塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

経営者の持つ金銭感覚

2010-02-25 01:06:05 | 日記
 今年はじめに自分の店でアイロンを買いました。従業員割引を含む様々な特典をフル活用して、家電量販店で買うよりも相当安く買えたので非常に満足していたんですが、おととい家電売場を通ってみると、「現品限り」の札のもと、僕が買った金額より更に安くなっていたんです。

 見てはいけない物を見た気がして、正直がっくりでしたね。このアイロンは非常に使いやすいので品質にはとても満足していますが、自分が底値だと思った金額がそうではなかったことが、僕にはショックだったというわけです。

 でもサッカークラブの会長は、僕がショックを受けた金額とは比べ物にならないくらいの金額でショックを受けることがあるんですよね。僕の好きなインテルのマッシモ・モラッティ会長は、「お人よしの会長」「金の使い方を知らない会長」と、2006-07シーズンにスクデットを手にするまでさんざん批判されてきた上、今でもお金の使い方を批判される時があります。

 またどこの国でも、中小クラブが移籍市場での振る舞いに失敗すれば、一気に奈落の底へ沈んでしまう可能性もあります。補強した選手が額面どおりの活躍ができなければ、移籍金は水の泡と消え、更に降格を回避する為冬の移籍市場への資金投入、下手をすれば監督を解雇して、新しい監督を雇う必要がある。。そこでも新しい契約金と年俸を提示する必要がある。
 まさにお先真っ暗です。

 サッカークラブの会長やGMの、お金に関する思考回路はどうなっているのでしょうね。

 光文社新書のベストセラー「食い逃げされてもバイトは雇うな上・下」の著者の山田真哉氏は、このシリーズの上巻123ページで、次のように記しています。

 「経営者に大事な資質というのは、ふだん接しない大きな金額のときでも、ちゃんと節約できることだと思います。」

 近年インテルは移籍金0の自由契約選手(例えばカンビアッソ)や、ユースからの昇格(例えばサントン)など、お金をかけずに戦力を強化する方法を積極的に取り入れ、スクデットを獲得しています。
 しかしインテルの場合、ナイキやピレリをはじめ莫大なスポンサー収入があるのも事実で、イタリアのクラブはメーカーから用具の供給は受けても、金銭のサポートは一切無しというクラブも多いんです。ですからインテルが金銭的に恵まれている事は事実です。

 今期J2に降格したトリニータの場合、やはり溝口社長は「身の丈経営」ができなかったんですね。ナビスコカップの制覇とパン・パシフィック選手権出場ということで、もしかすると本気でJ1の優勝を目標にしたのかもしれません。

 でも洋の東西問わず、地方クラブがリーグ優勝の歓喜に浸れる可能性はほんのわずかであり、日本もその例外では無かったことになります。やはり首都周辺と地方では、お金の流れが違う事と同時に、今は戦力はお金を払って手に入れるものという時代の流れに、トリニータは飲み込まれてしまったといえます。

 クラブ経営者が僕たちのよう金銭感覚を持っていても、得るものは何もないのかもしれません。
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