仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

マヤカシ宗教放映のテレビ局の責任

2019年01月08日 | 新宗教に思う
正月の暇つぶし用に借りてきた本に古い本ですが『宗教トラブル110番』(山口広・滝本太郎・紀藤正樹著)があります。

「妻の宗教活動が原因で離婚する際子どもを妻に渡したくないがどうすればよいか」
「妻が宗教に夢中という理由で離婚できるか」
「信仰に基づく祈祷料を返してもらえるか」
と言った類いの質問に、過去の判例を持ち出して回答するという本です。その中に次の質問がありました。


Q 宇宙パワーというインチキ療法を放映・紹介したテレビ局に責任はないのか

 テレビで何回か放送された「宇宙パワーで難病が治る」という番組を見て、テレビ局に電話して中国人の気功師を紹介されました。そこで11ヵ月コースの代金として390万円を支払ったのですが、何の効果もありません。テレビ局に責任を問えますか。

☆邵錦宇宙パワー療法事件
1993年、1994年に、日本テレビ系の放送で邵錦(しょうきん)という中国人気功師の特別番組が四回も放映されました。彼女が宇宙のパワーを相手に送ると、医者から見離された難病が治ったという内容の番組です。…

 これを見た難病に悩む全国の視聴者が、日本テレビに集士豪雨的な問合せをし、日本テレビでは邵鏥の事務所を紹介しました。日本テレビの出版部では、邵鏥の宣伝本を六冊も発行しました。

 テレビの内容を信じた患者は、治療をしてくれると思って出かけていきます。一日体験コースもあるけれど、わらにもすがるような思いの患者は、すぐにでも本格的治療を受けたいのです。しかし、一ヵ月コースは50万5000円、九ヵ月コースは390万円とたいへん高額です。…

邵錦の手口は詐欺との判決
 被害にあった20名が、邵錦のほか、日本テレビと番組制作会社を訴えました。その結果、東京地方裁判所は、気功師に対し、平成9年5月27日に明快な判決を下しました(判例タイムズ九四二号二六七頁)。自称宇宙パワーを有する中国人女性が、テレビ局の番組や出版物を通じて宇宙パワーによって難病を治療すると知ってこの施術場に来訪した難病患者らに対し、高額な対価を要求した行為は、難病患者らに対する詐欺行為に当たるから不法行為だとしたのです。(以下省略)

 なお、新聞広告に掲載されていた内容を信じて建築計画中のマンションを買ったあと、そのマンションが建つ前に業者、が破産したという事件について、新聞社の責任を否定した東京高裁昭和五九年五月三二目判決(判例時報九〇九号一三頁)の上告審判決(最高最平成元年九月一九日判決が注目されます。最高裁判所はこの判決の中で、新聞社には高度な情報収集能力があるとして信頼されているのだから、「新聞広告の持つ影響力の大きさに照らし、広告内容の真実性に疑念を抱くべき特別の事情があって読者らに不測の損害を及ぼすおそれかおることを予見し、または予見し得た場合には、真実性の調査確認をして虚偽広告を読者らに提供してはならない義務が」あると述べています。(以上)

だそうだそうです。
コメント
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