前の記事で紹介した『ヒミツの東京六大学』では各大学の学部間のヒエラルキーを論じてる。
その中で東京大学における学部間のヒエラルキーは次のように規定されている。
1位 法学部
2位 医学部
3位 経済学部
4位 薬学部
5位 理学部
6位 工学部
7位 文学部
8位 農学部
9位 教養学部
10位 教育学部
これが東京大学における学部間のカーストである。
偏差値的ないし入試難易度的には1位が医学部なのは誰もが知っている。
しかし、実際に東京大学内で一番威張れるのは法学部なのである。
これは、東大がもともと官僚養成に力を入れていたことの名残である。
法学部は中央官僚や法曹関係や政治家になるものが多く、大学教授や大企業の幹部になるものもきわめて多い。
まさに就職の王様である。
また、法学部に進む文科Ⅰ類は文科系では日本一の偏差値・難易度を誇り、理系を含めても東大内で理科Ⅲ類(医学部進学過程)に次いでいる。
ということで、理Ⅲ(医学部)を凌いで文Ⅰ(法学部)が学部間階層の頂点に立っているのである。
その他を見ると、理学部と工学部が経済学部と薬学部より下なのは驚きである。
7位以下がこうなのは納得するが、理と工ってこんなに低く見られる大学なのか、と思ってしまう。
これは京大や東北大と対照的な傾向である。
京大や東北大や名大では理学部が大学の頂点に立っている。
もともと旧帝大は理、工、医を中心とした理系大学であった。
法学部に関しては、旧帝では東大がダントツで、他は看板じゃないけどさすが旧帝って程度で、むしろ中央法とか早稲田法(政経も)などの私立が看板化していた。
理や工よりも法や経済が優位に立ち、医よりも法が看板だというところに東大の伝統的権威主義、官僚志向が表れているように思われる。
ちなみに、問題の多い(株)東京電力も会長・社長は初期以外、ほとんど東大の法と経済出身の人である(その他、慶應経済、京大経済とか)。
京大では理と文が看板で、(株)関西電力のトップは京大工出身が就くことが多いんだけどね。
もともと学問の中で最も頭を使うのは、数学と物理学と哲学であって、平均IQも高い。
それに対して医学や法学は就職偏差値から転じて入試の偏差値が激高なのであって、本当に難しい問題を考えるための地頭はあまりよくないんだよね。
その意味で、東大の中で隠れた天才ないし京大的天才がいるのは教養学部かもしれない。
まぁ、件の本の記事を鵜呑みにする必要はないし、このヒエラルキーは一つの指標にすぎないけど。
受験生(大学院や編入も含めて)にとっては参考程度にはなるであろう。