超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

色の歌シリーズ その1「オレンジ/tobaccojuice」

2011-05-11 00:07:29 | 音楽(テーマシリーズ)




「俺妹」の原作に手を出しちゃった。今日出た8巻読んでる。面白い・・・。



それとは別に、今夜から新たなテーマシリーズを始めます。前回は「応援歌」、でしたが
今回は「色」でやります。色はいっぱい種類があるから考えるのも楽しいな(笑)。
前回と違って締めの曲も決めてないので、
まあのんびりと、と言いつつ6月締めまでには終わらせられるように頑張りますよ。

第1回は「オレンジ」です。






オレンジ/tobaccojuice             アルバム「ピカピカサンセットレインボーブルース」収録




この曲は、元々リリース当時に聴いて、でも実は他の曲のが好きで
不穏な1曲目とか、ダンサブルな9曲目に耳を奪われていて、そこまで好きな曲ではなかったんです。
でも最近久々にこのアルバム聴いてたら、この曲を聴いてたら涙出そうになっちゃって。

当時はやっぱり経験不足だったんですね。人生の。
このアルバム出たの6年半前ですから。
まだまだガキだったって事なのかな。今もちゃんとした大人だとは全く思ってないけれど
今よりも更にガキだった、ってことか。
今聴いたらもう、分かるって言うか、「あっ こういうことだったのか・・」と。
歌詞の意味も言いたいことも全部理解できる。
とかいいつつまた年月を掛けて沁み込み具合も肥大していきそうですけど。
だからこそ音楽って面白いんですよね。


この曲は聴いてると、本当に泣けてくるというか
歌詞の意味とか説明したくない感じで。
困ったことに。
言葉で説明するとダメになる曲かもしれない、と思いつつ
でもある程度人生を過ごしていて、しかも大して上手くいってない、どころか不確かなまま。
そういう状況が長く続いてる人ほど絶対にこの曲の良さが分かる、って個人的には思ってます。
 要はくたびれた人向けの歌なんですよね。
いや、くたびれてなくても、疲れてなくても、「自分は特別だ」って魔法が解けた人なら、絶対。
あの頃の自分はどっかで「自分は特別だ」って思いが残ってたんだろうな。
だからこそ響かなかったのかな、と今になって思います。

このボーカルの腹から出したような声、良い意味で粘り気の強い声がまたその浄化作用に拍車掛けてて
聴いてるだけで魂が癒されていくような
心のつかえが取れていくような
何かを認めてもらったような
そんな気分になれます。その気分に浸っているのが心地良くて。多分これ絶対他人の為を思って書いてる。
よしんば自分に向けての歌だったとしても、外に向いてる部分は無意識にあると思う。

歌に救われる、という表現は少し滑稽かもしれませんが
久々に聴いたこの曲は本当に素晴らしいって言えるくらい響いてしまいました。
そんなに個性のある曲でも、奇抜な曲でもなんでもないんですよ?
でも、それが逆に沁みるんだろうな、と。
キーボードの柔らかい音色が堪らなく心地良い、趣のあるブルースです。機会があれば是非。





オレンジ、って橙でもみかん色でもいいけど、黄昏時の色って意味で
ちょっと悲しくもあるのかな、と思う。
この曲の他にもとらドラ!EDの「オレンジ」やチャットモンチーの「橙」も大好きなんですが
どの曲もそういう意味合いで使われてる事が多い気がしますね。
かの有名な某国民的アイドルの「オレンジ」だってそうだ。未成熟とか、そういう意味合い。
見た目の派手さとは裏腹に、実際こういう使われ方をしているのを見てるとギャップ的に面白いな、と。

そういえば田中ユタカ「愛しのかな」でもそういう使われ方してるわ。
派手だけど、キレイだけど、何故か切ない。
そんなオレンジって色は、個人的にも中々好きだったりします。


という訳で第1回は「オレンジ」でした。全10回予定、次回に続きます。

第1回 オレンジ/tobaccojuice



応援歌シリーズその10 タイガーアイ/STAn

2011-03-31 23:01:23 | 音楽(テーマシリーズ)





「悲しい事が僕らの前で手ぐすねひいて待ち受けてる
 それらを避けて通れればいいが 奴らは地獄の果てまで追いかけてくる」


という訳でSTAnの「タイガーアイ」が応援歌シリーズの最終回でした。
元々この曲が好きで好きでたまらなくて
このテーマシリーズを始めたようなものです。要はきっかけ、ですね。
この数年間で一番励まされた歌です。
正にkygによる「いい曲」、ですね。昔ライブでも「J-POP的にいい曲」って紹介してた気がする。





タイガーアイ          アルバム「ROCK」収録



生きてると壁だとか、迷いだとか
そういうものにぶつかるっていうのは当たり前の事で
その当たり前が嫌だったとしても
当たり前に来るんだからそれは避けようがない。めちゃめちゃ優れた人間ならまだしも・・・
ってこれは私がめちゃくちゃ優れた人間側じゃないからそう思うんですけど
悲しくなるような出来事だったり
自分を否定されるような出来事に出会うのは日常茶飯事で。それはもう本当に当たり前にやってくる。
したり顔で。
どや顔で。

だけどね。


「何が本当かさっぱりわかんなくなっても 
 価値とか意味とか見出すのは他の誰にもやらせちゃダメなのさ」

こういう事なんですよね。
他人の価値観だとか
世間の風評だとか
一般的な目だとか、それに身を任せてる自分は本当の自分とは言えない。
それは誰かに捻じ曲げられた自分だと思うから。

そうじゃなくて、自分の目で、耳で、心で、考えて感じたものが全てというか
他の誰かに価値や信条や、評価を任せてたまるもんか、と。
自分で考えて出した答えを信じよう、と。
それが間違っていたとしても。


個人的に、このフレーズにはこの数年で一番励まされました。
ここまで決定的なフレーズもそうそうなくて。
色んな場面で応用できる上に
常に頭の中でも鳴ってるような、鳴り響いてるような。そんな曲です。大好きです。

多分、この先ずっとこの曲は自分の中で残っていくものと思われます。
一緒に歩いていきたいような・・・
そんな曲ですね。
リフとかメロもめちゃめちゃ格好良いので音楽的にも素晴らしいし。もっと多くの人に聴いて欲しい曲です。
何かしら感じるところはあるんじゃないかな。きっと。
そう思いたい。





応援歌シリーズその9 未来は俺等の手の中/THA BLUE HERB

2011-03-31 01:43:29 | 音楽(テーマシリーズ)






応援歌シリーズも大詰めです。今回と次回で終了です。THA BLUE HERBの「未来は俺等の手の中」です。





未来は俺等の手の中               シングル「未来は俺等の手の中」収録





元々ブルーハーツのトリビュート盤に提供する予定だったはずが
全くのオリジナル曲だったため不可になったという逸話を持つ曲。
でも反映させたのは精神性、って事なんでしょうね。
敬意というか。


この曲ではBOSS THE MCの人生経験が実直に歌われていて、その内容が非常に生々しい、
と同時に必死でも、熱くもあって。
その意志の強さに勇気・・・というか「まだやれる」って気持ちをもらえる曲なんですけど。

生きてると極端に自信を失くすことなんてザラにあるんです。
それこそ日常茶飯事ってくらいに。
この曲と次回紹介する曲はそういう時に必ず聴く、節目節目に助けてきてもらった2曲です。
自分はこの歌の内容で歌われてるようなギリギリの生活をしてきた訳じゃないし
そこまで何かに人生を賭けた事もない。
深みのある人生じゃない。
けど、この曲で歌われてる内容を聴いてると、不思議と胸が熱くなってくると言うか
正直シンパシーを感じる部分なんかもあったりして。

生きていて、自分の好きなように行動していて、誰かに何かを分かってもらおうとして
でもその総てが暖簾に腕押しだと思える時が自分でも嫌になるくらいあって。
そういう時にもう辞めたいな、とか
これ以上やって意味あんのか?とか
結局悪いのは自分なのか、いや間違いなくそうだろう、とか
そういった日常生活に於いて無力感だとか、失望感を受けてる時って、何かもがどうでもよく思えてきて
たまに色々と諦めそうになる時があって。

もう何をやっても無駄なんだなと思う瞬間は日常のそこかしこらに転がっていて。


それでもまだ生きてる。幸運にも生きれてる。手綱を握れてる。
まだ生きたいって気持ちがあって、最低限の目標だったり夢があって
それがあるだけマシで。
 ギターウルフのセイジがよく言う言葉で、宇宙の歴史と比べたら人の人生なんてちっぽけなんだから
好きなように生きてやればいいじゃん、ってのがあったと思うんですが(結構適当です 汗)
この曲で歌われてる事ってそれに通じてる気がして。
まだまだたっぷりあるから。
だから諦めるな、と。
例えしんどくても、しんどいのを乗り越えた経験が助けてくれることもある。
あの時よく自分やれたなー、とかね。


「掴んだその手を離すな」

もう限界、って思ったその時にこのフレーズが頭に浮かぶ確率は本当に高い。
シンプルなフレーズですけど
この言葉と声には本当に助けてもらってきた気がします。
ここまで書いてきてなんですけど、今まで挙げた曲って初めから元気出そうと思って聴いていた訳じゃなくて
気が付けば心の中で大きくなっていった曲ばかりなんですよね。
それこそが本当の応援歌って言えるんじゃないかと。
持論ですが。



心から「名曲」って言える楽曲の一つですね。機会があれば是非。



応援歌シリーズその8 △/bloodthirsty butchers

2011-03-22 19:42:07 | 音楽(テーマシリーズ)




応援歌シリーズも残り後2回です。今回はbloodthirsty butchersの「△」です。




△          アルバム「未完成」収録




この曲はシングルとアルバムでバージョンが違うんですけど
個人的にはコンパクトで聴きやすい分シングルバージョンのが好きかな、って思います。
が、アルバムの思いっきり長いのもそれはそれで聴き応えがあって好きだったり。
要はどっちにもそれぞれの良さがありますよ、と。


○でも、×でもない、△。
良くも悪くもない、△。
要は中途半端な存在だという事。でもそれは逆に言えば○になる要素も持ってるし
×になって終わってしまう可能性もあるし、って事でもある。
ある意味もがいてる証拠でもある訳です。
決して良くはない、だけど悪くもない。だったらもっと尖って別の方向に行ってしまえ、と。
エレカシ風に言うと「満たされないまま 引きずり回して歩け」みたいな・・・。

適材適所と言う言葉はあるけれど
どこにも染まれない人間だったり、馴染まない外れ者みたいな存在の人間はいて
それは有り体に言えば気にされない存在、って事でもある。
賞賛もなく
否定もなく
どこへ行けばいいかも分からないような人間、△。
そんな存在・・・というか吉村秀樹自体の事を歌ってるのかもしれないですけど
だからこそ思いっきり進め、何でもやってやれと。
そんな出来損なった存在へ向けてのメッセージソング、って解釈で自分はこの曲を聴いてて。
「△よススメ!」って歌われると、ちょっとやる気が出てくるというか、奮い立たせてくれる力
みたいなものを感じると言いますか。
決してそのままの君で~的な事は一切歌ってないのも良いですね。尖っちまえ、と。



誰からも好かれる存在でもなければ
誰からも嫌われるような分かりやすい存在でもない。望みだって薄い。
でも、それでも、苦しんで、あがいて、何かを見つけるって事の重要さ。
イノセント感溢れる演奏と歌声がより一層そういう気持ちを引き立ててくれます。
△のまま進んでしまえ
やっちまえ、と。




応援歌シリーズその7 ノーヒット ノーラン/BUMP OF CHICKEN

2011-03-15 09:38:56 | 音楽(テーマシリーズ)




応援歌シリーズその7です。今回はBUMP OF CHICKENの「ノーヒット ノーラン」です。




ノーヒット ノーラン          ミニアルバム「FLAME VEIN」収録





バンプオブチキンだと色々励まされましたって曲はあると思うんですが
敢えて自分が一番初めに聴いたこの曲を挙げたいと思います。
当然NHK-FMからの選曲で。
まだ彼らの知名度がそこまで知られてない時ですが、あの番組ではその当時からプッシュ対象でした。
お陰で自分も早い内から知れてた訳ですが
実を言うと初聴きの段階ではそこまで好きじゃなかったというか、というより「よく分からない」ってのが先で。
恐らく物語調の歌詞や独特の楽曲構成が当時の自分にとっては新しかったんじゃないかと思いますけど。
ある意味凄く革新的なバンドだった訳ですね、その当時のバンドリスナーにとってバンプオブチキンっていうのは。
馴染んでからはそりゃもう凄い勢いで好きになっていったさ。

自分は一発で好きになれる曲も良いと思いますが、ジワジワ来る曲も同等に良いと思ってて
それはこういう曲を思春期に聴いていたから、っていうのもあるかもしれません。
急に自分の中でカチッとはまる気持ち良さ、っていうか。
それも本当に唐突に好きになったりしますからね。だから少しでも変だな、って思ったら注意が必要です。


「願わくば怯える自分に逃げ場を与えてあげたい
 願わくば誇れる自分と名誉とライトが欲しい」

昔はもっと純粋に生きれてた筈が、年を取る事に考える事も多くなって
変に期待されては何も出来ない自分が居て
人の視線に怯える自分が居て。
そんな状況に耐えられないと。だから逃げたいんだけど、栄光は欲しいっていう。
それは単なるわがままであり、矛盾と言えば矛盾なんですけど
逆に言えばそこまで怯えて、逃げたいって思ってるのにまだどっかで自分の可能性を信じてる部分がある
それこそが突破口になるんじゃないのか、っていう。
それを信じよう、っていう。

「この手よ今は震えないで
 この足よちゃんとボクを支えて
 白いライトあてられて怯えないように」

そう考えると一種の自己暗示に近い曲っていうか、それそのものっていうか。
もっと簡単に言うと自分にとっての「お守り」のような曲という感じで。
無作為に期待されるのに怯えつつも
自分でも自分自身に心のどっかで期待している、やってくれると思ってる部分はあって
それを頼りにしていけばまたその無作為な期待にも応えられるようになる。
一曲って単位の中で密度の濃い自問自答があって
その末に導き出した答えはこれ以上ないくらい清々しい。そんな楽曲の構成が兎角気持ち良い曲ですね。


またこの曲ギターのフレーズの気持ちよさだとか、イントロの清廉な感じだとか
淡々としてたと思ったら熱を帯びてくバンド演奏だとか、音的な部分でも色々と素晴らしい曲で
洗練された部分と粗い部分が同時に鳴ってるような感じが個人的にとても好きです。
達観も開き直りもないというか。
この頃からアレンジ力は高かったんですね。と今聴いて思います。だからサウンド的にも十分楽しめるかと。
ちょっとオルタナ的な匂いもするし。




バンプオブチキンだと他にも良い曲はいっぱいあるし
例えばアルバムで聴いた「HAPPY」なんかも最近励まされつつあるんですが
敢えて自分の中のバンプ初期衝動的な選曲で。
初めてのインパクトってのは後に引きずるもので未だに5指に入るくらい好きな曲です。素敵な曲です。