超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

曽我部恵一BAND「曽我部恵一BAND」全曲レビューその5「ロックンロール」

2013-09-15 23:08:22 | 音楽(全曲レビュー)



















5.ロックンロール


















冒頭からキラキラしたバンドサウンドが気持ち良いキャッチーな一曲ですね
活き活きとしたギターリフに加えてディスコの要素も含まれている問答無用で気持ちが良いナンバー
そんなダンサブルな感触を味わえつつも曽我部さんお得意の「景色が見える歌」は相変わらず貫かれている
その絶妙な塩梅に何度聴いても感性にグッと来るような今作の中でも求心力の広い楽曲です
歌詞も付いてない所から何も考えずに感じる事を推奨している気がする
過去の曲で言えば「トーキョー・ストーリー」に通じるものがあるなあ、と個人的には思ってます。
あの曲もまた歌詞なしでグルーヴと雰囲気重視で、何よりもキャッチーな楽曲でしたからね。
そういった意味でも今作は現在だけでなく過去も引き連れてるアルバムだなあ、って
聴いててそう感じられる楽曲の内の一つでもあります
おまけに、過去よりも幾分か磨き上げられている感触があるのもまたファンとして好きな部分。




「歌うの/歌わない/気持ちは回るぜ」

何も考えずに感じればいいだけ、とは書きつつ
野暮ながらこの曲が表現しようとしたものを自分なりに探ると
凄く霧中にいる感覚というか、抜けきらずにイライラしている心情が歌詞から窺い知れる
それは「キャッチー」っていう要素からは程遠かったりもするんですけど
逆にそういうネガティブな心情をダンサブルなビートに乗せて歌うっていうのが痛快だなあ、と
土台に求心力がある分共鳴もし易くなっているのが非常に個性的で良いです

なんでしょうね、客観的に考えれば自分が間違ってる、愚かではあるのに
どうしてもそれを認めたくない感情や何一つ納得出来てない悔しさだったり
冷静に考えれば当たり前である事にクソって思う気持ちだったり
そういう正論だけでは済まされない複雑な心境が歌や雰囲気に滲み出ている気が個人的にします
それを踏まえてやるか/やらないかの簡単な選択の中でグルグル回ってる感情
モヤモヤの中で足掻いてる感触が正にタイトル通り転がり続ける人生を表しているなあって。


多分この曲がキャッチーなだけの曲でもある程度好きにはなったでしょうが
そういう葛藤だったり汗や涙の匂いが伝わって来る曲だからこそ更に好きになれたって思いはあります
頭の中でモヤモヤが渦巻き意識が霧中を抜けられない時に背中を押してくれるような、
或いは一緒に悩んでくれるような、そういう曲ですね。
私にとっては。












それと、サビメロの突き抜けるような爽快感が最高です
「yeah」って言葉にすら哀愁とそれでも前に進みたい気持ちが込められているように感じる
そういう奥深さが宿っている楽曲 ライブで聴くと更に興奮増しで尚最高ですね。
途中でブレイクのコーナーもあったり相当弾けてました。



marble「ひだま~ぶる×ハニカム」全曲レビュー

2013-03-21 01:58:18 | 音楽(全曲レビュー)














発売から3ヶ月経っても一向に飽きない年末に出たmarbleのアルバム、
凄くポップ・ミュージックとして美しく完成されてる気が何回聴いててもするので
もう一度この作品の真価を問う為に全曲レビューを行いたいと思います
marbleが本当の意味で正当な評価を受けてるとは思わない
本来ならもっと幅広い層に聴かれて間違いない音楽だとずっと感じてるので。
誠実なポップが好きなら絶対に響く音楽だと信じています。









1.おーぷん☆きゃんばす

カバー曲ですけど、ある意味オリジナルと捉えて差し支えない感じ
それくらい原曲との印象がまるで違う・・・というか、もう別物?ですかね
個人的には朝の情報番組に是非使って頂きたいんですけどね(笑
無添加のポップというのはこういう音楽を指します。
音数はめっちゃ少ないのにちゃんと普段の曲と変わりなく聴けるというのは
ボーカルのセンスだったり原曲よりも性急なテンポに変えた成果だったり、
非常にセンスフルな一曲だと思います。
掴み抜群すぎ。



2.リミットスパイス

ミドルテンポでスロウな曲調なのにシングル向け?ってくらいキャッチーな気がする・・・のは
多分メロディの練り込み具合がはっきりと伝わって来るからだと思う
ノリに任せた見せ掛けだけのハリボテではなく、
しっかりと考え込まれて作られた成熟したメロディの味わいは何度聴いても深く沁み込んで来る
サビ前のメロディはノスタルジックなツボに真っ直ぐに入ってきて堪らないですね。

【全てイメージ通りのはずだったクッキング 計画は失敗】

人生を料理に例えた歌詞も面白い
イメージ通りに行く事の方が少ないですし
曖昧な部分が多く残ってしまうのもまた共通してるなあ、と
でも手探りで幸せに向かっていくのもまた人生なんでしょうね。つくづく。



3.わたしリスト

TOKYO No.1 SOULSETみたいなポエトリーリーディングを駆使したポップナンバー
個人的にこういうポエトリーとmarbleのポップスってずっと似合うんじゃと思ってきたので
ここまで大々的に取り入れてくれた事が嬉しかった
そのセンスフルな感じは正に音楽ファンと呼ばれる人に聴いて欲しいくらいナチュラルでスタイリッシュ
かと思えばサビのメロディがこれまた往年の、特に90年代のポップスを想起させるくらい
王道で求心力が高い、というコントラストもまた抜群な一曲です
その純度の高さに惹かれてやまないナンバーですね。


【間違いは歓迎してるよ】

タイアップ先を意識した歌詞ですが、ふとそれとは別に作り手の主張を絡めるセンスがやっぱ最高。
こういう「らしさ」を決して見失わない部分が大好きです。



4.☆フルフルフル

これもまたノスタルジックなツボをグイグイ押してくる、
ちょっと懐かしい感じのキュートなポップナンバー。幻想的で神秘性のあるアレンジは正に
夢の中やイメージの中の星とたわむれているようで立体的な音作りが印象的な楽曲ですね
このアルバムの中でも特にストレートに訴えかけてくる曲だと思います。
ファンタジックな世界を描き出す歌詞もまた音楽と合う感じで。Bメロがやたら格好良いのもまた注目ポイント。



5.きっと、ずっと

【戸惑いの季節の中迷い続けた この部屋で】

この曲は今作の中でも特に推したい一曲です
丁寧さを極めた純朴で温かいメロディに乗るのは逆に寂しくて儚げな詞・・・
というギャップが物凄くたまらなくて一発で気に入ってしまったナンバーなのです
感情やいたわりが直で伝わって来るサビの求心力は是非触れてみて欲しい
個人的には歌で自らの孤独を包んでくれる・・・
そんな気がしました。

歌詞が最後まで前向きにはならない、
「過程」のドラマを描く方向性もまたお気に入りです
個人的にまたこういう焦燥を感じさせる曲を作って欲しいですね
タイプは違うかもしれないけど「ほどけた手」「朝はやってくる~」みたいな
ペーソス分が強い楽曲が好きなら多分この曲も好きだと思います。事実自分がそう。



6.思い出探し

なんとなくインディーズの頃の楽曲に雰囲気が似てる気がする・・・のは気のせいでしょうかね
イノセント感溢れる純朴なAメロに切実さを感じさせるサビメロのコントラストが見事
全く押し付けがましくない聴き手との距離感が気持ち良い一曲
明るいだけの曲では決してないですけど、
それでも晴れた休日の午後に風に吹かれながらそっと聴いていたい爽やかで感傷を揺さぶる一曲。
「今」をしっかりと見逃さない事が後々の良い思い出に繋がる、っていう曲だと思う。
そこに昔のイメージなんて必要ないから。



7.infinite cloud

これもシングルカットしましょう!(提案
この凄まじい本物のナチュラル感は一体何なんでしょうね・・・
あまりにも無添加に感じるのが恐ろしいところですが、小気味良いコーラスとの掛け合いだったり
シンプルに振り切った雑念のないサビの秀逸さ加減だったり、万人に伝わるキャッチーさを感じられます
子供番組でも流せそうなくらい分かりやすくて聴き方が易しい曲ですが
その分歌詞は若干シリアスだったりして、
そのギャップも中々ツボにハマってくれる一曲です。「Sweet Soda In」が好きならこれも好きだと思う。


【いびつだけど 君だけのもの】

傷が付いてたり形が整ってないことを恥じなくて良い、
そのいびつさを含めて自分自身である証拠・・・という事実を感じさせてくれる名フレーズ
miccoさんの作詞センスも益々研ぎ澄まされてきた印象がありますね。



8.ヒトリゴト~I hope my feeling will reach you~

【届かない歌を宙に放って 儚く消えてゆくサマを】


この歌詞って菊池さん自身のルサンチマンが込められてる気がしてならないですね
実際どうかは分からないんですけど、でも凄く人間らしい一曲だと思う
この感覚は凄く分かるなあ・・・と
爽やかでギターの音色も王道感溢れててビックリするくらい格好良い曲なんですが
その根底には菊池さん自身の人生が滲み出ている気もして、その意味でも大好きな一曲です
副題もリスナーに対しての想いにも感じられていいなあ。
二人とも作曲出来て二人とも歌えるってもしかしなくても凄いユニットなんじゃないだろうか(笑
結構レアですよね、そういうユニットって。

それにしても声のイケメンっぷりが絶品すぎる・・・!



9.幸せ日記

オルゴールみたいな可愛らしくてドリーミーなアレンジに素朴なメロディ
他の曲とはまた違う良さが垣間見れる一曲
じっくり味わえる深みがあります
若干パレードのような賑やかさも感じられるのがこれまた個人的にツボですね
他の曲と比べたら地味目な方ですけど、これもまた賞賛すべき良い曲だとも強く思います。
染み渡って広がるような旋律の誠実さがとっても好きです。



10.シロツメクサの願い

日本のこれまで築き上げてきた古き良きポップスに対するmarbleからの回答・・・のような一曲
往年の歌謡曲の最も美味しい部分をきれいに切り取って展開させたような王道から逃げない姿勢が素敵な楽曲
本当にヒット曲になってもおかしくないくらい完成度の高いポップソングなので
個人的にはある種の入り口にしてもらっても構わないかな、と
今ここまで純度の高くくさみのないポップを追求出来てるのは早々居ないと感じるだけに
こういう曲をしっかりとこなせるmarbleのポテンシャルの高さに改めて感銘を受けたのでした。
非常にスタンダードな一曲だと思います。










普遍的なポップスが好きな方にも、曽我部恵一とかクラムボン、口ロロみたいな音楽が好きな人にも
余裕で届く可能性を持っている音楽だという往年の提言を改めて伝えたくなるような名盤だったと思います
捨て曲、普通の曲は一切なしで全部がメイン張れるような魅力の強い楽曲「しか」入ってない
その一曲一曲に魂が込められてる感覚、丁寧に仕上げられてる感触が
誠実さを感じさせてくれてやっぱり大好きなんです。
これ一枚でポップスをしっかり堪能出来る、
私にとってはそういうアルバムでした。だけに、この知名度で終わるにはもったいないなとも思う。
そんな想いを込めて書いたレビューなので少しでも曲の魅力が伝わってくれてれば本望です。

5月には約3年ぶりにオリジナルアルバムが出るのでそれもまた楽しみです
半年でもう一枚聴けるなんて幸せですねえ。ホントに。





曽我部恵一BAND「曽我部恵一BAND」全曲レビューその4「クリムゾン」

2013-01-20 15:02:17 | 音楽(全曲レビュー)










まだ三分の一ですが去年を代表する名盤の一つだと思ってるので地道にやります。











4.クリムゾン











アルバムの中でも一ニを争うくらい大好きな曲。
個人的な見解を端的に表すと、人が散る瞬間をただただ描いてる
それは死であったり精神の崩壊であったり、世間的な消滅だったり、様々なイメージがあるんですが
だからどう、こうだからそうって発想では全然なく
本当に人が散ったり、或いは逆に少し開いたりと生き死に堕落発展をまるで自然現象のように描いてるんです
特にメッセージなんかもなく、描写されてるのは花に人を例えて散り/咲きの状況を歌ってるだけ
それが逆にこの世の無常さを間接的に教える表現に成り得ているのが面白い
理屈云々ではなく、
ただその時は散るしかなかっただけ
ただその時は咲いていただけ
それは悲劇でも喜劇でも何でもなく、無条件で続いていくものなんて何一つないという事実の表れ
ある種シビアな歌にもなっているんですが、だからこそ個人的には納得や感情移入が出来る、そんな歌。
永遠に続いていくものなんてないし、永遠に続かないからこそ美しくも尊くもある。
「そこにあるのが当たり前」だと思ったら全てに価値がなくなりますから。
あくまでメッセージではなく剥き出しの歌だと思いますが
それでも確かに伝わる思想がある・・・と
そう考えるとさり気なく偉大な曲だなあ・・・って個人的には思います。
散るのは必然、咲くのも必然、でもそれを嘆く事はなく、きちんと認めるべきなんだと。
その圧倒的な「状況」以外の要素がない、振り切れた歌詞描写の凄味に感銘を受ける名曲です。
そこにドラマや美しさを感じてしまうのもまた永遠じゃないからこそ、ですよね。
終わるからこそ素晴らしい。
終わるからこそ生きていける。
そう思います。








淡々と歌っていると思ったら、一気に熱量を帯びてシリアスに歌われるサビの衝撃性や
祈りを込めて必死に歌われる2番目のサビ以降の切実さなど
メロディや演奏のストイックさも印象に残る、
文字通り「渾身」の一曲。何かが終わった気がして空っぽな気分の時に聴くと個人的には救われる一曲です。
曽我部恵一のこれまでの表現の中でも如実に殻を破った感じがしていて、その意味でも凄い楽曲かなと。
敢えて言葉にしましたが、聴けば一発で本質が伝わる歌になってるとも思います。
そのくらいのエネルギーとカタルシスが宿ってる。




曽我部恵一BAND「曽我部恵一BAND」全曲レビューその3「兵士の歌」

2012-12-06 23:59:21 | 音楽(全曲レビュー)










「そろそろ連れてってくれないか さみしい場所へ」










3.兵士の歌










自分は力尽きて倒れるけども、その代わりに残された人々は是非幸せでいてね、という
世界を呪わず時代を憎まず、ただただ慈愛の精神によって成り立っているような素敵で尊い歌。
超スロウテンポで地力だけで作ったような飾り気の無いメロディ
でもこの曲に関しては
変にドラマチックに仕立てるよりも、こういう素朴な味付けのが全然正解かと
朽ち果てるような感情で生きていても、最後に思い出すのはきっと素敵な記憶の一部
そう考えると人生って案外悪くないのかも・・・なんて思える
そういう捉え方はある種の間違いかもしれませんが
ただ、
個人的には厳しさよりも安らかな気持ちを煽り立てられる一曲でもあるので。
誰の所為にもせず、憎悪の感情を棄てて、ただただ終わりを受け入れてしっかりとくたばっていく
その潔さの表現の妙に心の琴線を揺さぶられるこのアルバムの縁の下の力持ち的存在。
決して派手さはないけれど、その分良質のお茶のように五臓六腑に染み渡る。
自分にとってはそういう楽曲ですね。今日はこの曲の気分でした。









自分勝手な解釈なんですけど、
正直このまんまやってても報われないのでは?とか思ってしまう時がどうしてもあります
確かにフルパワーではないにしろ、ある程度頑張って何かに取り組んでいても
その全てが認められ実になっていく訳では決してないこの世界
理屈では抑えられない感情の靄は確実に存在する
そういう時にね、
「連れてって欲しいなあ・・・」と私は他力本願に思ったりもします。
それはある種不謹慎な祈りなのかもしれませんが、そういう時にこの曲がその役割を果たしてくれる感覚も
個人的には確かにあって、そういう観点でも聴いて助けられている、やっぱり尊い一曲でもありますね。




曽我部恵一BAND「曽我部恵一BAND」全曲レビューその2「恋をするなら」

2012-10-26 23:30:18 | 音楽(全曲レビュー)







曽我部恵一BAND「曽我部恵一BAND」全曲レビューその2「恋をするなら」です。









2.恋をするなら








一曲目は新機軸っぽい感触はありつつもソカバンっぽい、と言えばソカバンっぽい曲で
それに比べるとこの二曲目は相当にソカバンのエッセンスからは逸脱している
サニーデイとソロの中間みたいな、
所謂ソカバンでやる必要性は感じられない楽曲なんですけど、
でもしかしそれが個人的にはめちゃめちゃ新鮮で、ある種のサプライズでもあって。
ソカバンは基本エネルギッシュでアッパーなロックサウンドが中心のバンドではありますが、
この楽曲に関して言えば声の線が細く、質感もクールで、熱さは一切存在してない
ファンキーなアコギのフレーズに乗せて歌われる繊細な恋の歌・・・
それは、ある種「ソカバンっぽさ」からの離脱というか
コンセプトをある程度放棄して
もっと自由に、ナチュラルに、「音楽ありき」でこのバンドに取り組み始めたような
そういう類の喜びがこの曲からは感じられて、もっと端的に言えば無理をしなくなったというか
「っぽさ」からの縛りがなくなって、より音楽的に豊かなバンドに移行したのかな、と。
そんな事をめいっぱい感じられた二曲目、
勿論従来のソカバンっぽいエネルギッシュな曲も詰まってる事から
よりアルバムの完成度、コンセプチュアルな部分を排除して、いち音楽として高める為
その為にはきっとこういうテイストも必要だったんじゃないか、と。
実際流れにも貢献してるし、
またこういうフレイバーを組み込んでくれるという事実も含め
長年の曽我部ファン的には非常に嬉しい一曲でした。 ちなみに、ライブでは音源よりも熱いです。

何よりも、凄くお洒落で、その上メロディの出来が素晴らしく良いんです。
もう曽我部恵一の最も得意な部分をそのまんまの純度で出したような
「そうそう、曽我部さんと言えばやっぱこれだよね!」的な。
それくらい従来の曽我部さんらしさがたっぷりと凝縮されている自分と同じく長年のファンにも聴いて欲しい
キャリア含めても特に曽我部節が色濃く注入されている楽曲の一つなのではないかと。
割と今までの経験を全部注ぎ込んだ集大成的な作品でもあるので
その意味でもこういう曲は必須だったのでは、と
今はそう思います。






恋をするなら一人じゃ無理
大切なだれかを見つけなくちゃ


当たり前と言えば、当たり前のフレーズではあるんですけど
しかしこれは真理でもあるな、と。孤独に酔う前に、最初から白け顔をする前に
それじゃ一生恋なんて出来ない事に気付きなさい
必死でそんな「だれか」を見つけなさい
孤独主義のままで、「だれか」が歩み寄ってくるほど人生甘くないぜ、と
さり気に厳しさも含めた、セカイイチ岩崎慧風に言えば「あったかいパンチ」的な
甘い歌声なのに地に足の付いた言葉っていうのもまたコントラスト的に絶妙
手癖と言えば手癖なんでしょうけど
明らかに、一歩洗練された感覚もあったりして
また新たに「らしさ」に磨きがかかったような感触がとっても素敵な一曲。
妄想空想ではなく
非常にフィジカルな視点から鳴っているポップ・ナンバーだと思います。
軽快だけど、軽薄ではないっていう。







個人的に、こんなテイストがソカバンで聴けるとは思ってもなかったので
妙にニヤニヤしながら聴いてしまった一曲でもありますねえ。
歌い出しの部分から完全に彼の色です。