■間が開いてしまいましたが、其の壱からの続きです。別の話題に引き摺られて書きかけのまま時間が経ってしまったのですが、気になる出来事を知ったので続けることに致しました。先にその10月10日の小さな出来事の話。
世界的な金融危機の最中、テレビ朝日が「大和証券が破たん」と誤って報じた。2008年10月10日夕方の「スーパーJチャンネル」で、与謝野馨・経済財政担当相談話の字幕に、経営破たんした生命保険の「大和(やまと)生命」と誤って「大和証券」と報じた。テレビ朝日は、同番組内であわてて「番組からのお詫び」を放送。さらに、同日の「報道STATION」でも、女子アナが正誤表を使って訂正するとともに謝罪した。
■以前にもテレビ朝日の「漢字変換ミス」については取り上げましたが、このような致命的なミスは別としても同局のテロップを観る時には他人事ながらもハラハラします。小さなミスなら時間帯や番組の区別なくテレビ朝日の報道系の番組を眺めていると、必ず一つは見つかるのではないでしょうか?夜空の流れ星を見つけるよりは遥かに簡単なのは確かです。何処ぞの国の留学生を最低賃金ぎりぎりで雇って入力変換の作業をさせているのか?あるいは社会保険庁ばりの鈍足タッチ五月雨打ちを頑固に続けているのか?どちらにしても誰も確認せずに本番放送に流すとは考えられませんから、チェック役が居ないのか、別の仕事と掛け持ちを強いられているのか?暴走気味の奇怪な変換ミスは流れないようですから、国語力と常識力に問題があるという結論になるのですが……。
間違えられた大和証券グループ本社は、「当日は各方面から、お客様からの問い合わせもありましたが、いまのところ風評被害のようなことはありません。ただ、このようなことが2度とないよう厳重抗議しました」と話している。「大和生命」の読み方も知らず?……破たんした生保は「大和」生命だが、「やまと」生命と読む。字幕の作成者は、会社名の確認を怠ったばかりか、破たんしたのが生保か、証券か、銀行かも確かめていなかったことになる。……
2008年10月14日 J-CAST ニュース
■生前、司馬遼太郎さんは日本語に関する対談で、「大和」をダイワと読ませる企業が多くなったと、大変に憤慨していたと記憶しております。ダイワ朝廷も戦艦ダイワも存在しないように、「大和」をヤマトと読まなければ「何の意味も無い!」と司馬さんは怒っていましたなあ。自分の家族や会社にどんな名前を付けようが自由なのですが、「赤」と書いてシロと読ませようとしても無理なように、人名や地名の漢字にも自由の限度というものがあります。司馬さんは、古典文学や歴史書で決まっている「大和」の読み方を勝手に変える感覚が許せなかったのだと思われます。
■本来はヤマトと読むべき熟語を「ダイワ」と読むのは特殊な例ということになるのですが、テレビ朝日のテロップ担当者は「ダイワ」が普通で「ヤマト」の方が特殊な読み方だと思っている可能性があります。もしかすると「ダイワ」と入力して変換すると自動的に「大和証券」になるように設定している可能性も……。少なくともテロップを作った人物は、報道内容をまったく吟味せず、意味も理解していないのかも知れません。聞くところによりますと、バラエティと称して多くの人間を雛壇に並べて暇潰しの無駄話を横並びで放送し続けたテレビ業界が、今度は一斉に報道・ドキュメンタリーに力を入れることにしたとか……。視聴率のためなら何でもやるのがテレビ業界なのでしょうが、すでに人材も機材もスクラップしてしまったような局が慌てて天下国家を論じようとしても火傷をするか大恥を掻くのが関の山のような気がしますなあ。
■小さな出来事ですが、日本語の長い歴史を軽く考えるとトンデモないことになる例として取り上げました。最近の民放テレビがこれまた横並びで熱心に取り組んでいるのが「新聞記事の朗読」なのだそうですが、それなら地上デジタル放送が始まる前にテレビはラジオにメディアの主役を奪い返されることになるかも知れませんなあ。
世界的な金融危機の最中、テレビ朝日が「大和証券が破たん」と誤って報じた。2008年10月10日夕方の「スーパーJチャンネル」で、与謝野馨・経済財政担当相談話の字幕に、経営破たんした生命保険の「大和(やまと)生命」と誤って「大和証券」と報じた。テレビ朝日は、同番組内であわてて「番組からのお詫び」を放送。さらに、同日の「報道STATION」でも、女子アナが正誤表を使って訂正するとともに謝罪した。
■以前にもテレビ朝日の「漢字変換ミス」については取り上げましたが、このような致命的なミスは別としても同局のテロップを観る時には他人事ながらもハラハラします。小さなミスなら時間帯や番組の区別なくテレビ朝日の報道系の番組を眺めていると、必ず一つは見つかるのではないでしょうか?夜空の流れ星を見つけるよりは遥かに簡単なのは確かです。何処ぞの国の留学生を最低賃金ぎりぎりで雇って入力変換の作業をさせているのか?あるいは社会保険庁ばりの鈍足タッチ五月雨打ちを頑固に続けているのか?どちらにしても誰も確認せずに本番放送に流すとは考えられませんから、チェック役が居ないのか、別の仕事と掛け持ちを強いられているのか?暴走気味の奇怪な変換ミスは流れないようですから、国語力と常識力に問題があるという結論になるのですが……。
間違えられた大和証券グループ本社は、「当日は各方面から、お客様からの問い合わせもありましたが、いまのところ風評被害のようなことはありません。ただ、このようなことが2度とないよう厳重抗議しました」と話している。「大和生命」の読み方も知らず?……破たんした生保は「大和」生命だが、「やまと」生命と読む。字幕の作成者は、会社名の確認を怠ったばかりか、破たんしたのが生保か、証券か、銀行かも確かめていなかったことになる。……
2008年10月14日 J-CAST ニュース
■生前、司馬遼太郎さんは日本語に関する対談で、「大和」をダイワと読ませる企業が多くなったと、大変に憤慨していたと記憶しております。ダイワ朝廷も戦艦ダイワも存在しないように、「大和」をヤマトと読まなければ「何の意味も無い!」と司馬さんは怒っていましたなあ。自分の家族や会社にどんな名前を付けようが自由なのですが、「赤」と書いてシロと読ませようとしても無理なように、人名や地名の漢字にも自由の限度というものがあります。司馬さんは、古典文学や歴史書で決まっている「大和」の読み方を勝手に変える感覚が許せなかったのだと思われます。
■本来はヤマトと読むべき熟語を「ダイワ」と読むのは特殊な例ということになるのですが、テレビ朝日のテロップ担当者は「ダイワ」が普通で「ヤマト」の方が特殊な読み方だと思っている可能性があります。もしかすると「ダイワ」と入力して変換すると自動的に「大和証券」になるように設定している可能性も……。少なくともテロップを作った人物は、報道内容をまったく吟味せず、意味も理解していないのかも知れません。聞くところによりますと、バラエティと称して多くの人間を雛壇に並べて暇潰しの無駄話を横並びで放送し続けたテレビ業界が、今度は一斉に報道・ドキュメンタリーに力を入れることにしたとか……。視聴率のためなら何でもやるのがテレビ業界なのでしょうが、すでに人材も機材もスクラップしてしまったような局が慌てて天下国家を論じようとしても火傷をするか大恥を掻くのが関の山のような気がしますなあ。
■小さな出来事ですが、日本語の長い歴史を軽く考えるとトンデモないことになる例として取り上げました。最近の民放テレビがこれまた横並びで熱心に取り組んでいるのが「新聞記事の朗読」なのだそうですが、それなら地上デジタル放送が始まる前にテレビはラジオにメディアの主役を奪い返されることになるかも知れませんなあ。