世界イタリア料理週間最終日にドキュメンタリー映画「グアルティエロ・マルケージ イタリア料理界の巨匠(Gualtiero Marchesi - The great Italian)」を見ました(2018.11.26)@イタリア文化会館
世界イタリア料理週間の最終日を飾るのは ドキュメンタリー映画「グアルティエロ・マルケージ イタリア料理界の巨匠」上映会でした!!
伝統的なイタリア料理に変革をもたらし 「ヌオーヴァ・クチーナ・イタリアーナ」 (新イタリア料理)の礎を築いた グアルティエロ・マルケージ(1930-2017)のドキュメンタリーです
1970年代にミラノにレストランをオープンし 1985年にイタリアで初めてミシュラン3つ星を獲得したマルケージは 伝統的な料理を洗練されたモダン・イタリア料理へと変え 世界レベルに押し上げました
ミラノ ヴェネツィア トリエステ フィレンツェ等のゆかりの地を巡り 「黄金のリゾット」など代表的な料理を取り上げつつ 本人とイタリアやフランスの関係者の証言を交えて その料理哲学や人物像を描いたドキュメンタリー映画です
音楽は チェリストで作曲家のジョヴァンニ・ソッリマのオリジナル作品で 映像に彩りを加えています
* * *
アニェッリホールには料理界の重鎮が続々と!! 何も知らずに前の方の列に座ったら すぐそばにあの有名なH先生が... そしてこの日はイタリア文化会館館長 イタリア大使 マルケージ財団のトップ等関係者も大勢いらしてました
また映画では かのM.ボットゥーラ カルロ・ペトリーニ・スローフード協会会長 吉兆の徳岡料理長等々... すごいメンバーが登場しており驚きました
グァルティエロ・マルケージは このドキュメンタリー映画の中に生きている...そう思いました
* * *
イタリア料理界の巨匠 Gualtiero Marchesi グァルティエロ・マルケージ
1977年に最初に出したミラノのレストランは オープン1年以内にミシュランの星を取り その後 1986年にイタリアで初めてミシュラン三ツ星を獲得するも 2008年には星を返還して話題になった
それは自由に表現することを選んだからという
ミラノ ナヴィリオ運河を歩くマルケージ 彼の家族は祖母の代から音楽一家でもあり 音楽も彼の料理に影響を与えた
1981年 金箔とサフランのリゾットを考案
ひと皿を総合料理として変化させた
トリエステ Illyのトップと談笑 抽出の仕方にこだわるとの話
38才でフランスに行き パリのルドワイヤン ディジョンのル・シャポールージュ
ロアンヌのトロワグロ等のフランスの名店でも働き イタリア料理を洗練された一皿に変えた
フランスの偉大なシェフ ポール・ボキューズが「イタリアのシェフ達が
自国の産物とレシピの素晴らしさに気づいた時 フランス料理は衰退するだろう」と言ったこと
彼は 高級料理に切り込んだ革命家でもあった
1983年 イカ墨のリゾットを考案 黒いソースに白いイカをのせる
まずは素材を感じるべきだ と考えるマルケージは次に 日本に向かった
洞爺湖のレストランで働くイタリア人シェフ 吉兆の徳岡料理長の盛りつけの技
日本の料理人の緻密な心遣いに感嘆したというマルケージ
アートの鑑賞の時も 料理に照らして鑑賞するという
現代的感覚ですべてをろ過して 未来に持ち込んでゆくというマルケージ
絵筆で皿に色づけた ひと皿...
2004年に まるでカンバスの絵のような「ドリッピング」を考案
フランス料理はソースが8割だが 世界のベストレストラン50のトップはイタリア人シェフマッシモ・ボットゥーラが獲得した
スローフード協会カルロ・ペトリーニは 若者の畑(orto)への回帰を説く
キャビアの指輪を披露するマルケージ
1977年にミラノに店を開いた時 モダンなイタリアンは酷評だったという そのことを弟子が振り返る それはあとに続く自分達を守るための避雷針だったのだと
そして できることからやる それが不可能を可能にする とのモットー
北イタリア・ブラの食科学大学 そこの生徒がエピソードを語った
「ラビオリがうまく閉じないのです...」と言うと マルケージは良いアイデアの感謝を述べたという
そして考案された「開いたラビオリ」
伸ばしたラビオリの中に葉っぱがあって 透けてみえるラビオリの生地を 具の上にそっと乗せる...
2008年 イタリア史上初のミシュランの星の返上 彼は故郷に戻り マルケージ財団la Fondazione Gualtiero Marchesiを設立 こうして彼の偉業は次世代へと受け継がれてゆく...
ラストのエンディングテーマにのせて マルケージ氏の人形のCGアニメがとてもかわいくて
忘れられないですね... マルケージ氏は2017年12月にこの世を去られました
彼の夢は イタリア料理は世界一であるとを名言する(affermare)ことだったそうです
2019年3月18,19日 世界各地を巡ったこの映画会のワールド・ツアーのグランドフィナーレが
ミラノで行われるとのこと
満席のアニェッリホールは 大きな暖かい拍手で包まれました...
* * *
そして外にでてびっくり!! 少なくとも私の今まで見たことのない光景が...
イタリア文化会館前に 次々とマセラティが横付けになったのです(^^)/
← マセラティのライト
この夜 世界イタリア料理週間ラストを飾る映画会場にみえたVIPの送迎車なのでした
すっごい...こんなシーンに出合えるなんて イタリア文化会館はすごいところですね
(今までにもあったのかもしれませんが 私は見たの初めてでした)
← 次々とマセラティが!
この日は 午前中のパニーノ・ジュストのセミナーのあと 「イタリアの小さな村へ アルベルゴ・ディフーゾのおもてなし」(新潮社)という本を買って
また前日にドイツ語ボキャブラリーコンテストに優勝したご褒美に♡ 今までずうっと時間がなくて借りられずにいた「イタリア文化辞典」(丸善出版)をとうとう借りて 図書館で読みました!!
発行されてから何年も待った甲斐があって(?) 内容はもう知ってるものが増えたこと増えたこと(笑)
↑ 写真展 プロセッコ・スーペリオーレの故郷
最後にもう一度 名残惜しいプロセッコ・スーペリオーレの故郷
の写真展を観てから 帰りました...
映画「グアルティエロ・マルケージ イタリア料理界の巨匠」は こちら
* 世界イタリア料理週間を開催してくださいましたイタリア文化会館様 関係者の皆様に
心よりお礼申し上げます
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