安守ってんのは、おめえだけじゃねぇんだよ!」という嵯峨のセリフは
広島県警のほぼ全員が、日岡に対して言いたいと思っていたんじゃないかと…?(汗)

ともあれ…「(登場人物は)全員、海千山千
チンピラがスパイやってるみたいに、全員が二面性を持っていて、裏表がある
誰かが誰かを必ず騙してる」と町山さん
それは、ずっと張りついて追い回され、イラつく日岡に
「嗅ぎ回るんが、ワシらの商売でしてのう」と言い放った「トップ屋」みたいな高坂記者が
「案外、イイ奴なのかも知れない(笑)」と思えるシーンがあったり

パンフレットに記された「裏社会、警察組織、マスコミ、誰もが裏切る、潰し合い」
…というコピーからも窺えるんですけど
日岡だけじゃなく、ほぼ全ての観客も、その「裏の顔」に気づかなかった(汗)
アノ人(々?)には、誰も勝てないでしょうね?(笑)
まあ、その話は次回のお楽しみとして(笑)…

「見たまんまの人は1人もいない中、全く裏表がないのが上林なんですよ
『何もかもブチ壊してやる!』って言って、ホントに何もかもブチ壊すんだから
有言実行の人なんです(笑)」…って、確かにブレはないし(苦笑)

そもそも、町山さんは最初から「この映画は、基本的に『ヤクザ映画』というより
『ゴジラ映画』みたいなものです(笑)
ゴジラが登場すると、それを食い止めるために
人間たちが色んな新兵器を作ったり、作戦を練ったりする、アレのヤクザ版
善も悪もなく全てを破壊し、踏み潰して行く鈴木亮平をナンとか止められないかと
メカゴジラを作って行くのが松坂桃李」と説明なさってましたしねぇ(笑)
コメント
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