日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

いたばしボローニャ国際絵本原画展初日に行きセミナー「ボローニャ発世界へ:国際絵本原画展の50年」を聞いてきました(2016.7.2)@板橋区立美術館

2016年07月03日 | イタリアの本・絵本・雑誌
いたばしボローニャ国際絵本原画展初日に行きセミナー「ボローニャ発世界へ:国際絵本原画展の50年」を聞いてきました(2016.7.2)@板橋区立美術館



渋谷のイタリア語レッスンのあと 早速初日に行ってきましたボローニャ国際絵本原画展!!
成増からの増17のバスの本数が少ないため 今年は赤02のバスにして 坂道を散策しながら板橋区立美術館に向かいました
 
まず最初に特別展示「ボローニャ展50年の歩み」の 50枚のパネルを見ました
第1回は1967年 作家91名(日本人1名) 14カ国から始まりました
この時の日本人は松原直子さんの「竹取物語」の版画 彼女は版画家宗像志功のお弟子さんだった方で 以来ボローニャブックフェアでは日本からのエントリーは絶えることがなかったそうです

今年2016年は50回目にあたり 3,191名 61カ国 入賞77名(うち日本人10組)でした

ビデオでの審査員の言葉「ただきれいなイラストというだけではダメで 物語を語る力を持っていないといけない」 また「自分の国(ドイツ)では読者はつかないだろうなぁと思う絵でも 自分の純粋な好みで選ぶことのできる場」が印象に残りましたが このあとのセミナーで審査員をどう選ぶかについても伺い なるほどと思いました

    *       *        *
セミナーはイタリア人のエレナ・パゾーリ(ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア プロジェクト・マネージャー)の 「ボローニャ発世界へ:国際絵本原画展の50年」とあって楽しみにしていました 

会場には今年のブックフェアで入選された方や昨年入選された方の姿もあり だんだんと「集いの場」になっていることが伺えました ←初日ならでは(^^♪

講師のエレナ・パゾーリ氏は12年前に初来日され 通訳の森泉さんはローマ在住でコーディネーター この原画展で毎年放映されるボローニャ展のビデオも編集されていらっしゃいます

エレナさんによると 児童書専門の見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」は 絵本に携わるさまざまなプロの人たちが集まる「炉(fucina)」のようなところ イラストレーター 編集者 出版社 翻訳者 そしてこの頃では児童向けアニメやコンテンツ制作会社 子供服のメーカーまでもが集い 著作権の売買が行われたり 児童書の新たな企画を生み出す場として 世界中から多くのプロフェッショナルが集まります

絵本作家の三浦太郎氏が初入選された時のパネルも見たのですが 彼は今年の審査員(giuria)で 同じ審査員の中に 彼の作品を見出してくださった方が偶然入られたそう 十数年たって同じ立ち位置で再会できた不思議な縁を感じました これぞ「ボローニャ・マジック(magica di Bologna)」だそうです(*^^*)

審査は1,5万もの海のように広がる膨大な数の原画を一か所に並べて3日間にわたり行われます 
今はデジタルデータをメールで送って審査員が審査する方法が増えた中にあって 審査員5名が一同に会し 3日間にわたって『オリジナルの原画』を審査する方法を取っており 初日は誰もが納得する作品が選ばれ ここまでは皆平静だそうですが(夕食も時間通り) 翌日そして最終日になるにつれて審査員の地が出てきて激論が飛び交い 夕食の時間がどんどん遅れるそうです(笑) また 敗者復活もあるそうです(ビデオでも紹介されていました)

審査員はどう選ばれるのか という興味深いお話も伺うことができました
イラストレーターも 趣の全く違う人が選ばれ その他にイラストを教えている教師 これは若い粗削りな新人を見る目や どうアドバイスをして育ててゆくかがわかるから そして編集者 絵として素晴らしいだけではなく これが絵本として出版できるかどうか 実際に本を作る力のある人かどうかを見極められるからだそうです 
 

そしてフェア期間中には「講評会」も行われ 入選の理由や作家へのアドバイス等も直接いただけるとのこと
また目立つ場所にできた「イラストレーターの壁」も 作家のポスターや名刺などが所狭しと貼られていますが 自然発生的に出現し定着していったそうで「フレキシブル」なフェアであることを物語っていますね!

1978年からは日本とのコラボが始まりました これによりビジネスの面だけではなく 文化的な側面からも見られるようになったとのこと 

入選すると年報(annual)に掲載され 世界巡回展に参加され 最近では子供服関係とのコラボも始まり その他さまざまなメリットがあります (HPをチェック!)

その中である作家の「落ちても毎年応募することは大切で なぜ落ちたのか考えるきっかけにもなり 学ぶためのひとつのステップとして精進できる」との言葉が印象に残りました チャレンジは大切ですね~

セミナー終了後は講師を囲んでの歓談の場が設けられました(*^^*)

その足で再び展示作品やビデオを見たら 先ほどの話に出てきた作家や作品があり とてもよくわかりました!!

来年のボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアは 2017年4月3日(月)~6(木)の開催だそうです


いたばしボローニャ絵本原画展(2016.7.2~8.14)のお知らせは こちら




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