霜月絹鯊「となりの柏木さん」5巻読了。
今回は桜庭くんと柏木さんではなく、福田さんと草野くんの恋愛が中心だった訳で
私の大好きな柏木さんの出番が少ないじゃないかあ!・・・・ってそんな気分だったんですけど
読み終えると案外満足度はめちゃめちゃ高かった、
どころか超面白いッス!という
正直読む前の期待値はいつもより低かったんですけど
蓋を開けたらいつもと変わらぬぐらい面白く感じられたという(個人的にね)
それが最初は不思議ではあったんですが
よくよく考えてみると、結構納得だなあとも思えて。
メインの二人が、超奥手なんですよね。
桜庭くんは好きな気持ちはたっぷりあるし伝わるけど若干頼りないし(笑
柏木さんも・・・まあ自分から行くタイプじゃないから
必然的に亀ペースにならざるを得ないんですが
それがサブの二人だと、
案外福田さんは恋愛体質な事が分かったし
草野くんはどんどん矢継ぎ早に攻めていくしで
正直メインの二人がビックリするほどのハイペースで進んで行く訳なんですよね。恋愛模様が。
それが、これまでの読者的には面白いと言うか
ストレス解消というか(笑
メインがまだまだ時間が掛かるから、サブを取り合えず成就って狙いがあるのかもしれないけど
それにしたってここまで気持ち良く少女漫画ちっくな恋愛が味わえるとは思わなかったから
余計に新鮮だったし、スラスラ読めたし、これから先も期待したくなったし
何よりも今までは「恐い」「堅物」ってイメージだった
そんな福田さんが解きほぐされていく様子は
本当にニヤニヤ出来ました(笑
それは結構前から複線を張ってたから素直にニヤニヤ出来たっていうのもあるけど
同時に、これを機に福田さんが色々な意味で味方になってくれそうで
その意味でも便利で合理的な展開だな、と。
でも個人的には柏木さんのヒロイン力が凄まじい作品なので
福田さんメインじゃ盛り上がらないのでは、という懸念があったのも事実です
しかし、そんな圧倒的柏木さん派の自分から見ても
素直に面白く、ニヤニヤ出来たと言うのは
正に福田さんもまた天使だったんだなあという事実を確認出来て
これから先の読む楽しみも二倍に増えそうな(笑
案外、頑張れば分かってくれる
柏木さんとは違って恋愛オンチって感じでもないので
そういう点から考えても、意外と動かしやすいキャラクターだったんだなあ、と。
柏木さんと桜庭くんの関係って言うのは、何と言うか
桜庭くんは大好きで求愛しまくってるけど
柏木さんがまだまだ恋愛と言うもの、感情をよく分かってないという
その上桜庭くん自体の積極性も優れている訳ではない、って
結構などつぼな訳ですけど(笑
だからこそ、一歩一歩進んで行く様が微笑ましくて、面白くて、応援も見守りもしたくなるんですが
ただずっとじれったいのが続くと読者的にはストレスが溜まるので
敢えて成功例を先に持ってきた・・・と
そういう感じがしますね。
勿論引きからして確実に成功するって訳でもなさそうですが
脈は十分にあるとは思うから
恋愛ベタな二人にとっては指し示される部分や学ぶ部分は往々にしてあるでしょう
それらを踏まえた上で、メインの二人の関係が進んでいく・・・と考えるとやっぱ凄く合理的で
きっちり価値のある良展開だったなあ、と思います。グループ交際ものっていう個性も立ちますし。
そんな亀ルート真っ最中の二人にも若干進展があったようで
バレンタインのほっこりとした小話を挟みつつ、
最後の方には遂に
桜庭くんが柏木さんを「女として」意識・・・!これは結構大きい気がします
今までは若干子供じみた雰囲気の関係性って節もあったんですけど
手を繋いだ例のシーンから一転、
一気に生々しくなって
ここから先は何気に桜庭くんの頑張りが見られそうで楽しみ
彼もずっと草野くんを頼ってばかりなようで、その実彼の意識を焚き付けたりと時には男らしいから
その意味でもラブコメ的な意味でもここからの展開がすっごく楽しみです
女の子を大切にする気持ちだったり、
好きな人の為に頑張って尽くす健気さだったり
そんな繊細な感情がめいっぱい楽しめる極上の恋愛ストーリー
先が気になって一気にツルッと読めてしまった辺り、
絵柄やキャラでなく話し運びや展開で魅せられた感がアリアリで、それが何より良かったです。
世界観の広がりも大いに感じられた5巻目、今回もまた個人的には大満足でした。
それにしても草野くんは色々と恥ずかしい奴ですねー(笑
見てるだけでこっ恥ずかしい、けれどあのカテナチオを破るにはそれくらいの度量が必要なのかも
逆に言えば柏木さんみたいな繊細すぎる女の子には桜庭くんのようなタイプのが合うのかな?
何にせよ、対比的にもすっごく面白かった新刊
まだまだ楽しませてもらえそうです。
個人的には168ページの色気のある柏木さんの描写が最高でした(笑)。
へタレって言われるけど桜庭くんもいじらしくて好きです。ほおっておけない感じが・・・。