日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

2017年に登録されたドイツの世界遺産: 「シュヴァーベン・ジュラにおける洞窟群と氷河時代の芸術」他&ウィーンは危機遺産に!@2017年7月第41回世界遺産委員会

2018年03月25日 | 各国の世界遺産・せかけん

2017年に登録されたドイツの世界遺産: 「シュヴァーベン・ジュラにおける洞窟群と氷河時代の芸術(Caves and Ice Age Art in the Swabian Jura)」他&ウィーンは危機遺産入り!@2017年7月第41回世界遺産委員会



2017年7月2日(日)~12日(水)までポーランドのクラクフで開催された第41回世界遺産委員会で 新しく 自然遺産 3件 文化遺産 18件 複合遺産 0件 合計 21件の世界遺産が登録されました

というわけで 世界遺産の件数は、自然遺産 206件 文化遺産 832件 複合遺産 35件 合計 1073件になりました(1052件から21件増えました)

ドイツでは:
シュヴァーベン・ジュラにおける洞窟群と氷河時代の芸術(Caves and Ice Age Art in the Swabian Jura)」が登録され42件となりました

構成資産はバーデン=ヴュルテンベルク州の2つの河谷の洞窟群で ホーレ・フェルスのヴィーナス ライオンマンなどの彫像や道具類が発見されています
ICOMOSは文化的伝統の優れた例証として登録を勧告しました

約43000年前の最終氷期にヨーロッパに到達した初期人類が築いたオーリニャック文化の洞窟群を中心とした遺跡で、アッシュバレーとローンリバーの6つの洞窟群で構成されています
動物の骨や牙から作られた人形や楽器・装飾品・宗教用具などが多数出土しており、初期人類の生活の様子をいまに伝えています 
ドイツ、文化遺産(iii)
 
In der Schwäbischen Alb wurden die ältesten Kunstobjekte der Menschheit gefunden. Jetzt sind die Eishöhlen(氷の洞窟) bei Ulm Welterbe!

詳しくは こちら 

シュヴェービッシェ・ユラ山地の氷河時代の6つの洞窟と彫刻作品群が、ドイツの42番目のユネスコ世界遺産として先月登録されました。
ウルムの西15㎞のアハ渓谷と東北20㎞のローネ渓谷にあり、人類最古の芸術作品が50点余り発掘されました。象牙や骨のマンモス、ライオン人間やビーナスと名付けられた彫刻、8本の笛など4万年前に人類が創った最古の芸術品です。 (ドイツ観光局より)

ドイツ観光局の「ユネスコ世界遺産」は こちら


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ヴァイマル、デッサウおよびベルナウのバウハウスとその関連遺産群(「ヴァイマルとデッサウのバウハウスとその関連遺産群」の拡大(The Bauhaus and its sites in Weimar, Dessau and Bernau [extension to “Bauhaus and its Sites in Weimar and Dessau”, (ii)(iv)(vi), 1996))(ドイツ)は 承認されました

バウハウスの関連遺産のうち デッサウの5件 ベルナウ(ベルナウ・バイ・ベルリン)の1件の構成資産を追加する申請です 
ドイツ、文化遺産(ii)(iv)(vi)

1996年に登録された「ワイマールとデッサウのバウハウスとその関連遺産群」の拡大

近代建築の四大巨匠のひとり ヴァルター・グロピウスが設計したワイマールとデッサウのバウハウスに、後継者ハンネス・マイヤーが設計したデッサウのバルコニー・アクセス・ハウスやベルナウのADGB労働組合学校が追加されました

詳しくは こちら

   *      *      *

カルパチア山地とヨーロッパ他地域のブナ原生林(範囲変更)
Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe
アルバニア/イタリア/ウクライナ/オーストリア/クロアチア/スペイン/スロバキア/スロベニア/ドイツ/ブルガリア/ベルギー/ルーマニア共通、自然遺産(ix)

2007年にウクライナ/スロバキアの世界遺産として登録され、2011年にドイツに拡大されて「カルパチア山地のブナ原生林とドイツの古代ブナ林」となりました

今回はさらに12か国に拡大するもので、もっとも多くの国にまたがる世界遺産となりました
最終氷期以降に広がったブナ林を登録するものですが、ヨーロッパのブナ林のほとんどは伐採されており、数少ない生育地となっています

これはドイツは2011年に範囲拡大で登録されたので 新規登録に数えられません なので新規は1つでしたネ! (一年に2つまで申請可能) ←2018年からは上限が1件となりました

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ナウムブルク大聖堂とザーレ・ウンシュトルトの中世盛期の文化的景観/Naumburg Cathedral and the High Medieval Cultural Landscape of the Rivers Saale and Unstrut」(ドイツ)は 不登録

「ナウムブルクの大聖堂と関連する文化的景観」は 第39回世界遺産委員会でICOMOSから不登録勧告を受けたものの 審議では1段階上の「登録延期」決議となりました
今回の推薦では ドイツ当局は構成資産を11件から3件に絞り込むなどの修正を施したのですが ICOMOSは再び「不登録」を勧告しました

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中部ドイツのルター関連史跡群(「アイスレーベンとヴィッテンベルクにあるルター記念建造物群」の拡大)」(ドイツ)は 不承認でした

Luther Sites in Central Germany [extension to “Luther Memorials in Eisleben and Wittenberg”, (iv)(vi), 1996]

アイスレーベンとヴィッテンベルクの2都市6件の構成資産だったものを トルガウ コーブルク エアフルトを加えた5都市18件の構成資産へと拡大する申請でしたが ICOMOSからは価値の強化につながるものではないとして「不承認」を勧告された上 世界遺産センターからは バウハウス関連遺産同様 上限を超えていると指摘されました

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ウィーン歴史地区」が「危機遺産リスト」入り ← ショック!!!

ウィーンが危機遺産に
: 都市の再開発による高層建築が景観を損ねる懸念から、2017年の第41回世界遺産委員会で危機遺産リストに登録されてしまいました

ウィーン歴史地区(オーストリア、2001年、文化遺産(ii)(iv)(vi))

オーストリアや神聖ローマ帝国の首都として繁栄した帝都ウィーン。ウィーンでは現在、高層ビルの建設計画をはじめとする再開発計画が進められており、特にアイスステート・リンクやホテルを含んだ複合ビルがこれまでの高さ制限を超えることから、歴史的都市景観に悪影響を与えるということで危機遺産リストに加えられた。

このニュースは こちら

2009年に 市民の利便性のためのエルベ川の橋(Waldschlößchenbrücke)の建設でもって 世界遺産リストから抹消された「ドレスデン・エルベ渓谷 (Dresdner Elbtal)」のようにならないことを祈ります... 最近買ってきた世界遺産検定2級過去問2017年度版には 「ウィーンの歴史地区は2017年危機遺産登録」と書かれてあり マークも暗い色で胸にずしりときます 若い時にも そして新婚旅行でも行ったのです...

ドイツ語作文「世界遺産とツーリズム - ドレスデンの例から -」は こちら

TBS「世界遺産」の「ウィーン歴史地区」(2018.2.25放映)は こちら

この番組によると 城壁を壊してリンクシュトラーセを造るなど 「変化しながら進化し続けてきた都市ウィーン」は 高層ビル計画を撤回するつもりはないとのこと
 
ケルン大聖堂は一方 危機遺産を脱した経緯があります 1996年に世界遺産に登録され 周辺の高層建築計画による景観破壊で2004年に危機遺産となりますが 高さ規制等のケルン市当局の懸命な努力でもって 2006年には解除されたのですね 今回もウィーンが同様の理由(景観破壊)で危機遺産となってしまいましたが こんな風にして解除とならないだろうか...と思ってしまいますね


2017年新登録の世界遺産」は こちら

* Foto: „Thilo Parg / Wikimedia Commons“
Original Venus vom Hohlefels, Mammut-Elfenbein, Aurignacien, Alter ca. 35-40.000 Jahre



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