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2014年東大理Ⅲ合格者ランキングについて思うこと

2014-05-06 16:58:27 | 受験・学歴

今年度の東大理Ⅲ(医学部進学過程)の合格者数の高校ランキングは次の通りである(ソースは『サンデー毎日』他)。

 

1. 灘 12人

2. 筑波大付駒場 11人

3. 開成 8人

4. 桜蔭 6人

4. 洛南 6人

6. 聖光学院 4人

6. 鹿児島ラサール 4人

8. 東海 3人

9. 札幌南 2人

9. 筑波大付 2人

9. 麻布 2人

9. 早稲田 2人

9. 駒場東邦 2人

9. 栄光 2人

9. 新潟 2人

 

以上が理Ⅲに2人以上合格の高校である。

東大理科Ⅲ類は偏差値、難易度ともに日本一の難関である。

そこで毎年、中高一貫の超名門進学校が合格者ランキングの上位を占める。

その御三家は灘と開成と筑波大付駒場であるが、一位はずっと灘である。

去年は27人という驚異的な合格者を出した灘だが、今年は12人と平凡な一位であり、二位の筑駒の11人に肉薄された。

一つ間違えば、筑駒に負けていたのだ。

開成は東大合格者数ではずっとトップだが、理Ⅲは率的にちょっと落ちるね。

とにかく、筑駒恐るべしだね。

一説によると筑駒のほうが灘よりも偏差値と学力が上だという。

開成は生徒数が灘と筑駒の二倍(400人)なので東大合格者総数は多いけど、粒がそろっていて平均値が全国ダントツなのは灘と筑駒だな。

これら三校に次いで6人の合格者を出している桜蔭(女子の医学部進学校)と洛南(京都一の進学校で開成並)もすごいね。

洛南は京大合格者総数一位、京大医医合格者数二位だから西の開成と言っていいだろう。

この洛南を初めとして、ラサール、東海、札幌南、新潟がベスト10に入っているところが、東大(理Ⅲ)の人気が全国区であることを示しているね。

京大や阪大や東北大や九大の医学部では地元率が高いからね。

京大ですらそうであり、首都圏の進学校からはあまり行かないね。

このように全国トップレベルの秀才中の秀才が集まる東大理Ⅲだが、実は問題を抱えている。

それは、本当に医学に興味があって、あるいは優れた医者ないし医学者になりたくて、全国の医学部の頂点たる東大医学部の進学過程たる理Ⅲに入るのではなくて、

単に偏差値が超トップだから、それを確認したくて理Ⅲに合格し入学する、という傾向である。

これは全受験生と全合格者の八割におよぶ傾向らしく、真の医学志向の者は二割にとどまる、と言うのだ。

理系受験の最上層で数学や物理の偏差値が最も高いのは医学部であり、その中でも東大理Ⅲはずば抜けている。

しかし、医学部に入ると数学と物理はほとんど使わない。

受験科目では生物と化学と英語が入学後最も活かされることになる。

数学や物理が得意な者は理Ⅰ(工学部と理学部)、あるいは京大の理か工に入るべきなのである。

全くもったいない話だ。

三浪で日大医学部卒の天野篤(順天堂大)教授と東大医学部心臓血管外科の教授じゃ、前者の方が優れた医者(外科医学者)であることが分かってしまったのは二年前だが、

知ってる人はずっと前から医者の腕、特に外科医の腕が偏差値と関係ないことは知っていたよ。

また、基礎医学の研究でも東大が京大に負けているのは、もともとある官僚志向、権力志向のせいだろうね。

 

 

 

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