日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

イタリアブックフェア2019の「Bologna Children's Book Fair 小さな絵本屋の 大きな挑戦」に行き 市口桂子先生に初めてお会いしました(2019.3.23)@イタリア文化会館

2019年03月28日 | イタリアの本・絵本・雑誌
イタリアブックフェア2019の「Bologna Children's Book Fair 小さな絵本屋の 大きな挑戦」に行き 市口桂子先生に初めてお会いしました(2019.3.23)@イタリア文化会館


この日は初めて ボローニャ在住の漫画家・著述家 市口桂子先生にお会いしました! NHKイタリア語テキストに漫画を連載されてらした頃から ずうっと読んでおりました(#^.^#)

3/24は日曜で 2日目なので 少しは落ち着いてあれこれ本を探しました 
初日のライブペインティングのイベントに続き「Bologna Children's Book Fair 小さな絵本屋の 大きな挑戦」を聞きに行きました♪ 
上の写真の絵が 第2部「火星に行った3人の宇宙飛行士」のイラストですね!
トークは1時間半の予定が話し足りずに2時間半!!
いえいえボローニャからわざわざ来てくださった市口桂子先生のお話が聞けるんなら 何時間でも(#^.^#)

トークのあとで早速「ボローニャ・ブックフェア物語 絵本の町ができるまで」(白水社)を買って 
可愛い自画像入りのサインをしていただき 初対面ですが気さくに色々お話させていただいたり 写真も撮りました♡
この本は 絵本作家を そしてボローニャブックフェアを目指す方たちのまさにバイブルで そんな方たちが沢山聞きに来てらしたのです

      *      *      *

1964年からボローニャで開催されている「Bologna Children’s Book Fair」の成り立ちの秘話やその特徴をじっくりとご紹介いただきました
なぜ児童書になったのか 誰がどのように始めたのか 場所はどのようにして選ばれたのか そして
何人の専属スタッフでこの巨大イベント(来場者15万人、4日間)を運営しているのか?
いやこれは驚きの 専属スタッフわずか3名!! ←私ってば すごい大きな数字を答えてしまいました~(*ノωノ) 

また ニジノ絵本屋さんが 今年のブックフェアでの公開カンファレンス「International children’s Booksellers Conference」にパネラーとして登壇されるにいたったいきさつ
出会いのきっかけ… ボローニャに向かう飛行機でこの市口先生の本を読んでいたら 着いたボローニャでのイベントで なんとその市口先生のお隣に座ったという偶然!
人生は偶然でできているのね…と他のエピソード「絵本で世界に行く!」と話したことがきっかけでの大きな出会い等を聞きながら感じました 

でも 私事ですが自分にとっても 今引き受けている任務や自分のチャレンジともかかわるとても大きなテーマですので 今年のイタリアブックフェアで 
まさにこのボローニャブックフェアがテーマとなるのは 偶然かもしれないけど まさに運命よね!(^^)!

ボローニャブックフェアの最初の会場となったのが ポデスタ宮殿エンツォ宮殿(Palazzo del Podesta e Palazzo di Enzo)
13世紀 ドイツ皇帝派と法王派が争っていた時代 皇帝の庶子エンツォを捕虜として エンツォが死ぬまで23年間 幽閉していたところですが 
この方にまつわる都市伝説とか… ネプチューンの泉の建設にまつわる 権威に負けないボローニャっ子魂を表すすごいエピソード等 目からうろこでした( ゚Д゚) 

ローマ時代に作られたエミリア街道はボローニャを通過し 今でも人気の観光都市にだいたい日帰りで行けることから ボローニャで見本市が発達したのではないかとの考察 
絹産業も発達しており 小ヴェネツィアとも呼ばれていますね ルッカから逃げてきた技術者をかくまった歴史もあります

またボローニャ大学の有名な解剖の間 テアトロ・アナトミコ(teatro anatomico) についてや
教会から禁じられていた解剖を 実は秘かに行っていたこと
ダンテ ペトラルカ コペルニクスも学んでいたこの大学には 数千もの様々な家紋がたくさん残されていること 

ポルティコ(柱廊
)が実は 増え続ける学生たちの住居対策から生まれたもので 下は公道 上は建て増しというアーケードですが 
やがて街のシンボルとなり 2021年の世界遺産を目指しているとのこと 

ちなみに ボローニャが2021年に世界遺産登録を目指しているとのニュースは こちら 

建築家の丹下健三氏が 見本市会場の塔となる建物をデザインしたこと ザニケッリ(Zanichelli)書店のトップのエピソード
カッペッリ(Cappelli)という古い書店にまつわるエピソード 
政治色の全く異なるトップ同士が 小さな街の中に住んでいたのですね  ムッソリーニがボローニャの近くの出身とは知らなんだ…

またブックフェア50周年記念式典に会した3名の創始者たちの 実に貴重なエピソードも伺いました
最初はおもちゃの見本市の案だったのですが 児童書はいける! とフランクフルトのブックフェアを視察してひらめいたとのこと 
ボローニャでは組織を飛ばして 個人的つながりで事が動くことが多いのだそうですがイタリアらしいですね

ブックフェアは版権売買が盛んに行われ 各国の出版社が来年出す本を決めにこの4日間に集中するため 
入場料も 一般の人が入りにくい金額に設定してあるそうです 
行く時はまず フライトチケットとホテル確保が先決です!! 人口38万の街に 15万人が訪れるのだものね…

昔は街の小学生たちが見学した時代 子供達が審査員をした時代もあったそうですが 今は18才以下は入れません 
日本人の入選者も最近増えてきましたね 私も毎年板橋区立美術館の「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」で必ずDVD見ていますんで 審査の様子もインタビューもよくわかります♡
 
審査員5名は毎年変わりますが 優劣つけるコンクールではないのですね 入賞のみでランキングもありません 
ノンフィクション(図鑑など)と フィクション(絵本)に分かれています
自分達のアピールする紙を貼るスペースも ぎっしりと埋め尽くされ そこから出版話が生まれることもあるそうです 
無料で入賞作品のコピーを見られる展示もあり 会場の外でも街全体がブックフェアイベント会場という感じなのですね 
これについて詳しくは 「ボローニャ・ブックフェア物語 絵本の町ができるまで」の本に書かれています お話を聞いたあとで読むと とってもよくわかりました!

次に ニジノ絵本屋さんの紹介と 今年のチャレンジをご紹介いただきました 2016年から3年連続でボローニャに行っています
なんと2017年にはEatalyで読みきかせをしたり プローディ元首相が聞きに来たこともあったそうで スゴイですね!!
絵本とケーキのティーパーティー 読みきかせと食のコラボ 絵本と紙芝居のライブ等々… 本の出版だけでなく イベントも盛んです
「絵本が他人事の人にも 絵本の魅力を伝えたい」 これがミッションとのことです 

さていよいよイタリアの出版事情について 私はこれが聞きたかったので時間超過問題なし(笑)

版権が高額なことから 今は独立系の「ひとり出版社」が増えていること 時代ですね…
取次さんの取り分が高く 大手以外はなかなか苦しいこと また作家も日本より難しく フランスやベルギーがまだ出版事情がよいこと 
これはイタリア文化会館にいらしたイタリア人絵本作家のイベントでも聞きました フランスでデビューされたのですね 

ちなみに世界の漫画のカタログを 英語・イタリア語で初めて出したのが このボローニャ・ブックフェアだったとのこと 
フランスの漫画と絵本も見せていただきましたが 似ていますね~ 判別がつきづらいです 
漫画の画風が 緻密で細かくて 芸術性に優れています 日本の量産漫画とは違うのですね
フランスでは暴力シーン等はないそうで 子ども向け漫画が主流です 

イタリアの漫画はサイズが小さく キオスクで売っています
ナウシカも2話分が大きめサイズで出ていますが 日本とくらべて薄いですね

イタリアの漫画は グラフィックノベルというジャンルがメインで 漫画は子どもと男性のものととらえられています 
さらには今 ゲームと携帯(スマホ)に押されて 本を読まなくなってきており (日本でも…)  本にお金を出せる大人がターゲットとなっているとのこと
また 中・高生の読めるようなものが 今 不足しているそうです 

このあと初めて市口桂子先生にサインをいただきながら 自己紹介等させていただき 世の中狭いな~と感じた次第です(#^.^#)
私も漫画をずっと描いてきたのでよくわかるし 何というか初めてお会いした気がしないんですよね~(*ノωノ)
 
 ← 本を手に市口先生と♡

イタリアブックフェア2019は こちら (2019.3.23~30)

素晴らしいイベントを開催してくださいましたイタリア文化会館様に 心よりお礼申し上げます
毎年実に貴重な出会いがあり それぞれの年が皆 思い出深いものとなっています 



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