超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

週刊少年チャンピオン 2013年42号 感想(沼田純「朝日の野球部」ほか)

2013-09-19 13:49:57 | 漫画(雑誌感想)

















◆錻力のアーチスト

清作の不幸はこういう風にはっきりと力の差を見せ付けてくれる人がいなかったことなのかも、ですね
というか、清作がなまじ結果を出すからこそみんな気を遣ってへりくだって誰も彼を叩きのめそうとしなかった
八子も正論を言ってるようで本当はもっと厳しく訴えるべきだったのかもしれない・・・なんて
そんな風に思ってしまいました
増長した人間を野放しにして置いたら結果付け上がっていくだけ
先週は清作がまだまだ子供なのでは、って思ったけど案外彼だけを責めるべきではないのかもなあ。

先週読んだ時はこのまま「俺様モード」で行く可能性も若干危惧していたのですが
今週分ではしっかりと清作に壁を、蛙に大海を用意してくれて個人的に凄く安心しました
こうやって清作が一歩一歩成長していく物語なら心配なく好きになれます
確かに清作はあんまフィジカル強いとは言い難いですしね
ただ単に試練を押し付けてるだけでなくそこに必要性が付随してるのが何とも良い感じです

この夏の甲子園を観てると、やっぱり酷使し過ぎて故障だったりスタミナ切れが露骨になる場面も多々ありました
そういうのを観てから読んでるので弐識くんの主張にも説得力があるとしっかりと感じられます
本来ならバカスカ打たれる筈のないピッチャーがガンガン撃たれる場面は観てますから。
今年から観始めたんですが木更津総合とか常総学院辺りがピッチャーのリタイアで泣いた高校ですよね
ピッチャーだけでなく打者に関しても全体的な体力の底上げを強いるのは間違ってはいない。


そして、体に悪い食物が~の下りは中々いいなと
好きな事を我慢してつまんない人生を歩むよりも
多少短くなってもいいから今を全力で楽しみたい
そういう考え方も個人的にはアリだと思うし、ある程度共感はします
結果論で言えばそれで寿命が縮まったら「悪い」という事になるんでしょうが
その最中に得た満たされた記憶や気持ちは確かな財産になるはずですしね。
利己的な考えだけが全てではない、という事です。

それにしても弐識くんの頼もしさは半端ないですね
2話にしてすっかり清作を良い方向に先導してくれる素晴らしいキャラに育ってます
それに対する清作も自分の弱さを受け入れつつも噛み付き倒す事をまだ諦めてはいない
個人的には中々のポテンシャルを秘めた新連載だなー、と ドラマも既に光ってるし完成度高いと思う。
後は坊主の子が清作に仲間の大切さ等教える役割をこなしてくれればなーって密かに期待中です。

高校も弱小~ってありがちでなく
去年はベスト8まで進んだやや上り調子の高校っていうのが隙間付いてていいです
ここで清作が成長してどんどん勝ち上がっていく展開を見れたら嬉しいですね
今週はかなり面白かったのでアンケ入れましょう。あとちょいちょい挟まれるギャグも好き(笑)。



◆朝日の野球部/沼田純

もうこれ連載にしましょうよ(笑)。
絵も大分可愛くなってるしキャラメイキングのセンスもあるし
この手のショートコメディとしてはまずまずの出来栄えだと思いましたよ
エースがここまで単純バカ、って設定なのがいいですね
こいつならどんな注文でも思い込みでこなせる気がするな(笑

個人的に夢先輩の顔は可愛くてあいらしいのにツッコミは豪快なのが好きですね
多分顔だけ見るとかなり大人しそうなのに行動はガサツの極みなので
ある種のギャップ的な良さが出てるんだと思いますが・・・キン蹴りとか久々に見た気がする(笑)。
まあともかく前回もそうでしたがこのクオリティなら連載あげてもいいんじゃない、とは
これもアンケで支援しておきます。頑張れNJ。

あとさり気に「女投げ」で笑った。マコトも良いキャラしとるわ。結果的に夢先輩とくっ付きそうだけど。



◆3LDKの花子さん

花子さんは一見トラブルメイカー?のようで中身は素直で優しい子なのがイイですね
これだと多少トラブル起こしても憎めないというか、良い塩梅だと思います
泣きながらみぞれの悲しさを理解している場面なんかかなり好きです
最終的に風呂場使えなくなっちゃったけど(笑
でも、自身がはみだし者だからこそ同じような境遇の人物を見捨てない、という精神は褒められたものかと
まあやっぱり花子さんの言う通り本当は誰かと関わる事に多少の興味はあったんだろうしね。

しかしみぞれさんみたいな人がいたら男子は温かい目線送ると思うけど(笑
むしろ溶けるんじゃないか?凝視されすぎて。

冒頭のアイス食ってる描写も幸せ感出てて良かった。



◆名探偵マーニー

あのー、確かにいかがわしい行為ではなかったんですが
練習と称してマーニーの体に触れる事が出来るのは非常に役得な気がします
それにしても何気にそっち方面の想像をさせるネタが多いなあ。
そしてマーニーみたいなのがそっちの道に行ってると考えると下衆的にドキドキしてしまいます
オチもそれなりに決まっててベタながら安定して楽しめたお話でした。



◆侵略!イカ娘

まさかこの漫画で「邪魔しちゃったかしら」系のネタを見れるとは(笑
そして千鶴さんは300歳だったとしても不思議と納得してしま・・・いや、なんでもないです。うん。



◆777

小沢としおと言えば未だに「フジケン」のイメージなんですが
今はここまでシリアスな漫画を書いてるんだなー、と
今週は愉快犯に対しての強烈な怒りが物悲しさと一緒に表現されていて
それもまた年齢を重ねたからこそそういう事柄を書きたくなったのかなって
なんとなく思ってしまいました。
この主人公がひ弱そうなのに時折物凄い意思の強い顔になる、っていうのがイイですね
小沢としお的には新しい主人公像かもしれない。割と新鮮です。



◆実は私は

うん、やっぱり少年誌だから行為に及ぶ~ってのはなかったね
それでも周りのやじ馬二人の行動が面白くちょっとイイ感じのシーンもあったので。
寝るのはどうかと思ったけど、そのくらいのギャグ感がこの作品には丁度いいのかもね。

一緒のベッドで寝~発言は良かったです(笑)。
















バチバチはいよいよ来週本番ですね
そして「実は私は」がまた巻頭カラーでかなり好調なご様子
貴重なラブコメ要員だけに健闘してるのは良い感じですね。
八神健以来の人気なのかな?