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「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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白鵬の披露宴に出席して気づいた二、三のこと

2010-02-22 23:12:04 | その他
白鵬が結婚披露宴、角界・著名人ら870人出席(読売新聞) - goo ニュース

白鵬の奥さんのお父さんと
たまた僕が知り合いのため、
なぜか、きのう出席していました。
奥さんもお綺麗で、子供たちもとてもかわいくて
良い家庭そうでした。
奥さんは僕の高校の後輩なのもはじめて分かりました。

さて、気になったことを、少しだけ。

①YOSHKIのことを白鵬好きなんですね。
フーン。(合間の演奏しに来ていました)

②NHK関係者は海老沢媒酌人に諸星氏登壇と
旧海老派人脈ばかり。現幹部の存在感なし。
大相撲のNHKがその状態なのが???
海老沢媒酌人は昭和と平成を間違え続けたスピーチ喋り捲り。

③思った以上に芸能人少なし。
出席はみのもんた、松山千春、デーモン小暮、叶姉妹、
ボクシングの内藤、YOSHKIくらいの感じ。
一人横綱の披露宴にしてはさみしい感じ。
というか今の大相撲の実態の反映かも。

④面白かったのはブラックジョーク連発の千春。
足寄町の議員は逮捕ばかりとしゃべるなど、
風体はともかく、歌声は素敵だったしねと。

⑤さらに、相撲取りや親方連中が本当に目立たなかった。
(除く高見盛)

お粗末。

なぜ寺島しのぶさんがベルリン国際映画祭で受賞できたのか

2010-02-22 06:50:27 | その他
寺島しのぶさんがベルリン国際映画祭で
最優秀女優賞を受賞されました。
本当におめでとうございます。

日本人の女優が、
海外の映画関係者から
その演技力を評価されることは
本当には、ほとんどありません。
そうした記事が芸能関係でよく出ますが、
ほとんど、その女優の宣伝のために
芸能プロダクションが仕掛けている記事を
スポーツ紙などがなんの批評精神もなく
垂れ流しているだけで
実際にはほとんど何の評価もされていないのが
はっきりとした現実です。
これは、おそらく日本の女優の大半の成立の仕方が
「女」という商品としてどこまで売れるのかということを
前提にして、芸能プロダクションが育成していることにあって、
それはまず「テレビ」で売れるかどうかを中心に、
オプションとして「映画」「舞台」の展開という
ステップを踏ませているからだと思います。
もちろん最近は、「テレビ」での展開が
お金になるというよりも、
自前のシステムが組みやすい
「映画」「舞台」という中を中核に、
その女優を展開していこうとするプロダクションが多く、
ある種の「演技派」として女優を演出していこうとする
プロダクションも多くありますが
実際のところ、
その育成過程がきちんとあるわけでなく、
またある種の女優は売れた後から、
そうした舞台の世界に入り込むため、
ある種の独特感がある世界に巻き込まれて
世の中に既に知られている「女優としての私」を
見失っていくこともあります。

こうした人々と
寺島しのぶは全く異質な存在です。
父はの尾上菊五郎、母は富司純子、
弟は歌舞伎役者の尾上菊之助と
歌舞伎と映画の真っ只中で生きていることが
彼女には大きいのだと思います。
みせかけの女優さんたちとは異なり、
否応なく、その環境に生きている人間。

ただ実際には彼女がこの世界で存在を
きちんと認識され始めたのは、
90年代の後半からで、
97年の「奇跡の人」のヘレン・ケラー役で
舞台で評価されたのがまず一歩だったと記憶しています。

僕はその「奇跡の人」で彼女が評価されて後、
たぶんその翌年くらいに
偶然彼女がいた飲み会に参加したことがあります。
友人の弁護士に「飲み会に来い」とその日の夕方に
電話がかかってきて、六本木の和風居酒屋に着いたのが
午後九時過ぎだったと思います。
大体、宴は続いていて、
男は弁護士と大蔵官僚ばかり、
女性は青学のOBの女友達でした。
その女の子たちの席の隅に、
少し大柄でかなりおとなしくて地味な女性がいました。
この女性は大変失礼な言い方をすれば
相当地味で本当に静かだったのですが、
なんというか少し独特の表情と、
独特のことば遣いをしていて、
自分の感情がすさまじいのに、
それをあんまり表出しないようにしている
珍しいタイプの人とも思いました。
で、名前を聞くと「寺島しのぶ」と教えてくれました。

もちろん、大河ドラマでも演技力を見せ付けている
最近の人気とは異なり、
当時は彼女は
演劇をよく知る人には
「奇跡の人」の演技で
認知されはじめたばかりの舞台女優でした。
さらに、世間一般には
「富司純子の娘」という認識のみだったと思います。
それでも名前をきけば気づくのが普通ですが
その宴席にいた男は僕以外、誰一人として
彼女が何者かよく分からず、
彼女が独特なのをいいことに全く話をしかけない状況でした。

そのため、僕が一人で彼女といろいろ話す展開になり、
演技のこととか人生の過ごし方とか
割と密度のある話を一時間ぐらいした気がしています。
世間一般のほかの事はたいした話もなかったのですが
やはり演技にまつわることにはものすごい本気感を
感じていました。

メディアの世界にいる人間として
ジャンルは異なるのですが、
ブレイクしてくる可能性のある人間は
とても大切にという感覚が僕の中に染み付いていたため、
そのときに
きちんと応対しなければという意識が強かった思い出があります。

その店を出て、男ばかりになったときに、
弁護士と大蔵官僚たちに
彼女が何者かを分かっているのかと半分怒りながら
話した記憶もあります。

その後、二回くらい彼女の舞台を見に行きました。
あるときの舞台は、
彼女の演技は良かったのですが
演出にはかなり問題があると感じて、
そのことをメールで書くと、
かなり長文の本人のお返事が返ってきて
面白い議論になったこともあり、
夜中の電話でも一度話し込んだこともあります。
そして、演技ということに、
ここまで執着している感覚は
並大抵の人ではないなと思っていました。

もちろん、実は、
「寺島しのぶ」というタイトルが
「富司純子の娘」というタイトルに勝ることが
大変だった時期も長かったと思います。
お母さんがあれだけ人気を博した女優である以上、
人気という点でそのレベルにたどり着くのは
並みの作業では不可能です。というか難しいでしょう。
だとすれば、女優としての演技力や存在感で
「寺島しのぶ」ブランドが
大きくなることしかありません。

もちろん近年の彼女の活躍はその方向の開花でしょうし、
知名度も飛躍的に上がっています。
フランスのアートディレクターと結婚されたのも
「彼女らしい」と思っていました。

そうした中でベルリン国際映画祭の最優秀女優賞を
彼女が受賞したことは大変な快挙と思います。
若松監督はこの映画祭とは相性が良いみたいですが、
今回の映画に関しては作品そのもの以上に
彼女の演技力そのもののレベルが大きく評価されたのだと
思います。
近年、このレベルに到達した日本人の女優は一人もいないと
僕は思います。

ただあのときの彼女の表情や
電話での会話を思い出すと、
なぜ彼女が到達したのかわかる気もしますし、
逆に彼女以外の日本の若い女優たちが
恐らくは、到達しないことも
確信できる気がしています。







最優秀女優賞の寺島さん「じわじわきてます」(読売新聞) - goo ニュース