masaring

自己チューの進行形日記でshow。

しだれ梅、2景。

2011年02月25日 | masaringの内緒話

Img_6265

【会社から歩いて3分。大きな「しだれ梅」を今年初めて知った。】

Hanakago

その昔、我が家には、しだれ梅があった。
門かぶりの「しだれ梅」。
おそらく、植木好きの祖父が植えたものだったのだろう。

他所から植え替えたに違いないから
多分、樹齢100年は優に超えていたと思う。

その樹の剪定は長い間、私がしていた。
この季節、たくさんの花を咲かせ
近所の人や道行く人に潤いを与えていた。

Img_6266

一瞬の花の季節は美しいが
夏には毛虫を始めとする病害虫被害を防ぐため
5回位の消毒(薬剤散布)は欠かせなかった。

「何と手のかかる、梅の樹だ。」
恨めしいと何度も思ったのである。

そう、その昔である。今は無い。

Hanakago_2

その花を私が、心から
美しいと思ったのは平成元年である。
平成元年の2月。祖母が他界した。

その頃はセレモニーホールも無い時代。
葬儀は自宅で執り行った。
葬儀終了後、棺は火葬場へ向かうのに
公衆道路に停車中の霊柩車に乗せるため
門かぶりの「しだれ梅」の下を通った。

葬儀の参列者へのお礼の言葉は、私が述べた。
そう、門かぶりの「しだれ梅」の下でである。

その時、梅のほのかな香りと
薄いピンクの花びらが私の肩に落ち
不覚にも涙が毀れた。

勿論、祖母との思い出も脳裏を蘇ったのだが、
「しだれ梅」の花のあまりの美しさに
心が放たれたのである。

Hanakago_3

その門かぶりの「しだれ梅。」
10数年前の紀州を直撃した台風で
根元から朽ち果て、倒木したのだ。
風の通り道であったのである。

そう、その「しだれ梅」が無ければ
我があばら家の瓦は全て飛んでいただろう。

近所の新築の家に甚大な被害があったのに
我があばら家は奇跡、全く無傷だったのである。

「しだれ梅」がわが身を呈し、犠牲にして
我が家を守ってくれたのである。

この季節。最近富みに、今は無き、我が家の

「しだれ梅」を思い出すのである。

Img_6271

【2景目。夕暮れの「野半の里」のしだれ梅。観光スポットである。】

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです (お~む)
2011-02-26 00:02:03
 いいお話ですね。こちらはしだれ梅の大木は見たことがありません。門かぶりのしだれ桜はありますが‥。

 紀州はやはり梅どころですね。
返信する
大きな木に盛り上がるほどの花、八重の枝垂れ梅、... (kazuyoo60)
2011-02-26 08:46:08
お祖母さまを送られた時は、枝垂れ梅の季節でしたか。その枝垂れ梅がお家を守ってくれたのですね。お祖母様も一緒だったかもしれません。
次の枝垂れ梅、植えこまれても良いですね。もうそうされたかな?。
返信する
[E:yacht]お~む様へ (お~む様へ)
2011-03-10 19:33:38
お~む様、本記事へもコメント
ありがとうございます。
この時期、例年だと、とっくに梅の花は
散り初めていますが、今年は
いつになく低温気候で
まだ、梅の花は健在です。
我が家のしだれ梅。
無くなってから
その良さを知った次第です。
紀州は梅の本場。
しかし、花が綺麗でも
結実に結びつくとは
比例しないのが
皮肉な現実です。
ご訪問ありがとうございました。[E:apple][E:bud][E:maple][E:cherryblossom][E:riceball]
返信する
[E:diamond]kazuyoo60様へ (kazuyoo60様へ)
2011-03-10 19:37:57
kazuyoo60様、本記事へもコメント
ありがとうございます。
そう、我が家のしだれ梅は
我が家の守り神でした。
あばら家でも
リフォームできたのは
その、しだれ梅が
守ってくれからと
信じて止みません。
残念ながら
2代目は植えていません。
亡き祖父のように
樹木を心から愛して
技術を持つ人が
現存しないのが
その理由です。
ご訪問ありがとうございました。[E:club][E:eye][E:ear]
返信する

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