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『「放射線被ばくはわずかでも健康に有害である」という認識は誤り』とする福島の或る小児科医の見解。

2016-08-27 01:39:50 | 福島第一原発と放射能

福島県の小児科医会が、県民健康調査に関して、甲状腺検査などの規模縮小などを要望したと報じられています。

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さて、この流れを踏まえて、福島の小児科医というのは、どういう方々が多いのかと、少し考えました。

そして調べてみると、『福島県におけるリスクコミュニケーションの課題について〜小児科医の立場から見た福島県の現状〜』というタイトルで、内閣府原子力委員会に出された資料に行き当りました。

福島にいらっしゃる女性小児科医の方が、数年前に出された内容のようです。

勿論、福島県の小児科医全体の意識をこの方が代表しているとは言えませんが、一つの典型例として見た場合に、福島の小児科医という存在を考えるヒントにはなると思いますので、リンク先で全文を確認してみてください。

特に今後の課題について書かれた最後の部分のみ、引用しておきます。

 

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http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2013/siryo14/siryo1-3-1.pdf

6.これからの課題

1 放射線が人体に及ぼす影響への正しい理解 「放射線被ばくはわずかでも健康に有害である」という認識は誤りであることを、全ての国民が 理解する必要性を強く感じている。勿論これは放射線を浴びてもいいという理論ではない。また、 これをもって原子力エネルギーは推進すべきであるという理論も誤りである。特に、東電福島原発 事故による放射線被ばくと、今後我が国の原子力エネルギー政策をどうするかを、同じ土俵で論じ るべきではないと考える。 「低線量被ばくの影響はわからない」という文言も多くの誤解を生んでいる。これは、将来健康 被害がおきるかどうかわからないのではなく、喫煙や飲酒・ストレス・生活習慣などの要因にまぎ れて証明できない、即ち医学的に捉えればリスクは低いということである。見方を変えれば、現在 人が居住している地域の住民は、放射線被ばく以外の健康に与えるリスクを少なくする生活を心が けることで、今後も健康な暮らしを保つことは十分に可能であるといえる。 これら放射線医学的情報を、今後も機会ある毎に伝え続けていくことが医師の役割と考える。 そのためには、国・県・医学会・生物学会からの正式な見解も必要と感じる。

2 「安心」と「安全」の狭間をどう埋めていくか 現在の県内居住地域が「安全」であることは理解できても「安心」できない住民がまだ多いこ とは現実であり、個々の状況によっては情報提供よりも相手の心情に配慮する工夫も必要である。 そのためにもメンタル・ケアは必要不可欠であるが、人材が不足していること、ケア・支援する 組織同士の連携がとれていない現状がある。さらに、支援者側の放射線被ばくに関する認識も最 低限統一される必要があり、今後は立場を越えた情報交換も必要と考える。 福島県小児科医会では、平成 23 年、24 年に「福島県小児科医会声明」を出している。(資料) 具体的には小児医療の充実を図る施策のひとつとして任意予防接種の無料化、保育園等の費用 補助・子育てのサポートなど、安心して県内で子育てができる環境が整えられ、元気に外で遊ぶ 子ども達の笑顔が増えてようやく、県内で暮らすことが安全であることを理解してもらえるよう に感じている。

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