masaring

自己チューの進行形日記でshow。

「生と死を超えたひかり」。

2008年11月10日 | masaringの内緒話

20081021_005

【アリアケカズラ↑。あなたは「生と死を超えたひかり」ですね。】

Akahana

公開中の映画「おくりびと」。私は9月23日に観た。
11月になってもロングランを続け、観る人に感動を与えている。

今年どういう訳か新春からたくさんの映画を観たが
個人的には今年のBEST1に挙げるべき映画だった。

この映画で、亡くなった人の体を清め、棺に納める
「納棺師」という職業があることを知った。

私も、身内で何回もこの場面に接してはいるのだが、
葬儀屋さんがやっているものと思っていた。

しかしそれとは別に独立した職業があったのだ。
《映画では「隙間の職業」という台詞が印象的だった。》

Hanaaka

主演のM.M.さんは15年前に、『納棺夫日記』という本と
出合って以来、この作品の構想を温めてきたということだ。

「納棺夫」とは、著者の青木新門さんの造語だ。
早稲田大学を中退して、故郷の富山県で経営していた
パブ喫茶が、倒産してしまう。葬祭会社に入ったのは、
たまたま、新聞の求人欄で目に留まったからだ。

いつのまにか、死体処理の専門家にされてしまったものの、
最初はこの仕事がいやでたまらなかった。

映画でも、友人が離れていき、
妻からもなじられる場面があった。
ひどい状態の遺体には辟易(へきえき)する。

ところが、毎日接しているうちに、
死者が「静かで美しく」見え、かえって
死を恐れる生者の「醜悪さ」ばかりが気になるようになる。

死者の顔に漂う「光の残映」のようなものの正体は何だろう。

Hanaaka

宮沢賢治が、昭和6年の11月3日。当時の明治節に
ノートに書きつけた『雨ニモマケズ』、
浄土真宗の開祖、親鸞の主著『教行信証』、
わが子の姿も見ずに、32歳で世を去った医師の遺稿集…。

著者の青木さんは、乱読と思索の末に、生と死を超えた
「ひかり」の存在に行き当たり、この本を書いたそうだ。

Tyei_2

 

また、現在Fテレビ系で、放映中のドラマ「風のガーデン」。
「北の国から」。「優しい時間」。に続く倉本聰さん脚本で
北海道富良野シリーズの最終章だそうである。

あまりテレビを見ない私だが、かかさず見ている。

 

Hanamidori

 

末期がんに侵された敏腕の麻酔科医が主人公だ。
その父親は、故郷、富良野で、終末医療を手がけている。

演じる緒形拳さんは、これが遺作となった。

いくつもの「死」に彩られているというのに、
暗さを感じさせないのが不思議だ。
むしろ瑞々しさが画面から伝わってくる。

要因は、365種の花が季節折々に咲く、
英国風庭園を舞台に、脚本家の倉本聰さんが、
描こうとしているのも、「ひかり」の存在のようだ。

Akahana

「生と死を超えたひかり」。
凡人の私には、今はその「ひかり」は見えない。

でも私も、私のその「ひかり」を見つけたい。
次の世代に自分なりの生命のリレーをするためにも。

Hanamidori

20081103_001

【我が家の軒先のバラ。この花達は「ひかり」を知っているようだ。】

コメント (4)
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